連帯・共同ニュース第128号 2011年6月30日
■ 週末の天気予報は芳しいものではなかったので気にはなってはいたが、これほど雨に濡れた集会やパレードになるとは思わなかった。集会の前からパレードの終わるまで雨が終始降っていた。子供を抱えた若いお母さん達は参加を断念せざるを得なかったのであろうと想像する。最近のこうした集会やパレードの主役になりつつある若いお母さんたちが参加を阻まれたのは残念であった。とは言え、集会とパレードは盛り上がり、福島からの脱原発の声が力強く響いていた。僕らのメンバーが持参した放射線測定機で測ったところ福島市の値は結構高かった。特に雨がそれを高くしたのかも知れないが、政府等の発表する測定値より高いことは明瞭であった。福島県は復興の柱に脱原発を掲げている。当然のことだが放射能汚染対策、とりわけ子供たちを守ることは急がなければならない。放射線被害をなるべく軽く見積もるために、政府や東電が情報を隠ぺいし操作してきたことが、子供たちを放射能汚染から守る上での初期対策を阻んできた。このことは怒りを喚起するが、これに対抗するのは放射能汚染に不安を強いられて現場からの声と行動しかない。この集会に参加した福島の地域の人たちの声によるしかないのであるが、具体的な汚染対策が必要だ。そこで何をなせるかを含めた具体的対応策を検討し行動に移そう。
■ 南相馬市の桜井市長は地元の人たちが自らの力で福島を変えて行くことが大事であると述べた。表敬訪問をしたバスツアーの参加者達に対してである。政府は復興基本法をやっと成立させた段階であり、大震災や原発震災への対応(復旧や復興対策)は遅れている。これに対する批判や怒りはあるがそれ以上に重要なのは桜井市長の言でないが、地域住民が主体となった行動である。これが力強く動くことが、以前の大災害などの復旧や復興と違うところになるはずだ。大震災からの復興と原発からの復興は同じではないにしても地域住民が主体としてあることは共通しているし、そこに地域のみならず日本や世界が本当に変わって行く希望がある。「フクシマから世界を変える」という桜井市長の言は福島から世界の脱原発を実現するというメッセージを内包しているが、そこには中央に頼らない地元の住民たちに自立した行動も含まれている。
■ 急遽のバスツアー募集だったが、多くのみなさんに参加して頂き感謝している。楽しく、共に行動できたが、今後も同じような機会があればと思う。また、第9次支援行動のトラック隊のみなさご苦労さま。現地で合流出来たのは良かった。報告を願いたい。 (文責 三上治)
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