武蔵野散歩の楽しさを台無しにした交通巡査の点数稼ぎの不快さ

先日、美女三人から案内係を仰せつかって武蔵野散策としゃれてみた。武蔵境駅で落ち合って、徒歩で東京天文台方向へ向かった。途中から道もなんとなく田舎道風に変わってきてなかなか風情がある。多分そこは深大寺辺だったのではないかと思うが、定かではない。

いつものことながら地図を持たずに、行き当たりばったりで歩いたため、途中で不安になり、通行人に道を尋ねた。親切に教えていただいたのだが、そこはかなりいい加減な四人組とあって、再び道に迷ってしまった。自転車で通りかかったおじさんを呼び止めて再度お聞きした。おじさんは美女に尋ねられたせいか、わざわざ自転車を降りて、しかも何度も念を押して教えて下さった。今度は間違えずに天文台前に出た。

天文台の構内はだれでも自由に無料で入れて、見学できるようになっていた。かなり広い敷地に、いろんな建物が建ち、かつて使われた天体望遠鏡などを間近にみることができた。

構内は樹木も多く、夏の散歩にうってつけだ。

そのあと、荒川修作の「三鷹天命反転住宅」の見学に行った。この住宅については、インターネットで調べれば詳しく載っているから省く。いずれにせよかなり奇妙な、積み木細工を組み立てたような建築物である。現在住宅として使われているため、残念ながら中は見られなかった。

最後に三鷹の禅林寺に行って、鴎外と太宰治の墓を見ようということになる。さて、そこは美女たちで、おみ足がお疲れになり、どうしても車じゃなきゃいやだとおっしゃる。仕方なく、タクシーをつかまえ、向かう。ところがである、タクシーがある角を曲がって100メーターほど進んだところで、突然二人組の「おまわり」に呼び止められた。この道は4時以後は進入禁止になっているというのだ。それなら、ちゃんと入口に表示ぐらい出すべきではないのか。こんなところで待機して切符を切るなんてのは、まるで「詐欺師」のやることではないか。運転手は、可哀そうに七千円の罰金となった。交通巡査の成績アップのための点数稼ぎ以外の何物でもない。しかも、その道の出口には交番まであったのだからあきれる。まったく、気分を害されてしまった。こんなやり方は即刻廃止すべきだろう。

禅林寺では、鴎外と太宰の墓がほぼ向かい合っていた。以前に来た時には、鴎外の墓よりも太宰の墓のまわりに若い人が集まっていたことを記憶している。6月19日の桜桃忌ももう間もなくだ。