福生市で朝鮮学校保護者補助金が廃止

学習会

「朝鮮学校と教育への公的助成ー福生市外国人学校保護者補助金廃止問題」

多摩地域には、西東京朝鮮第一初中級学校(所在:立川市)と西東京朝鮮第二幼
初級学校(町田市)という2つの朝鮮学校があります。小中学校に相 当する学
校です。半世紀以上の歴史をもつ2つの学校では、多摩地域全域から集まった子
どもたちが、日々の学校生活を送っています。
義務教育はすべての子どもが、平等に、無償で、受けられるべきであるという
ことは、私たちの社会において共通の理念のはずです。教育には、設備 や教員
の確保などに、大きなお金がかかります。それを社会全体でどう負担して行くの
かは大きな課題ですが、朝鮮学校の場合、ほとんど自助努力のみ によってまか
なわれています。これは、良いあり方といえるでしょうか?
朝鮮学校への公的助成は、金額は少ないながらも地方自治体によって担われて
きました。東京都の全区と市町村の大半は、保護者への補助金を支給し てお
り、国が助成しないなかで、その意義は小さくありません。
しかし、福生市は、今年度から「外国人学校保護者補助金」を廃止するとして
います。なぜなのでしょうか。いくつか挙げられている理由のひとつ は、『補
助金の対象者が少ない』ということですが、少なければ切っても良い補助金なの
でしょうか。少数者への施策は必要ないのでしょうか。
私たちは、朝鮮学校とはどんなところなのか?教育への公的助成はどうあるべ
きか?改めて考えたいと思っています。学習会に、是非ご参加くださ い。

日時:6月28日(金)19時~20時30分
場所:福生市民会館第一・第二集会室
http://www.fussashimin.hall-info.jp/
*JR青梅線牛浜駅徒歩5分
*車椅子でのアクセス可
*市民会館敷地内に身障者用駐車場あり。五日市街道を基地に向かって進み、線
路(八高線)手前の道を左に入る。詳しくは市民会館 042-552-1711まで。

主催:立川・町田・朝鮮学校支援ネットワーク・ウリの会
連絡先:090-8888-2911 watasitati2004@yahoo.co.jp
<立川・町田朝鮮学校支援ネットワーク・ウリの会 構成団体>
チマ・チョゴリ友の会、朝鮮初中級学校を支える小平市民の会、ハムケ・共に、
朝鮮学校を支える町田市民の会、朝鮮学校に教育保障を!オッケトンム の会、
日野補助金減額に反対する会、八王子助成金を実現する会、調布ムルレの会、三
多摩日朝女性のつどい、西東京朝鮮第一初中級学校オモニ会、西 東京朝鮮第一
初中級学校アボジ会、西東京朝鮮第二幼初級学校オモニ会、西東京朝鮮第二幼初
級学校アボジ会

・・・・意見送付の呼びかけ・・・・
福生市が保護者補助金を廃止・抗議の意思を示し再考を求めよう

○経緯
これまで福生市(東京都)は、「外国人学校保護者補助金」として、朝鮮学校
等の「外国人学校」に子どもを通わせる保護者に対して、子ども1人あ たり年
額15600円を支給してきました。今年度の対象となる子どもは4人で、立川
市にある西東京朝鮮第一初中級学校に通っています。今年4月8 日、この補助
金を2013年度から廃止するという通知が立川の朝鮮学校に送られてきまし
た。近年、「高校無償化」から排除されるなど、朝鮮学校へ の差別が強まって
いるなかで見過ごすことのできない問題です。また、市の担当者と面談した保護
者、学校関係者が聞いた廃止の「理由」は、補助金の 意義を理解しない、筋の
通らない不当なものでした。

○福生市教育委員会が明らかにした廃止の「理由」と保護者の意見
福生市教育委員会が明らかにした廃止の理由は、
1、ここ数年は支給実績が2件(2世帯)しかなかった。需要、費用対効果、実
績が低い。
2、児童手当や医療費無償などの子どもに対する施策が充実してきた。
3、市外にある私立学校に通う子ども・保護者への補助金がない。
というものでした。学校と保護者が市教委に求めた面談の場で、福生市在住の保
護者は、以下のようにおっしゃっています。
(注)「費用対効果」という表現については、市の担当者が撤回しました。「効
果」について検証したことはないということでした。

***福生市在住保護者の意見***
私は、娘3人を朝鮮学校に送っていますけど、今回の補助金カットは、私たち
の子どもたちの人権、尊厳を傷つけるものじゃないかなと感じていま す。市
は、人権を尊重すると言っていますけど、市みずからがその人権を蹂躙し、私た
ちの尊厳を傷つける、そういうものじゃないかと考えています。 うちの3人の
娘には等しく民族教育を受ける権利はないのでしょうか。市はそれを認めてない
のでしょうか。効率とか、そういうもので話す、そういう 問題なのでしょう
か。私たちの子どもは、効率の対象としか映ってないのでしょうか。非常に疑問
を感じます。心が痛くて、私は子どもたちの顔も見れ ません。福生市は、私た
ちの子どもに対して「あなたたちはほかの市民と別ですよ」と言うのでしょう
か。子どもたちに直接、説明できますか。
補助金っていうのは、お金をもらうとか、もらわないとかの問題以前に、私た
ち在日朝鮮人、その親子にとって、自分たちの尊厳の問題なんですよ。
今回の補助金廃止は市報にも載りましたが、福生市民に対して、外国人学校に
通う人は、区別、または差別してもいい、効果・効率で区別して二の次 にして
いいのだ、子どもの教育に関してでもそうだ、という悪い意味での大きなメッ
セージを与えたと思います。
市の教育方針と私たち在日朝鮮人がここに住むことになった経緯に鑑みて、補
助金の再開を強く望みます。
***ここまで***

○市の挙げた理由ヘの批判
1については、対象者が少ないことがなぜ廃止の理由になるのか、全く理解に苦
しみます。これでは、少数者への施策は不要ということになり、権利も 守らな
くてよいことになってしまいます。
また、朝鮮学校に通う子どもの保護者だけが申請し、支給を受けてきましたが、
制度上は、他の外国人学校も制度の対象です。対象者の掘り起こしにつ いて、
市報での告知以上の広報や調査などの努力を行ったことはあるのでしょうか。

2について。「外国人学校保護者補助金」の目的は、朝鮮学校をはじめとした外
国人学校に子どもを通わせることによって発生する負担を軽減し、その 教育を
振興することにあることは、要綱に明記されています。市の挙げる諸々の施策
は、この補助金の目的を代替しうるものではありません。

3について。私立学校と朝鮮学校では、公的な助成において大きな格差がありま
す。この公的助成における格差の故に、保護者の過重な負担が発生し、 それを
軽減する「外国人学校保護者補助金」が支給されてきたわけです。なお、朝鮮学
校の保護者が、他の住民と全く同じ割合で税金を負担しているこ とは、言うま
でもありません。

○「外国人学校保護者補助金」の意義
義務教育は誰でも平等に受けられるべきであるということは、私たちの社会に
おいて共通の理念のはずです。義務教育は、原則として無償とされてい ます。
また、私立学校に対しても、公的な助成が行われています。しかし、朝鮮学校に
対する国の支援はなにもありません。東京都の私立学校への経常 費補助は、子
ども1人当たり年額、小学校242,645円、中学校269,043円(2005年度)ですが、
朝鮮学校はこの制度から排除されてい ます。
そんななか、福生市の「外国人学校保護者補助金」は、住民に一番近いところ
にいる自治体が、朝鮮学校をはじめとする民族学校やインターナショナ ルス
クール(行政用語で「外国人学校」)の存在意義を認め、援助するという意義が
あります。また、金額は不十分でも、自治体が、外国人学校に通う 子どもの学
ぶ権利を擁護しようとする姿勢を示すものでもあります。福生市の補助金は、き
わめて少額の補助でありながら、大きな意義を持っていまし た。

○福生市・教育委員会へ抗議と再考を求める声を
保護者や学校の意見を聞いても、市教委は再考する姿勢を見せていません。抗
議と再考を求める声を、市長や教育委員会に届けることを呼びかけま す。
・インターネットから
福生市「市長への手紙」
https://www.city.fussa.tokyo.jp/mail/contact02.html

または、福生市「お問い合わせ・ご意見」
https://www.city.fussa.tokyo.jp/mail/contact.html

・はがき、手紙などで(送り先)
〒197-8501 東京都福生市本町5
福生市長 加藤育男 様
または、
住所同上
福生市教育委員会 教育長 川越孝洋 様

・FAX
福生市教育委員会事務局
042-552-2622

○呼びかけ
立川・町田朝鮮学校支援ネットワーク・ウリの会
ns@n-cor.net