『武器なき斗い』(1960年140分 監督 山本薩夫)
4月14日(土)13時~17時00分
会場:本郷文化フォーラム(HOWS)ホール
電話:03(5804)1656
E-mail:hows@dream.ocn.ne.jp
参加費:1500円(学生1000円)
※会場の定員がありますので事前の申し込み
をお願いします。なお会場はHPでご確認
ください。http://www.hows.jpn.org/
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「諸君!―無産階級の議員として出ている人々は、日々何をしているか。彼らは諸君 をだましているのです。明日は議会に死刑法―治安維持法が上程されます。私は、その反対のために今夜東上します。反対演説をやるつもりだが、質問打切りのために、やれなくなるでしょう。じつに今や階級的立場を守る者は唯一人です。だが私は淋しくない。山宣ひとり孤塁を守る!しかし背後には多数の同志が―」(臨監の警部による「弁士中止」命令により演説は妨害される)
これは山本宣治による〈全国農民組合〉として再出発した大会での元労農党代議士、解散命令後、政獲労農同盟代表としての最期の演説となった一節だ。その翌日、上京した山宣は、普通選挙法と抱き合わせに施行された治安維持法(1925年)の改悪法案を、天皇の名において「緊急勅令」として事後承認される帝国議会で代表演説を準備していた。「質問打切り」の動議によって山宣の反対演説は封殺され、その夜、東京における議員活動の常宿としていた神田の旅館において右翼のテロに倒れる。1929年(昭和4年)3月5日の夜半のことであった。
生物学者山本宣治は、社会主義思想に関心を持ち、進歩的な性教育観により産児制限運動を労働者教育のなかで実践するなか大学において教鞭をとっていたが、治安維持法が初めて適用された京都学連事件の余波をうけて大学を追われる。映画は、こうして山宣が無産者解放運動に身を投じ、普通選挙法施行後、最初の衆議院選挙(1928年)に労働農民党から当選し翌年暗殺されるまでの生涯を描く。当時の悪法「治安維持法」が言論の自由と民主主義を圧殺し、帝国主義侵略戦争を虎視眈々と準備する1920年代の時代の諸相を浮き彫りとする。
森友問題に揺れる支配権力の無責任体制は、戦前・戦後を通じて一貫している。「戦争法」と「共謀罪」を強行し、改憲発議と天皇代替わり、改元を通じて偏狭なナショナリズムを「北朝鮮脅威論」を政治利用し喧伝し、明文改憲と軍事国家化の道を突き進む安倍政権に私たちはいかに対峙すべきか、映画を通してみなさんと考えてみたいと思います。ご参加いただければ幸いです。