2015年8月10日
「政府が右と言ったら右を向く」NHK
2つ前の記事で書いたように、NHKは抗議の声にも聞く耳を持たないかのよう
に、安倍政権お助け報道を続けている。
政府は、集団的自衛権の必要性を説明するのにホルムズ海峡封鎖が現実味を失
うと、今度は南シナ海の軍事的緊張に話題を転じ、中国脅威論を喧伝し始めた。
すると、NHKも、歩調を合わせるかのように、南シナ海で中国が活発化する海
洋進出を一触即発の軍事的緊張かのようにあおる報道を始めた。「政府が右と言っ
たら、NHKも右」なら、民営の仮面をかぶった国策放送そのものだ。
安倍政権は、新国立競技場の不透明な予算膨張を追及されて窮地に立つと、安
倍首相の英断かのように競技場予算を白紙に戻すと表明した。
すると、NHKは、なぜ競技場建設予算が当初の約2倍に膨らんだのか、白紙
撤回の中身はどんなものかを十分に調査報道することなく、安倍首相の「決断」を
大々的に報道した。おまけに、スポーツ報道とは縁のない、とかく安倍政権寄りと
評される政治部の岩田明子記者をニュース7に登場させ、得々と白紙撤回の話題
を解説させた(7月17日、ニュース7)。
また、8月7日のニュース7では、東京オリンピックをめぐる明るい話題に焦
点を仕向けるかのように、オリンピックの追加種目は何?を大きく伝えた。
私は昨年6月21日に大阪・中之島の市民公会堂で開かれたNHK問題を考える
集会で、短い報告をさせてもらった。その中で、NHKの最近の報道の現状を「政
府広報」、「話題そらし」、「焦点誘導」、「空気づくり」という4つにまとめて話を
した。そうした特徴は、1年後の現在も、弱まるどころか、むしろ、安保関連法
案をきっかけに安倍政権への国民の不信、批判が高まるのと相関するかのように、
いっそう強まっている。
国民の批判に聞く耳を持たないNHK
多くの国民がNHKの報道の異常さを意識するきっかけになったのは6月15日、
夜のNHKニュースだった。
「7時のNHKニュース、香港の『数千人』のデモを延々と伝えたが『数万人』
の日本の国会包囲デモにはまったく触れず、「数千人」の渋谷の若者たちのデモ
なんか完全無視。NHK、恥を知らないらしい。でも、なんでこんなロコツなこと
が出来るのだろう。」
こういう書き込みに1,424件のリツイートがあった(6月15日、17時30分
現在)。
その後も、NHKは安保関連法案が強行採決された7月15日の衆議院特別委員
会を中継しなかった。憲法解釈の「法的安定性はどうでもよい」と言い放った磯
崎総理補佐官を参考人として招致した8月3日の参院特別委員会の模様も中継し
なかった。
国民の批判、抗議に聞く耳を持たない点で、NHKは今の安倍政権の政治姿勢
とよく似ている。しかし、異なる意見の出会いの場を作ることを使命とする公共]
放送・NHKがこのように異論を粗末に扱ってよいはずがない。
抗議の意思を行動で示す時
こういうNHKに対する視聴者の最後の抗弁の手段として、私は受信料の支払
い凍結を呼びかけてきた。なぜ、事実上の恒久的不払いでないかというと、税金
で運営経費をまかない、放送を時の政権の管理下におく国営放送では国民の知る
権利はかなえられないどころか、国民を扇動する大本営発表となるほかないからだ。
また、民営化ではスポンサーからの商業的圧力にさらされるだけでなく、視聴率
優先主義によって番組の劣化が避けられない。こう考えると受信料で支える公共
放送としてNHKを存立させる意義は否定できない。
しかし、ここで議論が止まってよいのかというのが今のNHKである。「受信料
で支える」というなら、視聴者こそNHKの主権者ということになるが、現状は
それとはほど遠い。こんな状況を放置して、法的手段をちらつかせながら受信料
を取り立てるのでは、「皆様のためのNHK」ではなく、「NHKのための皆様」に
ほかならない。
NHKは放送開始90年を記念して「もっと届け、大切なこと 公共放送 進化
中」というキャッチフレーズを広報している。しかし、現状では「少しも届けな
い、大切なこと 公共放送 劣化中」というのが似つかわしい。
となれば、視聴者・国民は電話で批判・要望・抗議の声を伝えるだけでなく、
そうした意思をもっと目に見える行動で、それもNHKに向かって直接、ぶつけ
るほかない。
私は、こういう意思を共有できる人たちと集まった8月1日の相談会で「NHK
包囲行動実行委員会」を作り、すぐに行動をおこそうと決めた。それが「8.25N
HK包囲行動」だ。
8月8日に2回目の会合(実行委員会)を開き、いろいろな準備、特に1,000人
といわず、2,000人、3,000人のヒューマン・チェーンでNHKを包囲する規模の行
動にするよう、いろいろな集会に出かけてチラシ配布で参加の呼びかけをする行動
予定を決めた。そこでお目にかかった方々にも、チラシ配りを手伝っていただける
とありがたい。
これに先立って8月6日に開かれた「戦争法案反対 国会前集会」に9人で出
掛け、チラシを約1,200枚配った。反応はたいへんよく、「本当に最近のNHKは
おかしいよ」とか、横から「私にも下さい」と手を差し出す人が多かった。
ツイッター、フェースブック、ブログなどを開設されている方には、「8.25包
囲行動」を拡散していただけるとありがたい。
チラシ:
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/825NHKhoui/NHKhoui.pdf
政権べったりの報道をやめろ 怒りの声でNHKを包囲しよう!
8.25NHK大包囲行動
日時: 2015年8月25日(火) PM: 6:30~
場所: NHK放送センター(渋谷) 西門前
(放送センターの周囲を包囲し、正面側、NHKホール
そばの門、東門側でリレートークとコール(随時)
を行なう。)
主催: NHK包囲行動実行委員会
問い合わせ先:
メール/shichosha_kangeki@yahoo.co.jp
電話/丹原 090-8955-6050 今井 090-4678-7132
醍醐 080-7814-9650
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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