規制委への抗議・申入書案

原子力規制委員会委員長  田中俊一様
委員  更田豊志様、田中知様、中村佳代子様、石渡明様
原子力規制庁 長官    池田克彦様

原発再稼働業務をすべて中止し、イチエフ対策に専念しなさい!
2015年6月17日 福島原発事故緊急会議

東電福島原発事故が起こって4年3か月が経ちました。
・イチエフは収束したでしょうか?         収束には程遠い
未だに放射能汚染水で太平洋を汚し続け、毎日放射能汚染水を敷地に貯めこみ、汚染水タンクも満杯です。そう、田中委員長が後押しした安倍首相「アンダーコントロール、ブロックできている」発言は大嘘だったのです。凍土壁は駄目だったし、ALPSも信用できない。本日の規制委定例会議でタンクの不具合が報告されているのもその一端でしょう。
・廃炉への道が見えているでしょうか?     全く見えていません
つい先日に東電が廃炉工程の延期を発表しましたが、デブリがどうなっているか分からないでイチエフの収束も廃炉化も計画通り進むはずがないでしょう?
・イチエフ事故の被害者は救済され日常の生活を取り戻したでしょうか? 全く正反対
規制委の提言で決まった年間100mSv安全、年間20mSv帰還の国や県の政策により、被害者は高放射能地域での生活を余儀なくされ支援を打ち切られ分断され声も上げにくい状況を作られています。正に棄民されています。命を生む大地の土が放射能で汚染され、福島県内のあちこちの田畑に黒いフレコンバッグの山ができているのです。今でも12万人近くが避難生活を強いられているのですよ。
・イチエフの作業労働者は安全に作業をしているでしょうか?     残念ながら否
7千人近くの労働者が働いていますが、被ばく手帳も持たずに被爆労働を強いられ、既に年20mSv超えが992人となり、高線量被ばくが前年比1.5倍に増加しているではないですか。更にこれから緊急時被ばく限度を100mSvから250mSvに上げて、作業労働者に厳しい被爆労働を強いようとしている。
イチエフのこのような状態を放置したのは誰でしょう? 内閣にも経産省にも資源エネルギー庁にも東電にも責任があります。しかしながら、今最も責任を負うべきは原子力規制委員会です。なぜなら、原子力規制委員会は「国民の生命と健康と環境」を守ることを目的として独立性が高い第3条委員会として発足したのですから。そして、発足当初から私たちが再稼動の為に原子力防災指針を作ったり新規制基準を作ったり再稼動審査を開始するよりも、まずはイチエフの放射能汚染水対策をするべき廃炉への道を追及すべき、と何度も訴えてきたのに、原子力規制委員会は耳を貸さなかったのですから。
イチエフ事故検証も踏まえずにつくられた「新規制基準」は日本の現存原発を再稼動するための甘い甘い基準です。更に、3つのサイトに認可を与えた設置変更許可も「違法」と指摘されるほど甘い甘い審査ですし、工事計画認可の審査も「耐震偽装」「白抜き偽装」が見られる甘い甘いものです。例えば、川内原発についてのそれぞれの審査について、行政不服審査法に基づく異議申立が出され、その審理が非公開でなされているのに、川内原発が使用前検査に至っていることも、規制委が「国民の生命と健康と環境」よりも、事業者を中心とする原子力マフィアの味方であることを証明しています。

直ちに原発再稼働業務をすべて中止し、イチエフ対策に専念しなさい!