2年前から、あらゆるものが値上がりを続けている。国民の生活に与える打撃も日毎に増す一方だ。このため、生協の全国組織である日本生活協同組合連合会(組合員3000万人)は、さる5月、物価高騰の影響についてアンケート調査を行った。調査はインターネットで行い、有効回答数は6536件だった。
最初の質問は「物価高騰に伴い、日頃、節約を意識しているか」(答えはひとつ)である。
これに対する回答は「強く意識している」23.8%、「ある程度意識している」70.1%、「あまり意識していない」5.8%、「全く意識していない」0.4%で、「強く意識している」「ある程度意識している」合わせて93.9%にのぼった。国民のほとんどが節約を余儀されているということだろう。
節約の背景に将来への不安も
そこで、アンケートは、日頃から節約を意識している人に「節約を意識する理由」を尋ねた(答えはいくつでも 可)。
これに対する回答は「モノやサービスが値上がりしているから」59.9%、「将来の生活に備えて貯蓄するため」53.3%、「不況・景気への不安がある」36.1%だった。
国民の多くが、目の前の物価高騰に振り回されているばかりでなく、これから先の将来についても強い不安を感じていることがうかがえる。
食品を買う動機の1位は「おいしい」
次の質問は「食品を買うときに、多少高くても買う理由になるもの」(答えはいくつでも)である。
これへの回答は「おいしい」(71.33%)、「国産品」(57.7%)、「添加物不使用・添加物が少ない」(42.0%)だった。
食費の節約にはセール(特売)を重視
次の質問は「食費を節約すると思ったとき、選ぶ方法」である(答えはいくつでも)。
これに対する回答は、「セール(特売)のときに買う」77.0%、「安く買える購入先で買う」64.6%、「割引やポイント還元を利用する」53.7%だった。
この質問では年代差が出た。若年層(20~30代)からの回答では「安く買える購入先で買う」「お得な大容量・増量品を選ぶ」が多かったが、シニア・シルバー層(60~70代)では、「材料を使い切る・使い切れる量しか買わない」「購入するものを事前に決め、必要なもの以外買わないようにする」といった回答が多かった。
20代の若者は節食か
最後の質問は「今後の食費についての節約意識について」であった。
回答は「食費は今まで以上に節約したい」(22.8%)、「食費は今と同程度節約したい」(58.2%)、「食費の節約を考えていないわけではないが、実際には難しいと思う」(16.6%)だった。
いわば約6割の人が今後も「食費は今と同程度節約したい」と考えているわけだが、20代は「食費は今まで以上に節約したい」が39.7%、「食費は今と同程度節約したい」が49.7%、「食費の節約を考えていないわけではないが、実際には難しいと思う」が7.3%だった。
日本生協連によると、昨年11月におこなった同様のアンケート調査では、「食費は今まで以上節約したい」と回答した20代は26.0%だったという。半年間に、13.7ポイントも増えたことになる。
どうやら、20代の若者はこれから先、節食に励もうと考えているようだ。
初出:「リベラル21」2024.07.31より許可を得て転載
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