日本の将来を考える日々。蒸し暑さと政治不信が相まって鬱々。報道の自由度世界ランキンングは70位でまたもやランクを下げた。権力に対する批判やチェック機能がなかった戦前の翼賛報道と変わりがないと世界から烙印を押されたようなもの。瀕死のジャーナリズムに不安が広がる。
「戦争できる国」を加速させる日本
7月1日付の韓国のハンギョレ新聞※の見出しは衝撃的だ。隣国の新聞が一面で日本の現状を解説した。以下に要約した。
https://japan.hani.co.kr/arti/international/50465.html <原文記事はこちらから>
自衛隊が1954年7月1日に創設70年を迎えた。戦力の保有を禁じた憲法の下で自衛隊は大きく変貌した。同じ7月1日は安倍政権が憲法9条の解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能として10年になる。軍隊ではない自衛隊が中国の脅威を理由に世界第三位の軍事大国に浮上する。「解釈改憲」によって、自衛隊を世界中に派遣、兵器の製造と輸出が可能となった。
ハンギョレの記事は70年間に自衛隊に起きた変化を述べたに過ぎない。日本人はどれほど自衛隊の現状を正確に理解しているのか。日本人が知らない現実を韓国人が常識として知っているなら、これほど恥ずかしいことはない。
<ハンギョレ新聞>※
ハンギョレ(한겨레)、「一つの民族」という韓国の有力日刊紙である。
前述した報道の自由度ランキングで韓国が47位から62位に後退するなか、ハンギョレ新聞は健闘を続ける数少ない新聞のひとつである。1988年に民主化を勝ち取った市民による「市民のための新聞」。政治権力と大企業に迎合しない批判精神。民主主義を徹底して追求する新聞は韓国ばかりか日本を知るための有力な手掛かりになる。国際政治のニュースは世界を知るためにも欠かせない。
「ハンギョレ」と検索してダウンロードすれば、誰でもデジタル日本語版を読むことができる。もちろん無料。メディア不信に陥っている方に是非おすすめしたい。
<極楽トンボ>
7月3日、暑かった! 最近、千葉県・我孫子駅前で通行人から声が掛かることが多い。政治の話を好まない日本人が政治や社会について面識のない者同士で話をするのは不思議な感じもするが、それだけ政治に不安を持つ人が多いのかも知れない。
「原発再稼働反対「憲法9条を守れ」「安保法制反対」と書いたのステッカーをもって駅前に立つ。テレビと大新聞の緊張感の無さ、どうでもいい内容の報道の氾濫、大谷選手の話題は食傷気味と語った青年が印象に残った。メディアがいい加減だから国民は何も考えようとしない。まるで「極楽とんぼ」だと青年は呟き、「がんばってください」と頭を下げるとバスに乗り込んだ。極楽トンボという言葉を久しぶりに聞いた。何にも考えずスイスイと空中をただ漂うだけのトンボ !
野田でも同じ運動をしていると教えてくれた女性。先月は、「一緒に同じことができない」と申し訳なさそうにカンパをしてくれた男性がいた。駅前スタンディングも9年目に入り市民権を得ているのを実感した。
初出:「リベラル21」2024.07.08より許可を得て転載
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-category-2.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13788:240708〕