経産省前脱原発テント座り込み日誌3月7日版

著者: 木村 雅英 : 経産省前テント広場
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経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年3月7日は、座り込み4,562日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。

◎ 春らしさが実感できるようになった   3月1日 (金)

心配された雨は、昨夜のうちに全部降りやんで、朝から気持ちのよい快晴状態だった。しかし、風が強く、バナーや幟旗を取り付けるのに一苦労をした。セッティングをしているとき、通りかかった雲水が「身体に気を付けてね」と声を掛けてくれた。何となく力が沸いてくる感じがした。

座り込み開始してから、通る人を見てみると、春らしさを感じる。人通りは多くはないが、冬の分厚いコートでなく、一枚脱いだ、軽やかな服装をしている人が多い気がする。風は強いが、日差しも強く、春の暖かさを感じる。それに、樹の上から降りてくる雀の数も随分と増えたようだ。一歩一歩、春が近づいて来る気がする。しかし、午後3時を過ぎて、太陽が文科省の高いビルの影になると、ぐっと気温も下がるようで、今までしまっていた手袋を慌てて出したりした。やはり、この時期、日中と夕方の気温差は相当なもので、春と冬が同居している感じがした。

午後3時から4時までの1時間は、とても寂しい時間となる。それまで賑やかにしていた女性陣が、ミーテイングのため、いなくなるので、私とK.Mさんだけである。男の二人だから危険とかは感じないが、やはり寂しさはある。やがてNaさんとEさんがやってきて、少しは様になったような気がする。(S・S)

◎経産省は嘘をつくな、能登半島地震の警告を受け止め、総ての原発を止めろ 3月1日(金)

比較的暖かい日差しを浴びて、イロハネットの方々と大間裁判報告集会の感想を話しあったあと、座込みをしながら経産省や福島県庁に電話。文科省前から田中宏さんの声が聞こえる中、午後5時に経産省抗議行動を開始。

先週は休日だったここともあり、この2週間の原発の動きを私(K.M)から報告。2月21日院内ヒアリング集会で、能登半島地震のあと地震・避難・使用済み核燃料をどう考えるのかを規制庁・内閣府と3時間の話合い、2月24日、25日に請戸テントの行動と双葉で学習会、2月26日に衆議院多目的ホールを一杯にしての大集会でガザの実情への怒りを共有、同日に大間裁判報告集会、28日に右翼妨害付き規制委抗議行動、能登半島地震について原子力規制庁が非公開の記者説明会、29日に「東電と共に脱原発をめざす会」で能登半島地震の問題を訴え、柏崎刈羽の使用済み核燃料を青森に移送する計画を厳しく批判、本日座込み時の電話報告(経産省・資源エネルギー庁へ請願申入れの確認、汚染水海洋投棄と水産資源保護法について福島県に電話)。続けて脱原発・再稼働反対・運転延長反対などのコール。

杉崎さんが「明日があるさ」(坂本九)の替え歌(原発には)「明日が無い」を歌う。若木さんが、大間原発裁判報告集会の報告:裁判傍聴も報告会も盛会、井戸謙一弁護士が能登半島地震の陳述、断層の調査や連動問題など地震評価が全く不十分、大間(下北半島)の海岸の断層も危険、裁判では国側が函館市の訴えなど裁判の不当性の陳述、函館市市議会議員が汚染水放出直後に抗議の声を上げた、請戸テントの報告、丹治杉江さんが「終わらない福島原発事故」と汚染水放出差止裁判(3月4日)の紹介。私(K.M)から能登半島地震にも拘らず耐震も避難計画も見直そうとしない規制委を批判。

奥内さんが、青田恵子さんの一年前の手紙を朗読し3.11事故が無かったような状況を憂い原発があることへの怒り、さらに坂本龍一さんのメッセージ「原発は時間が立つほど危険、コンクリートの劣化、人為ミス可能性、日本ではなぜ原発へ固執、放射性廃棄物の処理が未解決、事故リスクはこれからも続く、地震国でなぜ原発に執着?」朗読、今朝も千葉で地震。

乱さんが、3.11集会(経産省本館前14時~16時、朴保さんほか)、原発で電気を起こす必然性無し、裏金問題で腐りきった政治家が原発推進、自民党一党独裁を止めよう、双葉で山川さん(東京新聞)を迎えた学習会開催、朝鮮独立3.1運動の集会が今夜新宿駅南口で、渋沢栄一が日本帝国の植民地支配に大きな役割、朝鮮半島・アジアの人たちの視点を。守屋さんが、3.1独立運動とともに、マーシャル諸島ビキニでの米国核実験被ばく被害、補償と分断、なぜ被害者が小さくならないといけないのか、核と人間は共存できないと訴え、「座り込め、ここへ」と「水に流すな」を歌い、これ以上地球を汚すなと訴えた。

三上さんが、国会での政治倫理審査会にあきれ、地震と原発との関係を見直すべきなのに何もしない政治家に怒り、原発問題をきちんと訴えよう、「3・11脱原発・経産省前大集会」に是非集結を。堀江さんが、ガザの飢餓状態で爆撃、入管法とともに人命尊重を、脱原発を。なお日本政府がUNRWAへの資金供与を再開するとの朗報。

坂東さんが、3月11日行動予定の確認、14時から経産省本館前、17時から日本原電前、19時から東電前の行動にご参加を。船舶による使用済み核燃料輸送の危険性を強調。

最後に、経産省は嘘をつくな、原発は安全ではない、安くはない、電気は足りている、クリーンではない、「気気候変動」を口実に原発うごかすな、命を守れ、地球を守れ、未来を守れ、脱原発、NOWAR、NONUKESのコールで終わる。片付けは、久しぶりに藤原車で運搬、山本さんの応援も得て片づけた。(K.M)

◎ 倫理なき政治倫理審議の悲劇、あるいは喜劇  3月2日(土)

・「倫理」が風に震えている

「裏金復活の経由は全く承知していない、派閥の政治資金収支報告書・帳簿・通帳は見ていない」写真の表情は勝ち誇ったようにも見えた。倫理以前に躾の問題という気もする。こういう人達が法律を作るという状況は悲劇なのか喜劇なのか。風に震えている、風に吹かれている、有刺鉄線に絡まったレジ袋のように。 (O・O)

◎ まだ温度差に注意のいる日々だ    3月4日(月)

きょうは、午後2時半に太陽が金融庁ビルに隠れるまでは、「春が来た」と思われるような、風も無く暖かい天気であった。しかし、太陽がビルに隠れたら途端に寒くなって来て、慌てて防寒着を着た。その後も寒く感じるばかりで震えて過ごすことになった。まだまだ冬対策が必要だ。3月一杯は。

午後1時過ぎに、午前中にあった「君が代裁判」を傍聴された方が寄って下さった。その方は昼食を取られた後、「この署名を集めているのでお願いします」と言って『定時制高校を廃止しないで下さい』と言う署名用紙を示された。全員が協力して署名した。以前、新聞で夜間中学に日本へ移住して来た多くの人や色々な事情で義務教育を受けられなかった人々が学んでいるという記事を読んだことがある。現在、「合理化」(金儲けの別称)という合言葉で色々な事が廃止される方向にあるが、教育まで対象にされたら、将来を担う人はいなくなってしまう。

ちょうど午後2時半にⅠ元教授が手押し車を使って来られた。早めに来られてよかった。午後4時までたっぷり時間があるので。「地球座」のことをネットで調べたが、Ⅰ元教授のプロフィールは載っているが、論文などは載っていなかったので尋ねたら「ひらがな表示で調べれば解るはず」ということだった。きょうの参加者は7名。暖かくなってきたのでこれまで来られなかった人が来てくれるでしょう。(保)

◎ 汚染水放水差し止め裁判も始まったようだ  3月5日(火)

14時少し前に着く。EdさんとYmさん。最初は霧雨。朝から風邪気味で、時々せき込むので、咳止めのシロップを飲み、マスクをかけて電車に乗った。シロップは眠くなるだけで、ぜんぜん利かない。付属の10mlの小さなコップで4時間間隔を空ければ4回飲んで良いなどと、もったいぶって書かれている。もう朝から7回飲んでいる。

Asさん到着。しばらくして食事に行っていた先番のOgさんが戻る。Ymさん、Ogさん離脱。少しずつ雨が強まるも、小雨。やがて傘の骨の先から落ちる滴がジーンズを濡らすようになった、15時頃、財務省前で消費税反対の数人がマイクで演説。15時20分頃終了。

その頃、2,26函館市大間原発建設差し止め裁判、第31回口頭弁論とその報告会でお会いしたご婦人二人が立ち寄り、30分ほど一緒に座り込んでいただいた。その報告会後の講演者、丹治杉江さんのことなどを話す。丹治さんは、昨4日は福島地方裁判所にALPS処理汚染水放出差し止め訴訟第1回口頭弁論に事務局長として出ておられた。YouTubeで見たところでは、報告会に、吉澤正已さんも小野春雄さんもおられた。なぜかしら弁護団の面々の顔色が明るい。良い作戦でもあるのだろう。 Edさん、Asさん、私とで16時に撤収した。(石上)

◎ 久しぶりにオビちゃん(帯谷さん)が登場  3月6日(水)

寒い日だった。セッティングが終わるまで小雨が降っていた。その後、雨はやみ、終わるまで降ることはなかった。北風が強かった。久しぶりにオビちゃん登場。いつものようにお菓子を差し入れてくれた。それから、貼らないカイロを2箱。早速使わせていただく。この間のオビちゃんの生活や政治の腐敗への憤りについていろいろと話す。オビちゃんはスローガンを釣りさげた傘を持つ。「罠とは民にアミガシラ」というのがあった。そのとおりだ!

今日は「311子ども甲状腺がん裁判」第9回口頭弁論の日で、田中さんがまず寄ってくれた。Wさんは裁判に集る人に差し入れるお菓子などを持って、傍聴に行かれた。傍聴抽選に、はずれたSさんなどが、日比谷コンベンションホールで開かれる裁判の報告会に参加する前に寄ってくれた。

経産省から出てきたグループの人が経産省の標識の前で写真をとり、同時に、「処理水は汚染水 汚染水を海に流すな」バナーの前でも写真を撮る。聞けば中国人の方たちという。経産省の周りを巡回している警備会社の人が今日は4人だった。新旧の引き継ぎか。16時頃、財務省前に自治労連人たちが集って、春闘集会。訪問介護の基本報酬の引き下げ反対などの幟あり。その通りだ。座り込み参加者は10人。(T・I)

◎ ひろばには多くの人が立ち寄られる  3月7日(木)

Inさん、Yoさんと3人で設営。途中Ogさんから電話が入り、今日、財務相前で抗議行動をするグループからトラメガの借用希望があるので持って来てほしいという。事務所に戻りトラメガを持って来ると、その抗議行動に参加するというYaさんが来ていた。テーブルの上に瓦せんべいがあるので聞いたらKaさんが立ち寄って置いて行ってくださったという。

13:00過ぎ、抗議行動の人たちがトラメガを取りに来た。自身が原告になっている柏崎刈羽原発差止訴訟の裁判を終えてきたという藤原節男さんも立ち寄る。やがて財務相前で抗議行動が始まる。人数は40人くらいだろうか。代表団が国税庁に入って申し入れをしている間、Yaさんがテントを代表して連帯のスピーチをする。集会の途中、トラメガの音声が一時途切れたが、Yaさんが新聞紙をちぎって電池ケースに詰め込んだら復旧した。

14:00頃、通りかかった男性にOkさんが話しかけニュースを手渡すと、椅子に座り込んでしばらく読み、カンパをしてくださった。聞くとテントが建っている頃から、たまに立ち寄ってくださっているそうで、今日はある裁判の傍聴に来た帰りだという。14:15、抗議集会終了、Yaさんはじめ参加者数名が座り込みに加わる。やがて、しばらく顔を見なかったSuさんが参加。戦闘服姿で大きな日の丸の旗を担いだ男性が経産省構内に立ち入ろうとして制止され、ついでに能登の地震がどうのとSuさんと立ち話をして去って行った。

私(M.U)は、いつものスタイルで経産省の周りを3周した。文科省前では国公労連の労組員たちが春闘集会をしている。これから記者会見場に行くという先程の抗議集会参加の女性がカンパをしてくださった。Suさん、裁判傍聴帰りのXさんと一緒に撤収作業し、4562日目の抗議行動を終えた。(M.U)

 

=====添付資料=====

・原発週報2024. 2.28-3.5 編集:漆原牧久

・テントニュース284号

 

=========デモ、集会==========

◆3・11脱原発・経産省前大集会

3月11日(月)に経産省前集会(14時~16時)「能登半島地震と志賀原発」の報告を中心に

日時:3月11日(月)14時~16時

場所:経産省本館前集会

【オープニング】 13時45分 朴保さん

【開会挨拶】 【ゲスト発言1】 河合弘之弁護士、△落合恵子さん

【各地からのメッセージ】 10分間、福島から:黒田節子さんメッセージ、△吉沢さんメッセージ

能登半島から:藤岡彰弘さん挨拶、△志田弘子さんメッセージ(七尾市)

【音楽演奏】 朴保さん

【請戸テント報告+経産省請願・申入れ報告】

【ゲスト発言2】

△福島みずほ議員、菅直人議員、後藤政志さん(能登地震と原発)、菅井益郎さん(能登と柏崎刈羽)、福永正明さん(原発輸入輸出)

【カンパ要請】+【事務所維持会員募集】

【音楽】 守屋真実さん

【テントはかく闘う】 座り込み者発言

テント裁判弁護士

【国際状況】 奈良本英佑さん(パレスチナ、テント友邦)

【閉会挨拶】  【エンディング音楽】  守屋真実さん

◆3月12日(火)月例祈祷会  午後2時30分より

会場:経産省前テントひろば 14:30~

JKS4747士

◆3月13日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動 12時~13時、六本木ファーストビル前

◆3月15日(金) 経産省前抗議集会(毎週)

17時~18時 経産省前ひろば

◆3月15日(金) 第34回「原発いらない金曜行動」

18時30分~ 首相官邸前

◆3月20日(水・祝) さよなら原発全国集会

会場:代々木公園 13時より 集会後デモ

 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5210:240309〕