3月27日の「東京新聞」に、3号機汚染水の検査で、「プルトニウム調べず」という記事が載っていた。プルトニウムの半減期は24000年といわれる。今日の東電関係者、政治家たちは、それほど長い未来にわたって責任をとる必要はないとでも考えているのであろうか。それ以後もNHKはじめとして、ほとんどのマスコミがこの件にあまり踏み込んで報道しようとしなかった。ところがである、今回ついに土壌からプルトニウムが発見されることとなったのである。
また計測機が振り切れるぐらいの高濃度の放射能が、建屋の外部からも計測されたのである。
ここにそのことを報道したドイツのメディアの記事がある。『ディ・ツアイト』からそれを要約・紹介する。最初の記事は「核溶融事故によってプルトニウム発見」というタイトルである。
―福島第一原発周囲の土壌中に有毒のプルトニウムが発見された。日本政府は、専門家たちによってとっくの昔に指摘されていたことをやっと認めた。つまり、核溶融事故が起きていたのだ。
破損した福島一号原発の周囲の土壌からは、毒性の強いプルトニウムの痕跡が発見されている。東電は、地震や津波によって建物の中の燃料棒から流出したのだろうとみている。
この報道は、「共同通信社」からのものに基づいているとのこと。
―ドイツの女性科学者、インゲ・シュミッツ・フォイアハーケは、核溶融事故によってプルトニウムが周囲の環境の中に流出することは、当然予測しえたことだ、という。また、プルトニウムを吸い込むことの危険性を指摘する。というのは、それが癌や突然変異を誘発するからだ。
第二の記事は「虚偽報道の東電文化(開発=kultur )」というものである。ここには次のように書かれていた。
―(東電側の管理ミスによって)間違って汚染された労働者、また(東電側の)間違った価値感:つまり、電力独占企業の東電は、報告を遅らせ、しかも不正確な報告によって日本人の信頼をぶち壊している。
このことから我々は、「知らぬは日本人ばかりなり」という教訓を学ぶべきかも知れない。そして、今こそ怒りをもってこれを糾弾し、新たな変革を目指すべきであろう。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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