12月22日:現代史研究会 (1:00~5:00 明治大学リバティタワー)

第270回現代史研究会のご案内

日時:2012年12月22日(土)1:00~5:00

場所:明治大学リバティタワー1001号室(地下1階)

テーマ:「戦後の日本政治史を日米関係を軸に考える」

講師:春名幹男(早稲田大学・名古屋大学客員教授)「日米裏面史と陰謀史観」

加藤哲郎(早稲田大学客員教授・一橋大学名誉教授)「対米従属・自立を原子力から考える」

資料代:500円

参考文献:春名幹男『秘密のファイル-CIAの対日工作』新潮文庫、2003年

春名幹男 『スパイはなんでも知っている』新潮社、2001年(絶版)

加藤哲郎 『原爆と原発から見直す現代史』(『週刊エコノミスト 臨時増刊 戦後世界史』10月8日号)

加藤哲郎 『情報戦と現代史』 花伝社、2007年

現代史研究会顧問:岩田昌征、内田弘、生方卓、岡本磐男、塩川喜信、田中正司

(廣松渉、栗木安延、岩田弘)

*今大変話題になっています、元外務省・国際情報局長を務めた孫崎享氏の『戦後史の正体』(創元社)の問題提起を十分意識して、同様テーマでの戦後史問題を、この分野での本格的な研究者お二人のレクチャーを受けながら一緒に考えたいと意図した企画です。孫崎氏によれば、戦後日本政治への米国の圧力を考慮することなしには、我々を取り巻く重要課題、自衛隊や改憲論議や、TPP、沖縄問題、「北方領土」返還問題、また尖閣列島、竹島の帰属問題、さては原発問題なども解読できないといわれます。内閣の交代劇やメディア操作、大衆操作にまでその影響が及んでいるとも指摘されています。

春名氏はその著『秘密のファイル』の中で、既にかなり孫崎氏と重なる問題を指摘されています。もちろん人物評価の面で相違があるのは当然ですが。

加藤氏は、先に5月26日の現代史研究会で、40枚ものレジュメを基に、「反原爆と反原発の間」という演題の講演を行い、原水禁、ヒバクシャ運動、アジアへの戦争責任、経済成長、沖縄、「原子力の平和利用」論、マルクス主義と近代化などを包括的に問題提起されています。

孫崎氏の議論の中にはまだ、対米「従属」関係が、日本の「経済的な自立」とどういう風につながるのか、グローバルな世界情勢の変化の中での日米関係の新たな展開をどう考えるべきか、など複雑な問題が残されているように思えます。

こういう問題をお二人がどのようにお考えなのかを最近の新しい研究成果(ワシントンの公文書館での新発見)とも照らし合わせながら大いに語って頂こうと思っています。

いずれにせよ、われわれとしてはただ漫然と受動的にお二人の報告を聞くだけではなく、現状を考える上で、また自分たちの生き方を再考していく上での重要な指針をこれらの議論からくみ取ろうという心構えを持って、討論に参加していただければと願っています。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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