5月20日(金)から吉本隆明の『共同幻想論』をテキストにした「共同幻想論と今」がスタートしました。1回目と2回目は序のところをやったのですが最初は前後しました。テキストとして1968年に河出書房から出ている初版本を使おうとしたのですが、角川書店の文庫本で統一することにしました。序のところは吉本の共同幻想という根本概念のモチーフや由来が提示されていてとても重要でここでつまずくとこの本自身に進めなかなるところもあって、二回分をここで費やしました。これからも必要に応じて戻ってみるつもりです。この序文の要点はやはり吉本のマルクスの思想の理解ということです。この本が刊行された1960年当時はマルクス主義の影響力が強く、マルクスの思想の理解もそれが支配していました。吉本はそれに強く反発していてその枠組みからでることで、マルクスの思想を理解しようとしていました。「言語にとっては美とは何か」や「心的現象論」を含めた吉本に仕事に共通するものでもありました。吉本には『経済学・哲学草稿』で完成されたマルクスの自然哲学と後期に導きいれた自然史という歴史哲学の接点をめぐっての格闘があり、この後者から前者を排除する《切断する》方法(マルクスの思想理解の方法)に対する批判が在ったのだと思います。吉本には『マルクス伝』(1964年)や『マルクス紀行』(1964年)のマルクスがあり,これらでの思想的裏づけがなされていたと思います。文庫本では序のところにウイットフォゲルの東洋的専制についての言及がなされています。これは日本におけるアジア的なものの理解に関わるものとして触れられたのだと思います。今回は3回目です。今回は「禁制論」のところにはいります。これはなかなか面白いところですが、結構難しくもあります。講座は月1回ですので一度欠席したり、途中からの参加は難しいと思われるかもしれませんが、1回ごとに参加ということでもいいという方法を心がけようとおもいます。講座の前後を補足する事を考えています。途中からの参加も歓迎します。
7月15日(金)は「共同幻想論と今」第3回目です。 8月は夏休みで講座はありません。4回目は9月16日です。
場所:変革のアソシエ事務所 中野区中野2-23-1ニューグリーンビル3F 309号室。1Fにドトールコ―ヒーあり。(JR、地下鉄中野駅南口徒歩3分)交番の裏の坂道を登り新宿方向へ) 時間:19時からです。 1回千円です。 電話03-5342-1395or三上の携帯(090-3908-7330)