11・18秋季シンポジウム 「原発事故とマスコミ報道」

パネリスト : 山岡俊介さん 寺沢有さん
日時        :  11月18日(金)    18:30~21:00  (18:15開場)
場所        :  東京しごとセンター  5階セミナー室 (千代田区飯田橋3-10-3)

主催          :  出版関連労組交流会議
          (東京都新宿区東五軒町3-28 双葉社労組気付   TEL 03-3268-3656)

 出版関連労組交流会議は、毎年秋にシンポジウムを開催し、07年「メディア 翼賛化と可能性」(講師 森達也さん)、08年「出版業界の再編と労働組合の課題」、09年「新世代へ繋ぐ言葉を求めて」(講師 吉岡忍さん)、10年「社会派の向こうへ 中小出版社現場の実像と労働運動の課題」と重ねてきました。 2011年の今年は焦眉の課題として原発事故についてのマスコミ報道に照準を据えて開催することにしました。
 東日本大震災(地震・津波)と原発事故という二重、三重の衝撃が日本を襲い、特に地震と津波によって破壊された福島第一原子力発電所は放射性物質を拡散させ半年以上経過した現在も収拾の目処がつかぬ悲惨な状況が続いています。
 3月12日15時36分、1号機で水素爆発を起こしメルトダウンをしていた事実に対し、東電による正式発表は約2ヶ月近く経ってからという信じられない遅さでした。公表されるデータは、もはや信頼に値しないと言われている始末です。そして、この間のマスコミ報道は、いったい何を伝えていたのでしょうか。東電が発表している事を忠実に伝える広報機関になり下がっていただけです。
 反原発運動のうねりは拡大し、怒りのデモ・集会は、9月19日の「さようなら原発」集会(明治公園)に全国から6万人が参加する近年では類を見ない高揚を示しましたが、マスコミ報道のこの集会の扱いも驚くほど小さいものでした。東京電力、経済産業省、政府の対応の遅れと隠蔽工作・情報管制、これに対するマスコミの姿勢への怒りが拡がっています。既存の大手メディアが行き着く所まで行って不信感を増大させ、記者クラブ制度の病弊も指摘される中、権力から自立・独立したジャーナリズムを追求する活動も力を発揮しつつあります。
 今回は、福島第一原発に潜入し、ずさんなセキュリティや放射能汚染、過酷な状態に置かれている原発作業員の姿を伝えている山岡俊介さん、警察の実態を中心に「権力犯罪」を鋭く追及し続け、この度「日本を脅かす原発の深い闇」につき発信している寺沢有さんのお二人のフリージャーナリストをお招きしてパネルディスカッションを行っていただき、原発災害の生々しい実像に照らしながら、マスコミ報道の腐敗の根源に迫っていきたい、と考えています。皆さん、ふるってご参集ください。

<山岡 俊介さん プロフィール>
 1959年、愛媛県生まれ。フリージャーナリスト。有料ネット情報紙「アクセスジャーナル」(http://accessjournal.jp/)主宰。神奈川大学卒。法政大学大学院人文科学研究科目日本史学修士課程中退。編集プロダクション、29歳よりフリー。以後、週刊大衆の記者を足場に活躍。「誰も書かなかったアムウゥエイ」(あっぷる出版)「アムウェイ商法を告発する」「銀バエ 実録 武富士盗聴事件」(創出版) 、「福島第一原発潜入記」(双葉社 2011年10月)、などの著書がある。

<寺沢 有さん プロフィール>
 1967年、東京都生まれ。中央大学法学部在学中に「ニューモデルマガジンX」(三栄書房)で連載した「フィールドワーク・交通取締まりを撃つ」が好評を博し、注目される。以後、事実関係を徹底的に調べる「調査報道」の手法をもって、主に「権力犯罪」を鋭く追及している。著者に「知らないと損する交通違反の裏のウラ」(恒友出版・共著)「警察庁出入り禁止」(風雅書房)、「報道されない警察とマスコミの腐敗」(インシデンツ)、「電力会社は警察の優良天下り先」(別冊宝島「日本を脅かす原発の深い闇」所収)、「治安国家拒否宣言」(晶文社「共謀罪と盗聴法」 所収)、「PL法事始」(三一書房・共著)などがある。