300人を超えるたくさんの参加者がいたため会場を大きな講堂に替えていた。まず伊波洋一参議員議員より今の日本の基地問題が語られた。南西諸島「与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島」に基地建設が進められているのは有事に備えたものである。中国が今経済成長が目覚ましく、その勢いの先の米中戦争(アメリカの台湾防衛支援で南西諸島を戦場にする戦争)を意識したもので、要するに南西諸島を中国海軍進出を阻止する盾にする戦略なのである。
宮古島の(てぃだぬふぁ共同代表…てぃだぬふぁとは「太陽の子」という沖縄の方言)楚南有香子さんからは、戦争時宮古島の人口2万人のところに3万人の兵隊がやって来て当然食料が無くなり多くの餓死者がでた。基地があるということは戦争の時、当然島じゅうが戦場と化する。また、水の問題も大きい。地下水だけで少ない水資源を大量に使われ、汚染でもされたら島の人の生活、農業に多大の被害が起こる。その交渉も決着がついていないのに工事が進められている。太田元知事の言葉に「公共の福祉とは平和であることである」と話された。
同じく共同代表で市会議員でもある石嶺香織さんからは、元千代田カントリーの次に決まった元保良鉱山の問題で、弾薬庫と射撃訓練所になるとのことだが、保良部落から200メートルしか離れておらず、反対決議をしたが、12月17日に防衛省から市に決定と伝達があった。アセスメントの要求を基地はやらなくて良いと拒否された。
奄美大島の佐竹京子さんは、どんどん工事が進んでいる。反対運動がとても弱くやりづらい。昨年4月に環境権、平和的生存権、人格権を掲げて訴訟を起こしたが、裁判所は「訴訟に値しない」という判断を下した。クロウサギをはじめ、動物、生物の調査ということで、8000万円の予算がついたが、そのお金がどうなったのか全く分からない。
小西誠さんからは、奄美の状況などどこの新聞も報じていない。改憲と自衛隊配備は連動する。有事という状況を作れば改憲するのは簡単なことである、と、今の政府の流れの危機を話された。
他、福島みずほ参議院委員、赤嶺政賢衆議院議員、三上智恵映画監督からも発言があった。
政府交渉では12名の防衛省のお役人が参列された。「保良地区の設計基準に記された保安距離は遵守するのか?」「旧千代田カントリーについての給水同意はまだ下りていないが、どうするつもりなのか?」「地下水保全についての汚染監視システムは設置するのか?」「自主アセスを行なわないとした理由は?」「住民説明会をの要請に答えるつもりはあるのか」等々質問が出されたが、事前に提出されていたにも拘らず、「わかりません」「我が国の手の内を明かすことになるので答えられません」と。不誠実そのものの答え方に唖然としてしまった。
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