翁長知事に埋立承認「撤回」を再度求める:うるま市島ぐるみ会議

元裁判官の仲宗根勇氏らが共同代表をつとめる、うるま市「島ぐるみ会議」が5月26日に再度翁長雄志沖縄県知事に対し辺野古の埋立承認「撤回」の要請を行います。以下、仲宗根氏がフェースブックで公表している要請書の内容を転載します。下方の関連記事リンク集も御覧ください。

5月18日、辺野古での抗議行動においてスピーチする仲宗根勇さん。
(写真提供: Tamiko Heshiki)

(要請書ここから。事務局長の住所と電話番号は割愛してあります)

沖縄県知事                  平成29年5月26日
翁長雄志殿

前知事の辺野古埋立承認行為の即時撤回を求める

要  請  書

うるま市「島ぐるみ会議」

共同代表:仲宗根勇・平安山英盛・兼城賢次

照屋寛之・金城秀吉・上原政英

照屋大河・山内末子

事務局長:伊芸佑得
要 請 事 項
前知事のした埋め立て承認の行政行為を、貴職において一刻も早く撤回して下さい。
要 請 理 由 
1 うるま市「島ぐるみ会議」は、貴職に対し今年早々の1月13日に今回と同様の承認撤回を要請しました。昨年12月20日に県の上告が棄却された違法確認訴訟について県の敗訴が確定した後、貴職が2015年10月13日にした埋め立て承認の取り消しを12月26日に取り消したため「承認」が復活し、和解で止まっていた工事が翌27日から再開され、汚濁防止膜の設置が進められる危機感からの要請でした。あれから4か月余が経過しました。その時対応した謝花喜一郎知事公室長は「要請の思いを強く受け止めている。猶予がないという認識はある。しっかりと知事に要請内容を伝え、県民の思いに応えたい」と述べました。
2 貴職は就任以来記者会見などで何度も「承認の撤回も視野に入れている」と表明し今年1月4日の年頭挨拶の中で、新基地建設阻止を県政の柱とされ、3月25日の辺野古集会に知事として初めて参加され「撤回を必ずやる」と明言し、県民の喝采を受けました。
3 政府は4月25日、埋め立て工事を開始し、抗議する県民を機動隊で実力排除して工事が進められ、後戻りできない事態が日一日と積み重ねられています。今後予想される撤回裁判を考慮すると、事態は一刻の猶予も許されない状態に立ち到りました。巷では承認撤回に動かない県に対し、不安と不信の感情が渦巻いています。
4 これまでの県の担当部局の説明では、撤回理由について法的検討を続けており、今後の工事の推移も見ながら検討するとのことです。しかし、今後は工事進行とともにこれまでの違法な工事が量的に増大するだけで、これまでと異なる新たな撤回理由は生じないはずです。10万票の大差で翁長雄志氏が当選した時点から、撤回理由のひとつとなる「民意」のほか、知事の指示不服従・協議義務違反、自然保護、文化財など国の責めに帰すべき撤回理由が両手で数えられないほど存在しています。
5 国は過去2回(2015年3月30日知事の海底変更作業の停止指示・10月27日承認取り消し)も行政不服審査法を悪用して効力の一時停止をした。国による撤回の効力停止を封ずる法的対抗措置も検討し、撤回と同時に実行してください。

(要請書ここまで)
これまでのこのブログでの関連投稿:
仲宗根勇: 沖縄差別の源流と「和解」をめぐる疑惑・今後の闘い
【重要】辺野古埋め立て「違法確認訴訟」最高裁で県が敗訴しても知事は判決を理由に埋立承認取消を取り消すことはできません/させてはいけません―元裁判官仲宗根勇氏との問答
辺野古違法確認訴訟:最高裁判決は翁長知事に埋立承認取消の取消を命じるものではない。
沖縄の環境団体、市民団体、翁長知事に一刻も早い埋立承認「撤回」を求める
緊急シンポジウム「沖縄はどうすべきか」 報告
翁長知事が予定する埋立承認「撤回」で止まる工事を止めたままにさせるために
以下は「沖縄タイムス」記事へのリンクです。
沖縄タイムス【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(上)(下)掲載
新垣論考を読んで-承認撤回と県民投票(上)】辺野古基地 撤回を先に 知事選以降 民意揺るがず
【新垣論考を読んで-承認撤回と県民投票(下)】知事「決断」のみ国縛る 「回避」基地阻止と逆行

初出:「ピースフィロソフィー」2017.05.22より許可を得て転載

http://peacephilosophy.blogspot.jp/2017/05/blog-post_22.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/
〔opinion6688:170523〕