10月の声を聞くが、経産省前のテントと座り込み持続を

2011年10月2日 連帯・共同ニュース第163号 

9条改憲阻止の会

■ やはり時の経つのは速いものだ。経産省前のテントから霞ヶ関界隈の空を眺めているとふとそんな感慨も湧く。僕らがこの経産省前にテントを張り座り込み闘争を開始してからあっという間に20日間が過ぎた。人間の鎖で経産省を包囲し、若者たちが10日間のハンガ―ストライキをやるのに僕らが何もしないことはあるまい、というので始まったテントと座り込みである。権力側とのやり取りを経ながら日々は過ぎ10月の声を聞くようになったのである。座り込みの展開されているのは経産省前の一角だが、ここにテント張ることは頭の中で練りに練って出てきたものではない。ある意味では思いつきであり、無意識の欲求として出てきたものである。面白いというか、不思議なものでテントが張られ、すわり込み闘争が続くとそれ以前には考えられなかった構想が生まれてくる。ここを広場にし、運動を可視化して行くイメージがいろいろ浮かんでくる。全国の運動をつなげて行く構想も検討され始めている。テントは日を経ればマンネリ化すると思われるかも知れないが、そうではなくて日々内と外で何かがドラマと共に発生している。ここに参加する人は自問自答しながらすわり込みをしているが、それぞれの中で生まれものが広がって行こうとしている。僕らの予想を超えて行動が生みだしてしまうものはあるのだ。

■   このテントには多くの人が訪れる。熱心に話しこんで行く人もいれば、恐る恐る近づいてきてきてやがては打ち解けて帰る人、原発の必要性をまくしたてる人と様々だ。また、意外と地方からの人も多い。僕らはこのテントを多くの人が利用し、議論のための催しをやってくれることを期待している。経産省が閉鎖的に、密室的に原発政策を立案し政府とメディアがそれに乗り、ベストミックス《電源の最適な組み合わせ》という言葉の下で、何のことはない原発再稼働→原発保持が既定のものになっていたということを許さないために。経産省前に全国の人たちが集まり、声を発し国民の意志を表示し、経産省や原子力ムラの原発政策に異議申し立てを展開する場所にしたい。生まれたてのこの小さな広場を大きな広場に育てることが出来れば可能である。

■  10月1日(土)の朝。水と野菜などを積んだ救援トラックがテントの人々に見送られて福島に出掛けた。第13次の支援行動である。前日に御殿場で汲んだ水や食品会社などから提供いただいた野菜などを積んで。放射能汚染から子供を守るための小さな行動であるが、これもまた大きな運動へと育って欲しいと思う。この第13次行動の報告は別にあると思う。(文責 三上治)