日本学術会議会員任命拒否に抗議する緊急声明(比較経済体制学会)
2020年10月1日、日本学術会議第25期発足にあたり、同会議が推薦した新会員候補105名のうち6名について、内閣総理大臣による任命が行われませんでした。こうした事態は、現行制度下では初めてのことであり、任命を見送った経緯が開示されていないことも大きな問題です。この度の任命拒否が政権の恣意性によるものであれば、それは同会議の職務の独立を定めた日本学術会議法の趣旨に反するだけでなく、学問の自由を侵害し、科学者の自律した研究活動を委縮させ、ひいては言論の自由、思想・信条の自由といった民主主義社会の根幹を揺るがしかねないことが懸念されます。
日本学術会議を支える学協会として、この度の政府による任命拒否に抗議し、日本学術会議が10月2日に発出した要望書(1)を支持します。時の政権の恣意によって任命拒否が行われたのではないかとの社会の疑念を払拭するためにも、政府に対して、任命が見送られている新会員候補の法に基づくすみやかな任命と、任命を見送った理由の開示を求めます。
(1)日本学術会議「第 25 期新規会員任命に関する要望書」(2020年10月2日)。
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo301-youbou.pdf
2020年10月16日 比較経済体制学会代表幹事
溝端佐登史
※2020年10月5日に行われた比較経済体制学会幹事会において、本声明は賛成12名、
反対1名、保留1名で審議・了承された。