(メール転送です)村田光平元スイス大使からのメール:東京五輪と幾つかの情報

皆様

東京五輪については内外で確実に返上を求める声が高まりつつあります。

鳩山友紀夫元総理は2015年11月21日に掲載されたのJapanTimes のインタ

ビュー記事の中で明確に 東京五輪よりも福島事故への対応と東北震災の復興が先決

との立場を明らかにされております。政治家で唯一の例です。去る4日、日本プレス

センターでの講演会でもこの趣旨を発言されたところ満席の会場から拍手喝采が沸き

起こり感銘を覚えました。

海外からの支援も強まっております。米国のスリーマイル原発事故発生時1マイルの

地点で被爆したLibbe Halevy 女史(6大陸58カ国に配信するサイトNUCLEAR

HOTSEAT の製作者)は私との電話インタービューを2015年12月14日に行いま

したが、この程別添の風刺画(放射能まみれの東京五輪)が同女史より送られてまい

りました。

また、米国の有力サイト Counter Punch も米西岸への福島事故に由来する放射能被

害に対する警告記事を昨秋以後既に3度に亘り掲載しております。去る1月26日の

菅 直人元総理は米議会における記者会見で 福島が “under control”lでないことを

認める発言をされ、波紋を呼んでおります。鳩山、菅両元総理により否定された”

under control”の主張の再検証を回避続けることを国際社会がいつまでも放置する筈

がありません。

しかも福島の状況悪化の情報が増えつつあります。国際社会は福島事故対応に日本が

全力で対応するよう求める姿勢を強めております。東京すら住めなくなる危険性は厳

然と残されており、日本国民こそ事故対応への全力投球を求めるべき筈のところ、国

民はマスコミの影響を受け福島の危険性に目覚めておりません。

福島第一の溶解核燃料が地下でどのような状態にあるのかは誰も分かっておりませ

ん。建屋内はロボットすら思うように活用できない状態にあります。水素爆発、水蒸

気爆発、再臨界などの可能性につき誰も確たることを言えないのが現状です。日本が

直面するのは国家の危機です。福島事故後5年を経ても強引に進められている原発の

再稼働は、これが電力会社の危機として取り扱われていることを立証するものです。

誠に由々しき問題です。

去る1月30日、早稲田大学春秋会で地下開発の権威である江口 工博士の講演を伺

い、地下水の放射能汚染は首都圏まで及ぶ可能性を孕むものとして汚染水処理こそ最

優先で緊急に取り組むべきとの訴えに心から共鳴を覚えました。

国際社会が求めている事故対応への全力投球の姿勢を示す第一弾になることを心から

願い、その実現に向けて動き出しましたのでご報告いたします。(菅官房長官宛、谷

垣幹事長宛各メッセージ別添)

政府責任者、都知事、オリンピック関係者にはたび重ねて返上の決断を急ぐよう促し

ております。

皆様のご理解とご支援、そしてご尽力を心からお願い申し上げます。

村田光平

菅 義偉内閣官房長官殿

 

                         平成2

村田光平

前略

ご高承の通り国際社会は福島事故対応に日本が全力で対応している

ことの傍証を求めております。

去る1月30日、私も入会している早稲田大学春秋会で地下開発の権威である江口 工博士の講演を伺い、地下水の放射能汚染は首都圏まで及ぶ可能性を孕むものとして汚染水処理こそ最優先で緊急に取り組むべきとの訴えに共鳴を覚えました。

同博士は谷垣禎一幹事長にお会いしたことがあるとのことですので

本日別添の同幹事長宛メッセージを発出いたしました。この貴重な提言が日本に対し国際社会が求めている事故対応への全力投球の姿勢を示す第一弾になることを心から願うものです。

 

貴官房長官の格段のご配慮をお願い申し上げます。

草々

 

 

 

自由民主党

谷垣禎一幹事長殿

平成28

村田光平

拝啓

ご高承の通り福島第一の汚染水問題は解決の目処は立たず事態は確実に悪化しております。

去る1月30日、早稲田大学春秋会でご存知の地下開発の権威である江口 工博士は講演を行い地下水の汚染の深刻な現状に警告を発し、その具体的対策として注入工法(GROUTING)による山側からの1000トン/日の地下水の流入の防止の必要性を訴えました。

 

同博士はこれまでも政府関係者に種々提言を行ってきているとのことですが、政策に十分反映されていないようです。地下水の放射能汚染は首都圏まで及ぶ

可能性を孕むものとして汚染水処理こそ最優先で緊急に取り組むべきことが強調されました。

 

この貴重な提言が日本に対し国際社会が求めている事故対応への全力投球の姿勢を示す第一弾になることを心から願うものです。

 

江口博士は全面的に協力する用意があると申し出ております。

FAX信は官邸を始め政府関係にもコピーをお届けして前向きの検討をお願いする所存です。

 

貴幹事長の格段のご尽力をお願い申し上げます。

敬具

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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