3/19特別集会「ウィグル問題を考える」

特別集会「ウィグル問題を考える」

『私の西域、君の東トルキスタン』(馬場裕之訳・劉燕子解説、集広舎)の著者である王力雄氏のお話を聞きながら、緊迫するウイグル問題を考えます。 

開会挨拶「ウイグル問題を考える」  子安宣邦

王力雄氏の紹介を兼ねた報告     劉燕子、麻生晴一郎

来日記念講演

「中国の改革の転換点におけるジレンマ・突発的な変化と制御不能」  王力雄

質疑・応答 

日時:3月19日(土) 13:00-17:00 

場所:早稲田大学・早稲田キャンパス14号館6階604教室

   ※早稲田キャンパス案内図:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

会費(資料代)500円

王力雄氏 プロフィール

 1953年、吉林省生まれ。中国の著名な作家、民主化や民族問題の研究者。1978年に「民主の壁」に参加。1984年、単独で黄河の源流から筏で1200キロを下る。1994年、中国最初のNGO「自然の友」を創設し、中心メンバーとして活動していたが、チベット仏教僧の死刑に疑義を呈したことから、「自然の友」は当局の圧力を受け、2003年に組織存続のため王力雄の除名となった。

 著書として、『漂流』(1988年)、『黄禍』(1991年)、『溶解権力』1998年、『天葬』(1998年)、『ダライ・ラマとの対話』(2002年)、『逓進民主制・中国的第三道路』(2006年)、『私の西域、君の東トルキスタン』(2007年、日本語版は2011年に集広舎から馬場裕之訳で出版。劉燕子監修・解説)。『聴説西蔵』(2009年、ツェリン・オーセルとの共著)など多数。

 王力雄の言論活動は内外で高く評価され、2002年、北京当代漢語研究所から「当代漢語貢献賞」、独立中文ペンクラブにより「自由創作賞」、2003年、ヒューマンライツウォッチから「ヘルマン・ハミット賞」、2009年、チベットのための国際委員会より「真理の光賞」などを受賞。

 2008年、ラサを中心に起きた流血の「3・14事件」に際して、畏友の劉暁波たちとともに「中国知識人有志のチベット情勢処理に関する十二の意見」を発表し、「善意、平和、非暴力の原則に従って民族紛争を適切に処理することを希望する」と表明。前記「真理の光賞」の授賞式では、この「十二の意見」署名者を代表して受賞に臨み、受賞講演では「〇八憲章」起草の中心的存在で、その発表直前に拘束された劉暁波の状況について訴えた。

2010年5月、王力雄氏は中国の一般市民とダライ・ラマ14世がネットを通して直接対話することを実現させ、その内容をツィッターで配信した。ユーザーは1万人以上にのぼり、とても画期的なとこであった。さらに、2011年1月4日、ダライ・ラマ14世と中国有識者(主に人権派弁護士)によるネットを使ったテレビ会議を実現させた。これにより顔と顔を直接合わせて活発に議論ができ、お互いにチベット問題を非暴力で平和的に解決しようとする歩みがさらに一歩進んだ。

 また、新疆ウイグル問題では、民族間の憎悪が出口のない状況に陥り、さらには「パレスチナ化」に至ろうとしていると警鐘を鳴らし、それが2009年にウルムチで起きた「7・5事件」に先がけていたことで、優れた先見性を持つ独立知識人であると評価された。

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