4月10日(水)午前に行われた原子力規制委員会本会合で、新規制基準の
規則(条文)案と「5年猶予」を含む適用時期(案)が了承されてしまい
ました。阪上武さん(福島老朽原発を考える会)の傍聴報告を転送します。
なお、傍聴者に配布された資料の一部は、印刷の不備により、肝心の「5
年猶予」の記述の部分が黒くつぶれてしまい読み取ることが出来ませんで
した。そのため、傍聴者には「5年猶予」がどこで議論されるのかが、会
議終了の直前まで判りませんでした。これについても強い抗議の声があが
りました。
5年猶予という新たな安全神話を認めるわけにはいきません。撤回あるの
み。あきらめることなく、粘り強い取り組みを続けましょう。
★こちらも、ぜひご覧ください。↓
【動画】新基準「5年猶予」~原子力規制委が議論せずに提示
(OurPlanet-TV、4/10、約7分)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1571
原発再稼働、立地・型式で差 伊方・川内有力、規制委案 (日経、4/10)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1001R_Q3A410C1EA2000/
「伊方原発と川内原発の早期再稼働は有力。PWR型で、活断層の
リスクも小さい点では泊、玄海、高浜も再稼働の候補だ。」
原発新基準 再開見通し立たず(NHK、4/10)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130410/k10013825291000.html
※マスメディアの報道には、傍聴者の抗議を伝えるものはほとんど見当た
りません。
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みなさまへ
第2回原子力規制委員会の傍聴報告です
本日の規制委員会で新規制基準の規則についてパブコメが開始されました。対象
の文書は3000ページあるということで、会合では概要について簡単な説明があっ
ただけです。文書は規制委員会のホームページから見ることができます。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20130410.html
今日は、5年猶予問題が議論されるかもしれないということで、傍聴には大勢の
市民が来ました。70名くらいはいたと思います。ところが、この問題について
は、特に議題とはされず、新規制基準のパブコメについての規制庁の説明の中で
簡単に言及しただけでした。
「新規制基準において新たに要求する機能と適用時期(案)」という一枚紙が出
て、そこに、新たに要求する機能に対応した対策の例示が2つに分けられてい
て、特定安全施設と所内恒設直流電源設備の2つについて、施行後5年間は適用
猶予という扱いになっています。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0002_08.pdf 別紙3
会場からは、5年猶予問題について説明して欲しい、なぜ5年なのか、事故収束
に全力あげろ(会合では、福一の汚染水問題が議題にあがりました)、再稼働に
便宜を図っている場合ではないといった声があがりました。
会合では、この問題について議論することはなく、田中委員長が、国会での事故
調査委員の発言(石橋克彦さんなどが批判したことを指していると思います)を
聞いたが、こちらの意図を理解していないようだという旨の発言をして、会場が
騒然となる中、終会を宣言してそそくさと逃げるように出て行きました。
結局5年猶予問題は、検討チームでも委員会の本会合でも一切議論なしにいつの
まにか新規制基準(まだパブコメ案の段階ですが)の前提とされてしまいまし
た。規制の立場で再稼働の便宜を図ろうとしていること、福島が大変な状況なの
に再稼働準備を優先していること、そして、誰とも議論せずに独善的に決めてい
ることも問題です。
終了後、建物の前で50名ほどで抗議行動を行い、2,933筆の緊急署名を提出をし
ました。署名はまだ継続しています。大飯原発の特別扱いも含めて5年猶予撤回
を求めていきましょう。<署名サイト↓>
http://kiseikanshishimin.jimdo.com/
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/4106-4499.html
会合では、防災指針について、モニタリングとヨウ素剤配布の件で改訂原案が示
され、パブコメを始めることも決まりました。
阪上 武