イ」という一文が掲載されていた。
カーリングには審判はいないというのは俗説で、審判はいます。
しかしながら原則はセルフジャッジのスポーツなので、審判で出る幕はほとんどありません。
プレー結果に疑義が出ない限りは審判が登場することはありませんが、何かルールの不明な点や争う点が発生した場合には、審判が登場して協議します。
審判が一方的に結論を出すという競技ではないので、それを審判というのか判断は分かれるかもしれませんが…。
あと、エンドが終わってお互いに得点を確認した後は、審判に対して、どちらのチームが何点取ったのかを伝えなければなりません。
新聞記事では次のように紹介されています(日刊スポーツ)。
—
第4エンドで北海道銀行スキップ吉村が2投目でハウス中央を狙った。ドンピシャのドローショットで中央にぴたり。NO・1になったかと思われたが、近江谷のスイープでブラシが石に接触した。近江谷は「止まる直前にブラシが当たった。動く途中にあたると完全にアウト。ちょうど藤沢選手がブラシではきにきたタイミングで、確認に時間がかかりました」と説明。最高のショットだったが、近江谷が自らルールに抵触したとして石を無効とした。近江谷は「私のブラシです。ビデオ判定とかないので」と話した。痛恨のミスではあったが、近江谷は「ミスは戻せない。チームで『ここからもう1度やり直そう』と声をかけてくれた」。ミスをひきずらずに、優勝をたぐり寄せた。
カーリングでは審判は介入せず、石の距離をメジャーではかるぐらい。選手は、お互いに相手を尊重しながらフェアプレーの精神で、試合を進める。規則に抵触した場合は、選手同士で話して解決することがカーリングの精神だ。
得点差が開いた際に、負けている方が試合を終了する場合も、ギブアップという言葉は使わない。カーリングでは「コンシード」といって、その精神は「相手の勝ちを認める」ということ。選手同士がお互いをリスペクトしあいながら、試合を進めていく競技だ。
—
したがって、今回の北海道銀行の選手がとった行為もカーリングの世界では特別なフェアプレイということではなく、当然な行為と受け止められています。
カーリングの世界では某大学アメリカンフットボールのコーチのような人物が存在する余地はありません。
なお、このゲームに出場した選手の多くが、小中学の同窓生です(同級生も多い)。
小さいころから切磋琢磨しながら成長した選手たちです。
カーリングは氷上のチェスといわれる緻密な戦略性と頭脳戦の要素が大きい攻防の駆け引きが魅力のスポーツです。
なお、大きな大会では選手の胸にマイクが付けられていて、試合中の選手の会話がテレビを見ている観客に伝わります。
平昌オリンピックで、選手ののんびりした北海道弁がかわいいと人気になりました。