3月2日(土) 第49回 憲法を考える映画の会 『天から落ちてきた男』

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第49回 憲法を考える映画の会

日 時:2019年3月2日(土)13時00分 開場

会 場:文京区民センター3A会議室(地下鉄春日駅・後楽園駅)

プログラム:

13:30~15:00

映画『天から落ちてきた男』

2016年/メキシコ/80分/モデスト・ロペス監督

15:10~16:40

トークシェア

お話:モデスト・ロペス監督(予定)

参加費:一般1000円 学生500円

 

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【映画『天から落ちてきた男』を選んだ理由】

 

アルゼンチンでは1970年代、軍事独裁政権下で数万人の人々が拉致され、行方不明になったとされています。

その大半が殺害されたと考えられていますが、その真相はいまだ明らかになっていない部分がたくさんあります。

軍事政権は、1982年のフォークランド紛争後に崩壊しますが、その後も長く軍事政権の恐怖政治の爪痕は残っていたと言われています。長い時間をかけて、いまも軍事政権時代に何が起こっていたのかという事実の検証が行われています。

 

1970年代、軍事政権下のアルゼンチン・トゥクマン州の片田舎の村に、天から男の遺体が落ちてきた。軍のヘリから落とされたらしいその遺体を、村人たちは丁重に供養するが、いつしか、拝むと御利益があると信じられるようになり、聖人として信仰の対象となっていった。

それから40年の時を経て、その村に、調査団の法医学者たちがやってきた。「聖人の遺体」を掘り返すことに抵抗する村人を説得し、DNA鑑定を行ったことで、その「天から落ちてきた男」にかかわる驚くべき真実が明らかになっていく──。

 

この映画は、その検証調査の中で明らかになって、全アルゼンチンに衝撃を与えた事件を追求したものです。しかしその経過をドキュメンタリーによって明らかにしたというだけではありません。

「遺体が誰であったか?」「彼はどのような人だったのか?」「なぜ殺されたのか?」

そして「残された家族や仲間は、その後、軍によってどのような弾圧を受け続けたのか?」映画の中で、それまで話せなかったことが次々に明らかにされていきます。そして、それらは恐怖政治のもとに置かれた人間の心理というものの普遍性にも迫っていくように思われます。「軍とは本質的にどのようなものであるのか」、その暴力が、人々からどんなに大きなものを奪って、どのような傷を残し続けるのかを考えさせます。

 

そしてそれは、日本にいま生きる私たちにとっても、遠い国の昔の出来事ではないのです。

憲法を変えることによって、「日本軍」を復活させようとする動きが着々と進んでいる今、すべて政治の疑惑がうやむやにされている今、それは歯止めのきかない「日本軍」の暴力を復活させるものになります。このままでは自分たちに降りかかる問題として考えなければならないものです。

それに対しどうしたら良いか考えましょう。

是非お誘い合わせていらっしゃって下さい!

 

2016年制作/メキシコ映画/80分

モデスト・ロペス監督

日本語版制作:長谷川ニナ・八木啓代