90日を超えた経産省前テントは段階を経て進んでいる

2011年12月12日 連帯・共同ニュース第200号

<9条改憲阻止の会>

■  「何に此(この)師走の市にゆくからす」(芭蕉)。日曜とはいえ深夜まで灯の消えない財務省などの官僚街である。ここで働く面々にとっては経産省を取り囲むようなデモやテントを訪れる人々はどう映っているのだろうか。歳末の市井を用もなく飛んでいくからすのように見えているのかもしれない(?) あるいは密かに共感を寄せつつ見ているのかも知れぬ。この経産省前テントは90日(3カ月)を超え、経産省の包囲は四度目を数えた。12月11日の包囲デモにおいてである。経産省前テント広場は来年を展望しつつ歩む段階に入った。来年ことを言うと鬼に笑われるかもしれないが、そのいう局面にある。すでに万を超す人々がテントを訪れた。その他、ネットで支持を寄せる人や、宅配便で差し入れをしてくださる人々に支えられてここまでくることができた。僕らは原発に反対し再稼働に反対する人々の力を結集して前に進みたい。

■  「16万6千人 福島の子どもたちをすくおう 16万6千人の市民は『原発いらない全国女アクション』と共に在ります」という文章が女性主体のテントには張り出されている。インターネットで署名活動をしているAVAAZのみなさんが寄せられたものである。署名活動は継続中であり、協力を。東京都フクシマ村 未来をはらむ女たちの とつきとうかのテント広場、という手書き看板がその横にはある。90日間の間にテントは三つに増え、とりわけ女性主体のテントが出現することでテント村になり、豊かなものになった。テントを訪れる女性も増えた。

■  来年の春には現在稼働中(現在九基稼働)が止まる。政府が福島第一原発事故の収束宣言や除染を急ぐ背景には原発再稼働がある。政府は事故の検証も中途なままで再稼働を急いでいるのだ。このテント広場は再稼働に抗する運動の拠点である。その重要度は増すが、同時に、このテント広場は脱原発や再稼働反対の意志表示の場であるだけではなく、原発を象徴とする社会を変えたいと願う人々の表現の場である。「経済より命」という端的な言葉があるが、原発震災も含めた大震災後の社会を模索する人々の集合の場(意志空間)である。誰しもが震災後の社会を現在の転換として望んではいるが、まだその像も見えないし言葉も未成である。この場で響きあう声や旋律がその現在を示している。これが深まり発展することもテントの役割である。

■ 12月14日(水)には「従軍慰安婦問題の解決を訴える外務省包囲の人間の鎖包囲」がある。11時30分日比谷公園霞門《12時~13時》外務省包囲。防衛隊は10時結集。 (文責 三上治)