10月14日㈫「映画上映:崔洋一監督・原作/梁石日・脚本/鄭義信『月はどっちに出ている』」

下記のような催しをやります。河合塾という予備校でいくつも行われてきた催しの一環です。しかし、格別河合塾生だけにクローズトなものではないのでお知らせしてみようかなと思い立った次第です。河合塾講師(授業者)の仕事は今年で終わりと通告されたので、今後、こういう催しの企画立案にかかわることもないと思い、最後の機会だけは、友人知己やらまたそのお友達の方々に情報開示してみようかと思い立った次第です。よろしければお越しください。因みに崔さんとは40数年来の(私の書いた脚本(北村透谷)がATGで映画化(故山口清一郎監督)された折、若き日の崔洋一が助監督をしていた一時期を除いて、そんなに緊密ではない)知己です。

●映画上映:「月はどっちに出ている」(崔洋一監督・原作/梁石日・脚本/鄭義信

●講演:崔 洋一(映画監督) / 司会:菅 孝行(河合塾講師)

・10月14日㈫ 17:00~20:30

・河合塾 新宿校 402教 (〒160-0023  新宿区西新宿 7-12-17)

──JR・小田急線・京王線・東京メトロ丸ノ内線・都営新宿線/新宿駅西口より徒歩3分

──都営大江戸線/新宿西口駅 D 4出口より徒歩1分

──西武新宿線/西武新宿駅南口より徒歩3分

・申込不要

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崔洋一という映画監督がいる。テレビ番組でのコメンテーターなどでもお馴染みかもしれない。姓名を見て明らかなように、彼は在日外国人である。略歴に韓国留学とあるから、韓国籍だろう。同時に、日本映画監督協会の理事長でもある。外国人の理事長は日本映画上はじめてだ。これは、崔洋一の仕事に対する日本の映画監督たちのリスペクトなしにはありえないできごとだ。彼は、大島渚監督のチーフ助監督を務めたのち、『十階のモスキート』『友よ、静かに瞑れ』『月はどっちに出ている』『豚の報い』『カムイ外伝』など次々名作・話題作を撮ってきた。

当日、参考試写する『月はどっちに出ている』は、その年の映画賞を山のように取った衝撃的作品だった。原作:梁石日、脚本:鄭義信/崔洋一、監督:崔洋一という、在日韓国人でなければ作れない、在日の本音をぶちまけた、しかし、紛れもない<日本語>映画の大傑作である。この映画は笑える。笑っているうちに、これって日本人は笑っていていいのかね、という思いにも駆られる。都合が悪いことは、そっとして<ないこと>にしてきた、歴史の暗部も浮かび上がってくるからだ。

映画やテレビのことでも、崔洋一の人生の軌跡でも、社会問題でも、知りたいことのある人は是非たくさん集まってほしい。ただし、映画・映像に関心のあることが条件だ。