浜岡原発全面停止を要請(5月6日の菅首相の記者会見)

著者: 山川哲 やまかわてつ : ちきゅう座会員
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今頃になってやっとというべきか、昨日の夜の記者会見で菅首相は、日本はまれにみる地震大国であり、東海地震がこの30年間で起きる可能性が87%の確率でありうるとの地震学会の見解を報告し、したがって、防潮堤等の地震、津波対策が出来上がるまでの約2年間は、浜岡原発の3,4,5号の運転を停止してほしいと中部電力に要請したことを明らかにした。たしかにこれは朗報ではある。しかし、この菅首相の言葉を忠実に解釈すれば、日本列島にあるすべての原発は防災上、ただちにストップすべきなのではないだろうか。

勿論この要請が、今後の原発裁判のすべてに大きな影響を及ぼすであろうことは確かであるが、しかし、これで安心してはいけない。危険な原発を敢えて建設することの背景には、日本の地方過疎問題がある。今の体制の中では、過疎地帯が、自然と溶け合いながら豊かな生活を送ることなんて夢のまた夢でしかない。食うためには何らかの産業を誘致せざるを得ない事情がある。原発問題は、そういう意味では日本における都市と農村の問題でもある。もちろん電力という名の「生産力第一主義」神話の問題とも絡んでくる。

これらの問題の解決を迫っていくことなしには、真の脱原発社会の実現はあり得ないのではないだろうか。これからの日本社会の在り方をこの機会に大いに議論したいと思う。

菅首相のこの「決断」に対するもう一つの見方があることを最後にご紹介しておきたい。それは、先日の米国国務長官クリントン氏の来日と関係がある。米国にとっても、日本が地震と原発で破滅することは得策ではない。この決定はもしかして米国の意向かもしれないという見方である。大いにありうるかもしれない。海江田の浜岡訪問といったパフォーマンスなどはそのことを雄弁に物語っているように思える。

今日は午後2時から渋谷で「原発やめろ!」のデモがある。ぜひご参加をお願いしたい。我々の手で、この運動を盛り上げたいと思う。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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