2012[H24]年2月23日(木) pm21:54放映の
「報道ステーション」(関西地方061CH)でも報道されたように、
福島第一原発から25Km離れた福島県南相馬市内原町区
(事故直後から緊急時避難準備区域。昨年9月に解除)などから、
高線量の黒い粉末から100万ベクレル/kgのセシウムが検出されています!
以下、「報道ステーション」の要約
○周辺路面の1.2μSv/h(マイクロ・シーベルト毎時)と比べ
○問題の黒い物質は3μSv/h(マイクロ・シーベルト毎時)以上の高濃度を示す。
[これを年間被曝量に換算すると26ミリシーベルト(mSv)強。これは、ICRPの定める一般人の年間許容量1ミリシーベルト(mSv)の26倍!つまり26年間かかって被曝する放射線量を、たった1年で同量を被曝してしまうほどの高濃度!!:諸留註]
○問題の黒い物質は歩道や駐車場、交差点等で水が淀んでアスファルトの黒濃度の濃い所に点在。
○緊急時避難準備区だった南相馬市内の除染作業は進めたが、雨樋や排水溝等の放射線量が高い。
○しかし、今回発見された「黒い物質」は想定外。
○最初に気づいたのは南相馬市議(大山弘一氏)等の市民団体。
○2月20日の市民団体の記者会見では「最大で約108万ベクレル(Bq)/Kgの高濃度の放射性セシウム(Cs)検出」と発表。
○南相馬市の独自測定結果でも71万8000ベクレル(Bq)/Kgを検出。
○南相馬市議(大山弘一氏)は「今回の事故は前代未聞なわけで、決して政府が(汚染状況の)すべてを把握しているとは思いません。新たな危険はどこから生まれてくるか解りません。住民のこうした発見に対して聞く耳を持って頂いて直ちに動いてもらいたい」と語る。
○神戸大学大学院 海事科学研究科の山内知也教授の調査分析でも福島第一原発由来のセシウム(Cs)と判定。
○チェルノブイリ事故の際にも茸やコケ類などを食べた鹿やトナカイから高濃度の放射性物質を検出
○チェルノブイリから2000kmも離れたノルウェーからも解体されたトナカイ肉から14000ベクレル(Bq)/Kgもの放射性物質を検出された(これはノルウェーの規制線量の2倍、スウェーデンのそれの46倍)事例がある。
○東北大学植物園 鈴木三男教授の顕微鏡観察で、この黒い物質の主なものは「細長いミミズのような格好をした生き物、いわゆる藍藻類(一番原始的な植物)」「藻は成長に必要なカリウム(K)を摂取する際に、カリウム(K)と似た化学的性質を持つセシウム(Cs)も藻に吸収されやすい」「この藍藻類に限らず他の微少な生物たちも同様の摂取をしていると推測できる」と語る。
○雨水など、水の溜まり易い路面や道路脇などに発生した藍藻類が放射性セシウム(Cs)を大量に取り込んだ結果と推測される。
○この現象は南相馬市だけに限らない。福島県内外の各地や、東京など、他地域でも同様の現象は起こっている可能性は十分ある。
○今後春の訪れと共に気温上昇、春風で、乾燥した藍藻が舞い上がり、場合によっては一般家庭内にも入ってくる心配が考え得る。どこに高レベルの(放射性)汚染物質があるかは計測しないと絶対解らない。情報の共有が大切。レベルが高いので市が対応できないなら国なりが率先して除染してほしい(山内知也教授)。」
○福島県内での除染計画では県内40市町村で除染を行う予定。31市町村が計画を作成したが、300ヶ所の仮置き場は既に満杯状態。
○こうした状態に、さらに高濃度汚染物質の保管という難問題が加わってくる。
私(諸留)も、事故発生直後から、こうした、
微生物も含む自然界の生態的循環システムの複雑な動きに伴って、
様々な地域、場所から、同時多発的、ゲリラ的に、
高濃度放射性物質が、新たに発見・検出されてくる危険性を
訴え続けてきましたが、
それが、一段と現実味を帯びてきたことが、
今回の問題の黒い物質からも証明されました。
原発事故や放射能の除染が順調に進行しているかのような、
昨今の甘い風潮に対し、
私たちを取り巻く環境の悪化と、
それへの警戒・監視を、
一層強化させていかねばなりません。
**転送/転載/拡散歓迎**