森法務相は、黒川弘務氏を「訓告」とすることを今日(5月22日)の閣議に諮るとの
ことです。
しかし、人事院「懲戒処分の指針について」によると、賭博をした職員は「減給」又は
「戒告」、常習として賭博をした職員は「停職」となっています。
訓告は懲戒処分の中で一番軽い「戒告」よりも、さらに軽い文書または口頭での「注意」
にすぎません。
そこで、先ほど、法務省のHPにある「意見・提案」受付窓口宛てに、Eメールで、次
のような意見を送りました。(1000以内。名前・メールアドレス等は任意記入)
https://www.moj.go.jp/mojmail/kouhouinput.php
同じご意見の方は、ぜひ、意見をお送りください。気を緩めると、出し抜かれます。
——————————— 以下、法務省に送った意見 ————————————-
「黒川弘務氏への訓告を撤回し、免職または停職を求める」
今日(2020年5月21日)、森雅子法務大臣は、緊急事態宣言中に、新聞記者と「賭け
マージャン」を行っていたことが明るみに出た黒川弘務東京高検検事長を「訓告」にする
ことを明日の閣議に諮ると発表しました。
しかし、人事院「懲戒処分の指針について」の(9)によると、賭博をした職員は減給
又は戒告、 常習として賭博をした職員は停職となっています。訓告は懲戒処分の中で一
番軽い「戒告」よりさらに軽い「注意」にすぎません。
また、「国家公務員手当法」第8条の2 四によると、懲戒処分(停職、減給、戒告)
を受けた者には、退職手当の調整額は支給しない旨が定められています。
とすれば、訓告なら、黒川氏には所定の退職手当を満額、支給することになります。
しかし、人事院「懲戒処分の指針」は、
①非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて
重大であるとき、
②非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき、
③非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいときは「標準例に掲げる処分の種
類以外とすることもあり得る」
と記しています。
市民の信任をなによりの基盤とする検察庁の No.2 の地位にあった黒川氏が「賭博
マージャンの常習犯」(『週刊文春』見出し)となれば、上の①②③がすべて当ては
まると言っても過言ではありませんから、「停職」さらには「免職」の懲戒処分を受
けてしかるべきです。
市民を愚弄するような大甘の「訓告」を撤回し、黒川氏から提出された辞表を 受理せず、免職または停職とするよう求めます。
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〔参考 1〕次のような配信記事があります。
「『賭けマージャン』の黒川検事長を訓告処分 人事院指針より軽く 森法相」
(『毎日新聞』2020年5月21日 20時04分(最終更新 5月21日 20時10分)
https://mainichi.jp/articles/20200521/k00/00m/010/196000c
〔参考 2〕黒川氏のケースに、そのまま当てはまるのか未確認ですが、総務省が
まとめた「退職手当の調整額について」という文書、
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/komuin_taishoku/pdf/071128_1_si10.pdf
に次のような定めがあります。
「③その者の非違により退職した者で、退職した日から3月前までに、その非違行為
を原因として懲戒処分(停職、減給、戒告)を受けた者については〔退職手当の調整
額を支給しない」
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion9772:200522〕