経産省前脱原発テント座り込み日誌2月9日版

経産省前テントひろば1807日後

◎ 東京電力の値上げにどう対応するのか 2月3日(金)

今日はテントに来る前に用事があり、少し遅れて経産省正門前に到着した。すると藤原節男さんがMさんとYさん二人に話をしているのだが、「どうも納得がいかない」という顔をしていて、私(S・S)に「話を聞いてくれ」と言ってきた。話を聞くとトラメガのことだった。

最近入れたトラメガには、B帯(800MHz帯)周波数ワイヤレスマイクを使用する物とC帯(300 Hz帯)周波数ワイヤレスマイクを使用するものがあり、1つのワイヤレスマイク(800MHz帯)では、同時に使えないことを藤原さんがYさんとMさんに伝えようとしていたのだった。藤原さんは「トラメガ3台同時に使えるようにすると3方向に向けて声が届くし、道行く通行人にも経産省のビルに向かっても訴えることが出来るので取り入れた」と説明する。ただ、「今回持ってきたトラメガのうち1台はB帯(800MHz帯)の物で、事務所から搬出するとき全部C帯(300MHz帯)の物でなければ駄目だ」と言っていたようである。女性たち二人にしてみれば「B帯だかC帯だか、よくわからない」という事だそうだ。

彼女たちにわかるように説明するのも中々難しいようである。

そのうちに小平から初めてテントにやって来た男性が声を掛けてきた。東京電力が「原発を動かさないと電気料金を上げると言ってきているが、どう対応するのがいいか」と言う。座り込みをしていたYさんたちが「原発を動かさないようになったのは、そもそも福島原発事故以来のことではないか。それまで、政府や電力業界は『原子力発電は安全だ』という嘘をついて、原発推進してきたのだ。福島原発事故の謝罪や賠償も済ませていないし、その事故処理すら終わっていない。原子炉格納容器の底に沈むデブリを取り出すことも出来ていない東電が何を言うか」と言う。近くにいた人々も反論するが、小平からの男性は、「小平近隣の人たちに、もっと短い言葉で説明したい」と納得がいかないようである。また「二酸化炭素地球温暖化説を用いて原発推進を擁護する動きにどう対応するのか。岸田政権が再稼働推進、新型の原発建設を言うのも、二酸化炭素地球温暖化説に基づいている」とのこと。彼も原発反対のようではあるが、最近の岸田政権の原発容認政策に足をすくわれているようだ。たまたま、早めにやって来た田中一郎さんが話の輪の中に入って来た。二酸化炭素地球温暖化説そのものを批判し始める。田中一郎さんは、「広瀬隆『気候変動の宇宙物理学』の観点からは、二酸化炭素地球温暖化説は出鱈目極まりない物であるが『原子力発電は二酸化炭素を排出しない』として、原発推進論者が二酸化炭素地球温暖化説を世界中でばらまいている」とのこと(これについてはテントの中では議論がある)。

午後4時近くになったので、文科省前に何人かで向かった。今日は韓国からもウリハッキョ(私達の学校)を守る市民の会のメンバーが40人ほど駆けつけてくれた。東京朝鮮学校の高校1年生が百数十名参加した。この抗議団は17年目に当たるそうだが、農民組合の人々や労働組合の人々、教職員組合の人々と言った具合にその時々の団によって来るメンバーが違っている。今回は教職員組合の人々が中心だったようだ。中には将来教員を目指す学生も混じっていたようであるが、その他、支援する日本人や在日韓国朝鮮人、総勢200名にも及ぶ抗議行動であった。このあと、御徒町での交流会もあったようであるが、私は別な用事があったので失礼した。 (S・S)

◎ 電力値上げ攻勢に騙されるな、東電から電気を買うな 2月3日(金)

到着そうそう小平の方から「東電が、原発動かさないと値上げと言っている、どう答えればいいか」との質問。岸田政権の嘘だらけ原発大転換キャンペーンと経産省の愚かなエネルギー政策を説明しても、「例えば駅頭街宣で、簡単に何と言えばよいか」とのこと。簡単には「賠償もまともにせずに原発に数千億もつぎ込む東電から電気を買うのを止めよう」と言えばよいと提案したが…。

午後4時から文科省前には韓国からの学生多数が集って朝鮮学校差別反対の抗議行動。午後5時からは、藤原節男さんがセットしてくれたトラメガシステムを使って抗議行動を開始。11年に及ぶ我々の脱原発の訴えにも拘らず、岸田政権の「GX推進」口実の原発政策大転換阻止を確認し、ひとしきりのコール。続いて田中一郎さんが、原発を動かす為の様々な嘘を指摘し、原発を推進する人を信じてはいけない、総合エネルギー調査会の委員を批判、東海村再処理施設の無秩序廃棄物改善に361億円と原子力規制庁の「不適切」入札が繰り返されていることを糾弾。

K.Mから、汚染土再利用について、まさのあつこさん・青木美希さんの文書を紹介して、福島における実証事業でも多数が反対した、汚染土の拡散は間違っている、再利用と言うが実は処分である、毒物は拡散してはいけない、などを説明。

Yoさんが、汚染土は常磐道に一部使われていて、とんでもない、世界一厳しい基準のウソ、国会で逢坂議員が避難問題を追求、ミャンマーに未だにODAなど融資する日本を批判、ゼレンスキーへの軍事支援がエスカレートし、戦争を終わらせる難しさ、ベトナム戦争を思い起こして、個人で何ができるかを憂いる。

Moさんの「座込め、ここへ」と「水に流すな」に続いて「これ以上、海を汚すな」コール。Miさんが、デビ夫人、森元首相、鈴木宗男の発言を参照し、ウクライナの戦争を侵略者への抵抗の観点で論じ。さらにどう脱原発を実現するかの闘いを論じた。Hiさんが、国会で岸田首相がまともに答弁しない、今の内閣が後退している、打倒するべく頑張ろう。乱鬼龍さんが、大軍拡と原発大転換を批判し、今年の3.11行動は3月10日(金)夕に行うと告知。最後に、NO-WAR、NO-NUKES、脱原発を訴えて抗議行動を終わる。(K.M)

◎「賢者は橋をかけ、愚者は壁を造る」というが 2月4日(土)

久しぶりに暖かい。風はあるが、それでも暖かい。防寒のためにアルミホイルを靴の中に敷いてきたのは失敗だった。緊張している猫の肉球みたいに足の裏は汗だくになった。

何年もの間に幾度も経験しているので勘違いではないと思うけれど、私たちを見る眼差しが外国の、特に肌の白い方たちのそれはとても暖かいということだ。

「壁は橋になる」という言葉が好きだ。昨日「入管法改悪反対アクション国会前シットイン」に参加した時、それを強く意識した。若い彼らは壁を橋に変えようとしている。「賢者は橋をかけ、愚者は壁を造る」という言葉も好きだ。

壁のごとく立ちはだかる経産省の建物。東からの風よけくらいになりそうなものだが、とんでもない。経産省から吹いてくる風が飛びぬけて強く、そのたびにバナーを外したり幟を低くしたりする。まさか壁から風が吹くはずもなく、風向きというより風当りの問題なのだろう。(O・O)

◎ 北海道からの参加者と歓談  2月5日  (日)

好天、暖かい、参加者この頃としては多め(約10名)、北海道からお客さまあり、歓談。街宣車15台通過、我々のことは無視だったが、文科省前で「愛国心のない教員」がどうのこうのと怒鳴っていたから、こっちに来ていたら相当うざかっただろうなと推測。

藤原節男さんより1月22日(日)テント日誌(注)について、「以下のように書いておいてください」とコメントがあり、コピペします。

「イソップ物語『北風と太陽』の話、おにぎりとゆで卵は、昼飯です。正午に参加する場合、昼飯ぬきで参加することになります。その人たちのために準備しています。そもそも、私(藤原節男)は、北風ではなく、太陽です」とのこと。

(注)

1月22日(日)テント日誌:藤原節男さんが「遅刻した人には、私のおにぎりはあげません」と隠してしまいましたが、他のおやつの差し入れがあったので、「叱り」効果はなかったようです。ていうか、私(はしゆき)個人的には、そういうやり方は逆効果しかないと思いますが。ますます参加者が減るだけでしょう。「北風と太陽の話をご存知ですか?」と申し上げておきましょう。(はしゆき)

◎ 目線で連帯してくれる人あり 2月6日(月)

きょうの天候は一日中穏やかで楽な座り込みであった。穏やかだったのが影響したのか経産省前の人通りは多かった。しかし我々が「福島原発事故は終わっていない、原発の再稼働に反対しましょう」と声掛けしたが、これに耳を傾ける人はいなかった。ところが、経産省に入って行った白人の一行はバナーとのぼりと我々の方を見て笑みを浮かべながら何か話をしていた。以前にもこの光景を見たことがあったのでしょう。「おー相変わらず頑張っているな」と言っているように感じた。

きょうは関西生コンが、悪辣な誹謗中傷を行った「週刊実話」を訴えた民事裁判の日で、午後3時前から情宣活動が行われた。武健一元委員長が来られるというので、世話人の乱鬼龍さんは午後2時前に、ちょっとテントひろばに寄られて、直ぐに大口弁護士の事務所に行かれた。戻ってきたのは1時間後で大急ぎで裁判所に向かって行かれた。きょうの座り込みは担当4名とR、A、Ⅰさん。(保)

◎ ハガキ作戦、チラシはセット6000組配布 2月7日(火)

セッティングをしている最中に、大音響を出しながら街宣車5台が文部科学省前より、外務省に向かって目の前を通り過ぎていくが、外務省前の交差点で警備の警察車両やバリケードに阻止されて外務省正門前には行けず、日比谷公園の方に右折して行った。何やら、北方領土が何とか、かんとかと、がなり立てていたが、何を言っているのかは解らなかった。この街宣車行動は数回行われた!

14時頃「放射能汚染水放出の海洋放出反対ハガキ作戦!」をしているInさんが見えられて、このハガキセットを受取りにきました。昨年の12月より始めたこの作戦で、既にハガキとチラシのセット6000組を北海道から九州まで送付しましたが、まだ、全国より送付の依頼があり、今日も兵庫県と大阪市への発送依頼を受けました。大阪よりの依頼は「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」からでした。このように個人・団体ともに、全国的にこの運動が広がっているのは、この問題に関する重大性を市民が理解を深めている事と実感しています。 (Y・R)

◎ 規制委員会に傍聴闘争を展開  2月8日(水)

あまり寒くはない。風は少しあるので、バナーは下の方に張る。座り込みは、大抵は当番の2人だけから始まる。実は、このことが重要なのだ。今日は規制委員会の定例会議で「高経年化(老朽化)した発電用原子炉に関する安全規制の検討・決定」をしようとしている。そして、「GX推進」を図ろうとしている。もうずっと規制委員会抗議を続けている木村さんたちは、午前10時に集まって傍聴闘争と建物前での抗議行動をしているはず。

木村さんが原子力規制庁闘争から回ってきた。結論では、「今日は『老朽原発の延長決定』はできなかった。なぜなら、地震や津波担当する石渡委員が反対したからだ。来週に持ちこされた」そうだ。来週また、いつもより抗議体制を整えて取り組もうと言っていた。

倉田さんが経産省前で演説をした。倉田さんは今日は横浜での行動のため、規制庁抗議には参加できなかったそうだ。横浜の闘争とは何か。先週も言っていたが、横浜港での、米軍が戦後まもなくに接収して「在日米軍基地」にしてきた「ノースドック」という場所に、「日米政府の合意で、米陸軍の小型楊陸艇の配備を決定した」ことへの抗議行動をしてきたそうだ。横浜市は、もうずっと「ノースドック」の返還を求めて交渉をして来たのに、今度「台湾有事」で配備を決めたのだ。まさに戦争のためだ。

座り込みをしていると、いろんな人がいろいろとしゃべったり発言したりするので、闘いの情勢を知ることができる。この後は、遅番担当のマリさんはじめ何人もの人が来た。(T・I)

◎ 石渡明委員の勇気ある発言を応援したい  2月9日  (木)

12時15分ぐらい前に経産省に着くと八王子のKさんがいつもの美味しい、あきらめない瓦煎餅を持って来てくれていた。午前中の裁判傍聴に行ってきたそうだ。風が強かったので、いつもの大きなバナーを付けるのをあきらめてセットする。少しして、やはり裁判からの帰りの男性が来て、しばらく座ってくれ、カンパまでしてくれた。感謝です。

昨日の原子力規制委員会の会議で唯一異議を唱えた石渡明委員の記事が東京新聞一面に載っていたのをヨーカンさんが見せてくれた。勇気ある発言を応援しなければと思う。私は少し早めに帰らせて頂いて「原発推進GXに異議あり!運転期間延長反対署名提出と政府交渉」にズームで参加した。220人ものズーム参加者がいたのでびっくり!ここでも昨日のことが話題になる。

75214筆の署名が提出された。政府交渉は満足できるものでは無かったけど、色々勉強になった。私がテントを離れた後も強い風は止まなかったようだ。英語の先生が来てくれたそうで良かった。(I.K)

 

====デモ・集会のおしらせ=====

★ 2月13日(月)原子力規制委員会前                17時45分~18時15分及び会議終了後15分間

★ 2月15日(水)原子力規制委員会前    12:00~13:00

★ 2月17日(金)官邸前(さようなら原発) 12:00~13:00

★ 2月17日(金) 経産省正門前(テントひろば)抗議行動 17時~18時  場所;経産省前テントひろば

★ 2月17日(金)首相官邸前(金曜行動)  18:30~19:45

★ 2月19日(日)衆議院第二会館前(総がかり19日行動) 14:00~15:00

★2月22日(水)原子力規制委員会前    12:00~13:00

★ 2月22日(水) 月例祈祷会 (JKS47士)

午後2時30分より 会場:経産省前テントひろば

予定:14:30~  芸能の時間

14:50~ 「月例祈祷会」 厳修

★ 2月24日(金)経産省正門前(テントひろば) 17:00~18:00

★ 2月26日(日)脱原発青空テント川柳句会 12時より

選者;乱鬼龍 場所;テントひろば

3月は2023年3月26日(日)12時より開催いたします。3月は句会の後、懇親会も予定しています。是非ご参加ください。

★3月1日(水)原子力規制委員会前       12:00~13:00

★ 3月1日(水)函館市大間原発建設差し止め裁判第29回口頭弁論

東京地裁103号法廷 時間:15時~

裁判報告と講演会 場所;参院議員会館 時間;16時~

講演 小倉志郎さん

木村雅英 KIMURA Masahide

e-mail : kimura-m@ba2.so-net.ne.jp

携帯TEL : 080-5062-4196

Twitter :@kimuramasacl

経産省・規制委・放射線被曝の批判ページ:http://www.jca.apc.org/~kimum/

団体参加:経産省前テントひろば、再稼働阻止全国ネットワーク、原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動、原発いらない金曜行動

会議参加:さようなら原発1000万人アクション、eシフト

 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5022:230213〕