4・13ルネサンス研究所定例研究会―理論と実践について(アルチュセールの哲学を素材に)

著者: 菅孝行 : ルネサンス研究所
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講師:伊吹浩一

日時:4月13日(月)18時30分~21時

会場:専修大学神田校舎1号館8B教室

参加費:500円

 

「革命的理論なくして、革命的実践はない」というレーニンの言葉をことあるごとに引用したアルチュセールは、マルクス主義的哲学者として「理論と実践」の問題に挑んだ。そのさい彼は自己を哲学に定位する者として位置付け、理論的実践を自己の任務として引き受ける。この実践の基盤となったのがフランスのエピステモロジーである。フランス・エピステモロジーは科学の歴史を、旧い科学理論から新しい科学理論への断絶と跳躍の過程として捉える。アルチュセールはこれをマルクスに適用し、マルクスは科学における理論革命を成し遂げたと言う。ここで注目しなければならないのはイデオロギーである。イデオロギーが新しい科学理論の登場を阻み、これをのりこえるとき新たな科学的地平が現れると言うのだ。「イデオロギーから科学へ!」という実にマルクス主義的なスローガンこそ、アルチュセールの理論実践のそれである。一見すると時代拘束的な議論かもしれないが、これを3・11以降の現代に適用してみると何が見えてくるのか? あるいはこれを通してマルクス主義の「失敗」を考察したい。