「ピースフォーラム湘南」主催の第3回平塚近現代史講座(最終回)で「韓国併合と『坂の上の雲』(2)」を考えます。現在、NHKでは『坂の上の雲』第3部が放映されています。12月4日は『旅順総攻撃』でした。
「ベトンで固められた近代要塞で、正面攻撃を敢行した陸軍の第一次総攻撃は、1万6千人もの死傷者を出し」(NHKのHPから)という、日本陸軍幹部の戦闘指揮の拙劣さ・・・身を守るもののまるでない戦場に追い立てられ、敵前に身を晒し、なすすべもなく撃ち殺され、傷つけられる兵士たちの悲惨さは、よく出ていました。しかし、このまとめは「日本人は初めて近代戦というものの恐ろしさに接した」(同)と・・・原作どおりのナレーションでした。戦争する前に「近代戦というものの恐ろしさ」を研究することが無かった、日本軍幹部の責任は問わなくていいのでしょうか?
また、原作は徹頭徹尾、日露戦争を「祖国防衛戦争」と描きます。一例を挙げれば「日露戦争というのは・・・日本側の立場は、追いつめられた者が、生きる力のぎりぎりのものをふりしぼろうとした防衛戦であったこともまぎれもない。」(第3巻、P182)
一体、戦場はどこだったでしょうか? 大日本帝国は「追いつめられた者」だったのでしょうか? 日露戦争は運命の必然の「防衛戦」だったのでしょうか? 司馬の原作と育鵬社教科書を比較しながら、原史料を基に多面的、多角的に考えていきましょう!
蛇足ながら原作には「(※日本海海戦では)人類がなしえたともおもえないほどの記録的勝利を日本があげた」(第8巻、P282)という記述があります。そして、来春から日本の中学生約44500人に押し付けられる育鵬社歴史教科書には「世界の海戦史上に例を見ない戦果を収めました(日本海海戦)」(P174)という記述があります。司馬遼太郎さんや、伊藤隆さんをはじめとする育鵬社教科書執筆陣は常人には及びがたい博覧強記なので、「人類がなしえた」「世界の海戦史」の全てを検討されて、こういう結論を出されたのでしょうね!?(笑)・・・苦笑です!(ホントの蛇足)。
○日時 12月11日(日)13:30~16:30
○場所 ひらつか市民活動センター A・B会議室
地図http://www.scn-net.ne.jp/~hira-sc/map.htm
○テーマ 「韓国併合と『坂の上の雲』(2)日露戦争の真実」