経産省前脱原発テント座り込み日誌6月8日版

著者: 木村 雅英 きむらまさひで : 経産省前テントひろば
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経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年6月8は、座り込み4,289目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。

◎ 川柳句会もあり、賑やかな座り込み  5月28日(日)

今日の座り込み参加者は累計10人。曇り、風が適当に吹いて過ごしやすい。天気予報では明日から雨の日が続く。6月前に梅雨入りか。今日のアピール用グッズは、横断幕4枚とのぼり旗7本。8本立てたかったのだが、ポール1本に不具合があって使えなかった。

N森さんが、グッズの前に並ぶ座り込みメンバーをデジカメで撮り、紙の写真を渡してくれた。いわゆるチェキ(インスタントカメラ)の写真だが、N森さんが持っているのは、スマホやカメラと繋いでチェキを印刷するプリンター。チェキは発色が良いし、その場で手渡しできるのが良い所だ。ただし、「画像が安定するまで数分かかる」とN森さんは話してくれた。

今日はテント句会。意外にもIさんが参加。Iさんは句会の常連だが、最近は第4日曜に、地元で汚染水放出反対などの行動を行うようになったため、句会とバッティングする事が多くなっていた。国会情勢からか、今日は地元の参加者が多かったので、後は人に任せてテントひろばに来たとのこと。

乱鬼龍さんがスマホの不調を訴える。画面が真っ暗で、タップすると音声がするものの操作できず、電源ボタンを長押ししても切れない。これはどうしたものかと、かつて若者だった座り込みメンバーが試行錯誤。結局、ユーザー補助の画面読み上げ機能がオンになった上、画面の明るさが最低になっていた。鞄の中などで、スマホが何かのはずみで電源が入り、意図しない操作をしてしまうことがたまにある。二つ折りケータイならそんな事ないのに。後になるほど句会参加者は増え7人に。にぎやかな座り込みだった。(M島)

◎ 事務所ちかくの喫茶店のプリンを目指す若者たち 6月2日(金)

今朝は大型台風2号の影響を気にかけながら家を出た。事務所近くに来ると、向かい側の喫茶店の前には、雨ニモマケズ、いつもながらのプリンを目指す若者達の行列。プリンは人気メニューのようで、SNS等で拡散されたらしい(*)。今日はリーダーのSさんはお孫さんの病状が心配でお休み。女性4人で台車2台を運ぶ。雨は徐々に強くなってきた。Yさん、金曜日常連のEさんも加わり、設営をした。

暫くすると、”自立と共生”を掲げた街宣車が私達のすぐ近くに停まり、中年の男性が「ここで何をしているのですか?」と聞いてきた。これから財務省前で抗議をするそうだ。400人位で全国を廻っているそうだが、今日は雨のため50人位になる見込みとのこと。代表は久留米市の医師細川博司氏だそうで、久留米市長選にも出たようだ。

やがて財務省前に30人位の男女が並び(若手の人も多い)、抗議活動が始まった。街宣車には拡声器が4つもついているので、騒がしく、聴き取れない部分も多い。「増税反対、消費税反対、スウェーデンではゆりかごから墓場までだ。日本は世界で2番目に税金が高い。遺伝子組換えのワクチン反対。外国人への生活保護反対」等々、細川氏自身も訴えていた。その後、以前座り込みをされていたMさん、常連のYさんも加わり、雨ニモマケズ座り続けた。

(*)プリンを目指す若者達には、座り込みの荷造りをしているオジサンオバサン達が何を目指しているのか興味ないかもしれないが、”原発反対”等のプラカードを見えるように積むことで、何かを感じてくれるかもしれない。(Y.M)

◎「GX推進束ね法案」成立と大雨にじっと我慢  6月2日(金)

激しい雨が降り続く中、にっくき経産省の前で座り込み。座っているだけでリュックに雨が沁みてくる。時には強い風が吹いてパラソルと椅子がぶっ倒れる。こんな苦労をさせる愚かな経産官僚たちに恨み骨髄だ。

午後5時には降りしきる雨にも拘らず人が増える。水たまりになった路肩で千葉勝郎さんの街宣車から有線マイクを受取り、経産省前テントひろばによる経産省抗議を開始。

GX推進糾弾、汚染水海に流すな、脱原発、再稼働反対のコール。

K.Mから、5月31日(水)GX束ね法案の参議院通過を報告。エネルギー事情が変わっても原発推進を「国の責務」にする「原子力基本法」改悪と、休止期間を運転延長期間に加える「炉規法」改悪と「電事法」改悪。今週も参議院経産委員会の審議が行われ、院内ヒアリング集会で経産省を問い詰め、昼も夜も参議院議員会館前の抗議行動が繰り返されたにも拘らず、敵わなかった。それでも危険な老朽原発の寿命延長操作の詳細は決まっておらず法律施行は半年以上先だ。引き続き反対の声を上げ続けよう。

田中一郎さんが伊方原発運転差止仮処分裁判において住民らに立証責任を負わせたことを厳しく批判した。

Moさんがギター無しで「座込め、ここへ」と「水に流すな」とを歌う。

Okさんが石川逸子さんの詩を読み、反戦・脱原発を訴える。雨が降りやまないので、Tuさんの原発いらない、再稼働反対、GX糾弾、…のコールで約25人の大雨の抗議行動をくり上げた。

多数の応援で椅子や横断幕や旗をまとめて、台車を運んで水たまりの歩道をちゃぷちゃぷ。事務所でびしょ濡れになった沢山の布を干す。(K.M)

◎ 台風のせいか人は少なめ   6月2日(金)

https://twitter.com/keroppu8649/status/1664536818501705730/photo/1

https://twitter.com/keroppu8649/status/1664540145767559168/photo/2

雨、雨、雨です。台風なんですか! さすがに今日は少ないです。現在3名。

今日は金曜集会の日です。どうなりますでしょうか?

たった今、音が変わりました。雨が急に激しくなってきました。

猛烈な暴風雨。壊れたパラソルとたなびく横断幕をご覧ください。私が(裾を)つかんでいるパラソルひとつだけがまだ壊れてません。

が、滝のような雨の中、スマホ私守ってツイートする以外何もできません。 (はしゆき)

◎ 風邪で休みの藤原節男さんも電話での現場報告で安心 6月4日(日)

今日の座り込み参加者は累計8人。晴れだが、雲多い。午前中、乱鬼龍さんから私に電話があり、「藤原節男さんが風邪で座り込みを休む」との事。荷物運びに藤原さんの車が使えないので、私が事務所に早めに出て、座り込みに必要最小限の荷物を台車で運ぶ。

経産省に着いたのは12時ちょうど。正門前には誰も居ず、テントがあった角地でS藤さんとH本さんが待っていた。E藤さんも来ていたが、用事のため、私の到着前に帰る。暑かったので角地の木陰に居たそうだ。そのまま角地にセッティング。横断幕1枚とのぼり旗2本をパイプ椅子に固定する。一緒に持ってきた丸椅子は、クッションが生乾きで使えず。絞るとダラダラと水滴が出た。

乱鬼龍さんが、今日の朝刊に出た意見広告を、両腕を広げた大の横断幕にして、歩道の植え込みに張る。沖縄意見広告運動が、「ミサイルよりも外交を」と訴え、東京新聞など4紙に出した全面広告だ。

藤原さんから私の携帯に電話が入る。誰々さんが来ていますよ、など座り込みの状況を話すと、藤原さんは安心したようだ。(M島)

◎ 国会が緊迫状態にあり、テントひろばに寄られるも 6月5日(月)

台風が去って2日目になるというのに、事務所の机の上には水浸しになったテントニュースが所狭と広げられていたが、机の上に直接だったので夕方、帰って来た時も湿っていて使い物にならないので廃棄した。机の上にあるテントニュースをセットして経産省前に向かった。一足遅れて着いた時には、いつもの常連さんたちが準備をしてくれていた。

昨日に引き続き、きょうも高気圧に覆われて経産省前に来た時から気温は32℃を指していて、撤収時まで変わらなかった。座り込み準備をしている時も、額から汗が止まらず、手拭いで拭きながらの作業であった。

作業を終えて一段落した後の、冷蔵庫で冷やした水をコップ一杯飲んだ時は格別であった。蒸し暑く感じたので湿度も高いだろうと見たら20%と低かったのでビックリした。暑がりの私の体には、32℃は高過ぎて、蒸し暑く感じさせているのであろう。ひたすら冷水を飲んで、この暑さを乗り切った。

きょうはテントひろばを訪れる人も多くなかった。みんな、委員会での強行採決が迫っているので国会前での座り込みに参加しているのであろう。そんな中で若い人が「ご苦労様です」と言って100円をカンパしてくれた。嬉しかった。直ぐにテントニュースを渡した。嬉しそうに受け取ってくれた。そのすぐ後にも年配の人が「ご苦労さん」と声を掛けてくれた。連続だったので暖かいものを感じた。

きょうの午前中に判決のあった「大崎事件」の再審はどうなったのか悶々としながら防衛省前に行ったが、事情通のAさんから「却下された」ことを知らされた。帰って来て夕刊を見たがどこにもなかった。

★6日?朝刊に載っていた。今回も弁護側が求めた「新旧全証拠の総合評価について」「必要は認められない」と退けている。この裁判では、いつも検察の抗告で覆されている。検察側が持っている全証拠の提出を! そうすれば袴田事件同様、再審開始になるでしょうに。 (保)

◎ 汚染水海洋放出に反対する動きもいろいろと 6月6日(火)

曇り空なのに蒸し暑い一日だった。出発がいくらか遅くなり、久しぶりに自転車でやってきた仲間が12時前から待っていてくれた。おかげで、3人で12時丁度に椅子等のセットが完了。そこにIさんが来て4人で座り始める。

今日はテントニュース267号の片面の印刷を残して、事務所を出てきた。それで、午後1時過ぎに事務所に戻って、コンビニ弁当の昼食を食べながら、残りの印刷を順調に終えて経産省前に戻ると、午後2時前には後半担当のAさんが、そして午後2時過ぎにKさんが医者の帰りがけだと、登場した。そこにMさんがどら焼きの箱を下げてやってきて、皆に配ってくれた。

Mさんは、この間、夏に予想される東電福島原発事故での汚染水の海洋投棄に抗議する行動を呼びかけて来た。そのために、東京から福島に向けた抗議のマーチ(デモ行進?)だ。6月9日昼間の企画会議では、7月17日の海の日からスタートさせようと、個別のオルグを始めている。福島までは200Kmある。自転車を使えば一日で到達するが、隊列を組んで徒歩で進めば、一日25Kmとして8日間、7泊8日の行程だ。それに、並走する少なくとも一台の車も必要となり、ドライバーは最低でも2名は必要だ。(EO)

◎ 刻々と迫る汚染水の海洋放出   6月7日(水)

朝から太陽ギンギン。経産省前に着くと自転車のYさんが待っていてくれた。3人でセッセとセッティング。少しの時間でも太陽に当たった椅子は熱くて座れないほど。パラソルが役立つ。

国会の状況がひどいという話をしているところにObさんがおいしいおせんべいを持って座り込みに来てくれたので、3人でひとしきり国会情勢批判などをする。「今日も夜7時から国会正門前で入管法改悪反対の抗議行動がある」というと、Yさんは「1度帰ってから出直してくることにする」という。

IAEAが福島汚染水の状況を調べに来ている。アメリカの学者が言うには、IAEAの立場は汚染水の海洋放出については経産省との間で、「汚染水を海洋放出する」ということで一致して、その上で「調べる」ということなので、「どこをどう押しても、海洋放出という結論しか出て来ないことになっている」と言っていた。

今朝のニュースでは、放出のための導水管がほぼ出来たので、汚染水を入れ始めたと言っていた。今月中に点検報告を出して、放出に向かうと言っていた。倉田さんは横浜での闘いのためにお休み。Yoさんから情報。6月4日に北浦和公園で小林節さんを招いて現在の情勢や改憲反対で集会があって、Yoさんも参加したところ5000人以上も集まったそうだ。厳しい情勢だが、情勢は動いていると感じたと言っていた。三上さんがバナナとかポップコーンなどを持ってきてくれた。汚染水闘争について意見を交わす。午後3時過ぎになると東京西部ユニオンの2人や他の常連も参加された。なにもかも、闘わないといけないという状況だ。(T・I)

◎ 裂けた旗の修理に感謝   6月8日  (木)

ちょっと出遅れて12時10分前頃経産省前に着いたら、すっかりセッティングが終わっていた。久しぶりに高級自転車さんが来て手伝ってくれたお陰か。

しばらくすると憲法審査会を傍聴した人、数人が来てくれ、その後も入管法改悪反対に参加した人、自衛官のセクハラ裁判を傍聴・報告会に行ってきた人などが、大勢、寄ってくれて賑やかだった。Yさんは裂けた幟旗の修繕に余念がなかった。いつも色々修繕を担ってくれて感謝です。時折強い風が吹きパラソルを付けた椅子が倒れたけど害がなくて良かった。(I・K)

 

==========投稿============

経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その208

日本の産業政策の大失敗を生んだ経産省!~古賀茂明「分断と凋落の日本」が示す経産省・エネ庁の愚かさ

2023年6月9日  木村雅英(経産省前テントひろば)

専門性無く民間企業にせびる経産省

古賀茂明著「分断と凋落の日本」(日刊現代、講談社)を読んで、次の私の体験を思い出した。

半世紀近く前の話。環境庁の調査業務を受注して同庁二人と仙台まで出張した時、通産省から環境庁に出向してきた人に駅弁の購入を当然の如く要望された。プロパーの環境庁職員はそんなことは求めないのに。また九州に出張した折には別の通産省出向者に夜の付き合いまで求められて逃げまわった。

20年近く前。厚労省と経産省が設立した医療関係の財団に出向した折に、厚労省からの職員は一生懸命医療に取り組んでいたが、それまで石油エネルギー関係の仕事をしていた経産省からの職員は医療を真面目に学習しようともせず日刊現代を読んで批評家気取りだった。

経産省の産業政策の大失敗 

「4-1日本の産業政策の大失敗を生んだ経産省」には、次の様に私が共感する文が多々ある。

〇経産省には伝統的に「日本株式会社の社長は俺たちだ」と考えるDNA

〇経産省が繰り出す「護送船団日の丸」産業政策は30年以上にわたって失敗

〇経産省をなくしたらどうかなどという議論とは無縁だが、経産省にはそれほど大きな「役割」がない

(私は20年前に地方自治体から経産省に出向してきた人に「経産省が必要だろうか」と話したことがある。)

〇「クールジャパン推進機構」「プレミアムフライデー」は忘れ去られた

〇5年も経てばプロジェクトは雲散霧消。目立つことをやって予算がつけばそれでいい「見せかけ」

〇経産官僚が電通などの広告会社やPRコンサルタント会社などの知恵を借りながら「やってる感」

〇現場の声を聞けというが、彼らが聞いているのは癒着先の企業や団体の声(国民の声は聴かない!

私たち経産省前テントひろばの申入書も直接受け取らない!)

〇「イノベーションこそ新しい資本主義の柱」だと言っているが、30年前からいつも失敗

亡国の省が進める原発生き残り策を止めよう

以上からも、通産省・経産省が進めてきた原発推進政策が大失敗であり、これからも大失敗に終わることが見えている。何としても早くこの過ちを絶たないといけない。事故で発生した放射能汚染水を海洋投棄するなんて以ての外だ。

【参考】古賀茂明著「分断と凋落の日本」第4章 凋落の原因は経産省と安倍政権にある

4-1 日本の産業政策の大失敗を生んだ経産省

かつて世界に恐れられた通商産業省

「A級戦犯」経産省は失業寸前で存在感は霞む一方だった

次々繰り出す”瞬間芸”も終わってみれば成果無しの税金無駄遣い

成長戦略は”やっている感”がすべてと言う安倍政権と経産省のシンクロ

経産省、電通、安倍氏の3チャラトリオが行政を食い物にする

先進国になっても科学的議論ができない日本の凋落

自民党長老たちが学者を嫌う本当の理由は?

「イノベーションこそ新しい資本主義の柱だ」と言っているが……

この本は、「日本劣化」を指摘して、原発反対を訴えるのみならず「戦争をしない国」を主張する書である。皆さんに一読をお勧めする。

 

=====添付資料=====

原発週報2023.5.31-6.6 編集:漆原牧久

 

=========デモ、集会==========

・6月14日(水)こども甲状腺がん裁判

12時30分 地裁前アピール 14時103号法廷

・6月14日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動

・6月15日(木)樺美智子さん追悼の集まり

13時:国会南門前 主催:9条改憲阻止の会

(なお、夕方の6時からは「声なき声」主催の樺さん追悼の会は国会南門で行われる)

・6月16日(金) 経産省正門前(テントひろば)抗議行動

17時~18時 経産省前テントひろば

・6月16日(金)18時半~ 原発いらない金曜行動

 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5073:230612〕