昨年の5月20日(金)に吉本隆明の『共同幻想論』をテキストにした「共同幻想論と今」がスタートしました。テキストは角川書店の文庫本を使っています。
その間に吉本隆明が亡くなられました。巷では追悼の本も出ていますし、雑誌等の特集も見られます。僕が編集代表の一人である『流砂』でも5号を吉本隆明追悼として出します。6月の上旬には発刊されます。『共同幻想論』は吉本隆明の代表的著作の一つに数えられていますし、今後も読み継がれていくと思います。これまで「序」・「禁制論」・「慿人論」・「巫覡論」「巫女論」「他界論」「祭儀論」「母制論」まで読んできました。読むというのは書かれてことの解読というよりは思想的に理解するということですが、なかなか難しいと同時にスリリングでありました。今回は「対幻想論」です。吉本さんは後年になって『母型論』を出しています。これは『言語にとって美とは何か』、『心的現象論』、『共同幻想論』の統括的なところからの展開といわれますが、そこでは前回のテーマであった「母制論」や今回の「対幻想論」が重要な役割を果たしています。この講座としては次の段階として『母型論』をやりたいと思っています。この対幻想論はとても読みやすいというのが印象ですが、それぞれの読みかたがあると思います。一番根源的なところは「<性。としての人間はすべて、男であるか女であるかいずれかである。だが、この分化の起源は多くの学者がいうように、動物生の時期にあるのではない。すべての<性>的な行為が<対なる幻想>を生みだしたときに、はじめて人間は<性>としての人間という範疇を持つようになった」というところです。そしてこの対なる幻想の現在はどうなのでしようか。このなかでは夏目漱石や森鴎外の作品を媒介に近代の対幻想に言及しているのですが、ここはどうなのでしようか。途中からの参加もOKです。興味のある人は是非参加してください。1回毎の参加でも対応できます。今回初めて参加の方は角川書店の『共同幻想論』の「対幻想論」というところに目を通してきてください。
5月18日(金)は「共同幻想論と今」第11回目です。次回の12回目は6月15日(金)です。
・場所:変革のアソシエ事務所
中野区中野2-23-1ニューグリーンビル3F 309号室(JR,地下鉄南口徒歩3分)交番の裏の坂道を登り、新宿方向へ)1Fにドトールコ―ヒーあり。
・時間:19時からです。
・1回千円です。1Fにドトールコ―ヒーあり。
・電話03-5342-1395または三上の携帯(090-3908-7330)