経産省前脱原発テント座り込み日誌10月19日版

経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年10月19日は、座り込み4,422目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。

◎ 久しぶりに快適な季節の中の座り込みだ  10月13日(金)

今日は風も弱く穏やかな天気だった。セッティングするにも苦も無く、容易にできた。道行く人は上着を着ている人は疎らで、秋のこの季節を楽しんでいるようにも見える。過ごしやすい陽気で、氷の入った冷水も必要とせず、日よけのパラソルもいらない。我々スタッフとしても運ぶ荷物も減り、暫くは快適な季節ということだ。

今月末の土日の請戸浜にできたテント村のお披露目会のチラシができてきた。今日集まる皆さんに披露して参加を呼びかけなくてはならない。私もこの間、2回ほど出かけて行っているので、道順はよくわかっている。誰か「行きたい」と希望する人がいれば、私の車を出しても構わない。その場合は、28日(土)29日(日)の1泊2日になる。今のところ希望者は1名(女性)がいるが、後2名いれば計4名で出かけられる。それ以上でも、それ以下でも、実施するのは難しい。希望があれば申し出てほしい。

午後1時半ごろから、後ろの財務省に向かって何やら若者たちが、大きなスピーカーを使って、スピーチを始めた。大型のトラックに「日本列島100万人プロジェクト」「100万人で変えるプロジェクト」とスローガンを張り付けスピーチを始める「税金返せ!」「お金は日本人のために使え!」「生活保護費は外国人には使うな!」「増税反対!インボイス反対!」と、ところどころ納得できる部分はあるのだが、差別排外主義にもつながる主張も織り交ぜている。本音は、そのあたりにあるのだろうか?だとしたら若者の心をつかむ非常に巧妙なヘイト集団のような気がする。気を付けなくてはならない。

この頃、座り込みをしていて気になることがある。それは、ビジネスマン風の若者が「これカンパです」と言って、カンパ箱にお札を入れてくれたり、自転車で走って来て「頑張って」と声をかけてくれたり、拍手をして通り過ぎる方がいたりで、以前には多くなかった人が出てきたことだ。反対に汚染水問題に関連して露骨に嫌な表情をぶつけてきたりする人もいる。世論が少し動きだしてきたかのようだ。僕らも諦めずに頑張ろうと思う。

午後4時近くになったので、僕らは文科省前に移動して朝鮮学校差別反対の行動に参加した。このところ、在日の方々や日本人合わせると30人位の参加者が常時集まるようになってきた。こちらも諦めずに頑張る。(S・S)

◎汚染水を海に流すな、イスラエルはガザ攻撃をやめろ  10月13日(金)

世界がひどい状態の中、経産省本館前で抗議行動を開始。17時になって、イスラエルによるガザ攻撃を危惧しながら抗議行動を開始。NOWAR、NONUKES、イスラエルのガザ攻撃やめろ、汚染水を海に流すな、老朽原発うごかすな…、とコールして集会開始。重信メイが出たBSTBSや高橋和夫が出たプライムニュースを紹介。

田中一郎さんが、エッフェル姉さんの大阪万博の為の「残業規制」除外批判のあと、汚染水海洋投棄を批判し「処理水」は「汚染水」、シーベルトという放射線被ばく単位のインチキを指摘。火炎瓶テツさんが、デブリの写真撮影、取り出し延期、など「廃炉」が見えない現実を指摘し、汚染水の海洋投棄を糾弾して、経済産業破壊省・原子力亡者恥を知れ・…のコール。審議が止まっているロードマップを批判し、これから百年も二百年もかかる「廃炉」を確認。

Obさんが、福島の嘆きを理解できない経産省、12年経って後始末できず汚染水をたれ流す経産省を糾弾、「官僚の皆さん、ここに出てきて」とも。Moさんが、練馬でミサイル訓練と戦争国家化を憂え、食料自給率の低さを糾弾し、「座り込め、ここへ」と「観ずに流すな」を歌う。

K.Mから、小出裕章さんの「GX]の正体を配付して紹介し、原発が気候変動対策にならないことを確認。関連して誕生日が小出さんと同じ斎藤美智子さんの話をし、飛び込み発言で齊藤さんが元気なことが明らかになる。乱鬼龍さんから、汚染水投棄糾弾の為の<請戸川河口テントひろば創設、お披露目会のお誘い>(10月28日―29日)を紹介、寝袋持参での参加を要請、参加費千円。

Shiさんが、葛飾区の大島賢一講演会(11月)を案内し、さらに安斎育郎「ウクライナ戦争論」を紹介して入手を薦め木村手持ちの約10冊を完売。再度、NOWAR,NONUKES、汚染水を海に流すな、核ゴミ増やすな、再稼働反対、運転延長反対、イスラエルはガザを攻撃するな、…のコールで終了。片付けはWaさんと。(K.M)

◎ フクシマの水って考えたことある  10月14日(土)

・「おすいせん」原発事故そして放送事故

ー 何故、おせんすいではなく、おすいせんなのか ー

昔、汚染水を「おすいせん」と言った大臣がいた。NHKのニュース番組出演中に2回もだ。1回目のあと女性アナウンサーが小声で「汚染水・・ですよね」と悲しげにフォローしても、何事もなかったように「おすいせん」。のど自慢なら鐘1回というところか。言い間違いだとしたら、あまりに情けないし、誰かのようにウケを狙うはずもない。果たして何を言いたかったのか?

まさか「汚水染」「汚水洗」「汚水栓」ではあるまい。大臣ともあろう方が僅か5文字の1語「お・せ・ん・す・い」を一夜漬けの暗記すらしなかったのか(一夜漬けというのも問題だが)?大臣の真意を考察してみた。「おすいせん」が「汚水泉」だとしたら、まさに正鵠を射たと言えるだろう。「汚水泉」即ち東京電力所蔵のデブリ掛け流しは「冷やせば汚水の泉湧く」、「流せば汚水の泉湧く」「とにかく汚水の泉湧く」、東電は汚染水*が湧く泉をず~っと、ず~っと持ち続け、東京電力という企業が消滅したあとも、自然の恵みである豊富な地下水**がある故に幾星霜の永きに渡って「汚水泉」が尽きる事はないと。成る程。見事だ。流石だ。

そんなわけないか。ではこれはどうかな。海洋投棄はIAEA本音の御推薦。それだけが頼りなので思わず「おすいせん」。

*この時点では処理水ではない。またその呼び方は安全・問題なしという印象を与えるのでNG。「基準値以下だから安全」というが、人の健康ではなく、原発の都合で決めた基準では、東電が安泰なだけだ。

**福島県浜通りの南相馬市鹿島区の井戸は、釣瓶やポンプなどの仕掛けがありません。何故なら地下水は自然と涌いてくるからです。一日中せせらぎが絶えることがありません。

地下水は水槽に貯めます。水槽は階段状に三つに区切られています。水面の高さが異なるので水は上中下の順で水槽を移動し、最後は川に流れてゆきます。上から溢れた水が次の水槽に落ちるので落ち葉が溜まることもありません。笹舟を浮かべて遊んだことを覚えています。

上段は飲み水、中段に桃や西瓜やサイダーを冷やし、下段で食器などを洗います。洗顔はどの段だったかな。

猫が水を飲みに来るのが楽しみでした。それはもう、美味しそうに大事そうに飲むのです。

山の奥深くから長い旅をしてきた水は、水槽の苔の香りに包まれて、伸びをしながら一時を過ごす。束の間の微睡みから醒めると、川を下って海へ。やがて空を昇り再び山に・・・。 (O・O)

◎ 10月15日(日) 12時より脱原発青空テント川柳句会が開催

風が強く、14時頃まで雨の降り続く肌寒い1日でした。句会参加者は4名、選者は乱鬼龍氏、席題は「決断」、「いいかげん」14時20分投句締め切り、14時40分より入選者の発表、披講となりました。

選者により入選句が読み上げられ、入選者へ”誰かのために身を削る”削り節、なし、みかん、バナナなどのフルーツや辺野古支援の手ぬぐいなど数々の賞品が手渡されました。

入選句は以下の通りです。(S.E.)

「決断」の特選

・原発を 止める決断こそ 正義 - 乾草

「決断」の秀句

・止めますと 決断するは 事故の後 - 原子力ガリレオ

・戦争に 加担をしない 決断を - 芒野

・ていねいでも 盲しいる正義 誤決断 - 海の民

・間違った 決断いそぐ 規制庁 - 乾草

・報復を 止める決断 今しよう - 芒野

「いいかげん」の特選

・いいかげん 不可能と言え 地震予知 - 原子力ガリレオ

「いいかげん」の秀句

・茹で蛙 いいかげん 目を覚ませ - 海の民

・いいかげん 汚染を止めて 脱原発 - 芒野

・科学的 と云う言葉の いいかげん - 乾草

・選挙前 減税言い出す いいかげん - 芒野

・いいかげん その決断こそ 命取り - 海の民

次回の脱原発青空テントひろば川柳句会は、11月12日(日)12時より、開催いたします。是非ご参加ください。(S.E.)

◎ 10月16日(月)

いつもの時間に経産省前に着いたが、久し振りに高級自転車のYaさんが既に到着していて、我々を待っていた。少し遅れて到着したOさんと4名で準備したので、短時間で作業を終えることができた。きのうは今年一番の寒さだったそうだが、きょうは真逆であった。朝から雲一つない快晴で、風も無く、暑いくらいであった。12時に計ったら気温25℃湿度30%であった。

きょうは、午後1時から第5次「君が代訴訟」の口頭弁論があるので、裁判ウオッチャーのOnさんほか2名が12時過ぎから座り込みに参加してくれました。午後1時前に、彼らが傍聴する為に裁判所に出かけた後は、至って平穏で午後4時まで何事もなく過ぎていった。

経産省前の人通りは、それなりにあったので、反原発ソングとOさんが用意してくれた忌野清志郎の原発反対ソングを音量一杯にして流してアピールした。ほとんど反応は無かったが、経産省に入っていった老人が我々の方を見ながらガードマンと何やら話していた。「汚染水を海に流すな!」などのバナーが経産省前一杯に掲げられている事に苦々しく思っていたのであろう。我々は一日も休まず反対しているのでいつ来てもバナーは翻っているよ!(保)

◎経産省前テント、座り込み、長い歴史が思い浮かんだ 10月17日(火)

10月17日〈火〉は、晴れ、とくに暑くもなく、この日は後番で、午後2時~4時、経産省前で座り込んだ。テント設営の2011年9・11からは12年。この12年という長い期間テント(テント撤去後もふくめて)・座り込みを続けてきたことには、いつもながら感無量である。これだけ頑張れたのは、やはり日本社会の深い原発批判―近代生産力主義批判の蓄積がある、と考えざるをえない。

思えば経産省前テントひろばの前身は、2000年代に立ち上げた、60年・70年安保闘争の残党たちによる「九条改憲阻止の会」だった。故・渕上太郎氏は、その中心的位置にあった。3.11福島原発事故が起こり、「九条改憲阻止の会」も脱原発を闘った。そこで、霞が関前でテントを張ろうという提起・討議がなされた。それは安保闘争でも課題とされた「霞が関占拠」の一角であり、反対もなく、9/11包囲デモの途中で経産省前でとどまり、テント設営をすることとなった。当日のデモの途中、経産省前で止まり、テントを設営した。私はその夜、勤務があり、最後までおられず翌朝かけつけ、座り込み、泊まり込みに入った。

このテント、霞が関一角の占拠は、当初より警察権力の介入という問題を抱えていた。それを打ち破ったのが、福島の女たちの座り込み、テント設営(第2テント)だった。福島の女たちはテント設営にも参加し(第2テント)、経産省前での踊り(デモ)も展開し、等で、経産省前の雰囲気は一変した。そのなか、我々は、もしかしたら多数派かもしれない、という気運が広がった。「孤立を恐れず連帯を求めて闘う」といったスローガンの中、活動してきたわれわれには、それは衝撃でもあった。実際、脱原発運動は日本社会での多数派の運動であり、しかも国家権力の核心を批判する闘いであり、かつ国家権力の中枢の一角の占拠を続けた。

その意味では、この脱原発テントは、社会運動の歴史に大きく貢献した。2016年テントは警察権力によって撤去されたが、引き継いだ皆が連日経産省前で続けている座り込みは、その精神をそのまま引き継いでいる。座り込みを続けている人々は、皆それを体現している…

。われわれは、この座り込みを勝利するまで続けるだろう。(旭凡太郎)

◎ 時局的に変化がでてきているのかも 10月18日(水)

セッティングが終ったところで、おじさんが足をとめて、「汚染水放出反対だよね」と念を押してきた。経産省の前でやっているので賛成かと思ったらしい。出張で東京にきたそうだ。チラシ類をわたす、おじさんは「いろいろ意見があるからねー」といった。「身体に気を付けて」とねぎらいの言葉をかけてくれた。

財務省の前では、日の丸を持ったいつもの右翼が演説。何を言っているのかは聞こえないが、長々とやっていた。前に経産省によく来ていた右翼だ。規制庁からヨーカンさんとOさんが回ってくる。ヨーカンさんはお弁当を食べて家に帰る。ウクライナを支援するアメ帝、イスラエルを支援するアメ帝。本当に許せない。いろんな戦いが起こって大変だが、がんばらないといけない。岸田の支持率は下がる。なんか時局的に、変化が出てきているかもしれない。(T・I)

◎ 通りがかりの人と談笑、意見交換  10月19日 (木)

Suさんが浪江行動に向かうついでに車で事務所に乗り付けてくれたので、2人で、車で荷物を運び、Inさん、Yoさん、Ok妹さんと5人で設営作業。今日も秋晴れのいい日だ。Inさんのボードの表示は「座り込み開始から4422日」となった。

Inさんからは、自宅を整理していて出て来たという淵上太郎さんの2015年の講演録「脱原発と憲法」を頂いた。読み応えがありそうだ。12:55  Shiさんが参加。13:30 Saさんが立ち寄りYoさんと立ち話をして行った。14:10  乱鬼龍さんが参加、みんなにみかんを差し入れてくれた。しばらくしてTaさん登場。その後熟年の紳士淑女3人組が通りかかり、そのうちの1人の男性が「ああ疲れた」と言ってわれわれのパイプ椅子に座りこみ一同一休みした。Suさんが話しかけ汚染水問題の情宣を始めると皆さん話に共感してくださったようで、カンパも頂いた。時間になりSuさん、Taさんと3人で車に荷物を運び込み撤収した。(M.U)

 

=====添付資料=====

原発週報2023. 10.11-10.17 編集:漆原牧久

 

=========デモ、集会==========

・10月26日(木) 月例祈祷会

午後2時30分より 会場:経産省前テントひろば

予定:14:30~芸能の時間  14:50~「月例祈祷会」

・10月27日(金) 経産省前抗議集会(毎週金曜日)

17時~18時 経産省前ひろば

・10月28日(土)、29日(日) 請戸川河口テントひろば

創設 お披露目式のお誘い 13時30分~ 汚染水放出反対闘争の持続的展開のために

 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5133:231023〕