2.26板垣雄三講演会:「中東は、そして世界は、どこへ行く?―ナイルの市民決起」(第254回現代史研究会)

エジプトでの民衆の運動はムバラク政権倒壊後もまだまだ収まりそうもありません。またこの民衆運動の影響は、一気にアラブ世界全体へと波及していく可能性を秘めています。事態は一部のメディア報道に見られるような簡単な構図で割り切れるものではないでしょう。このアラブの激震をめぐって、欧米諸国は中東における自国の利益を守るための露骨な介入工作を始めていますし、イスラム世界独自の動き、しかも内部にさまざまな対立を孕んだ動揺があります。パレスチナをめぐる問題、対イスラエル戦争などもこの民衆運動の背後の大きな要因になってます。それゆえ、この火の粉がイスラエルに飛び火することも考えられます。このアラブ世界の胎動は、我々日本人にとっても、「対岸の火事」として高みの見物で済ませられることではありません。つまり、世界の政治構図、あるいは経済的問題(単にオイル問題だけではなく)をも大きく左右する事態が起きているといっても過言ではありません。そこで今回、この問題への共通の理解を深めるよすがにと考え、日本でアラブ問題の第一級の研究者として著名な板垣雄三先生をお招きして緊急の研究会を開催することに致しました。ぜひこの機会を利用して我々自身の問題としてのアラブ世界の問題をお考えいただければと願っております。

日時:2月26日(土)1:00~5:00

場所:明治大学駿河台リバティタワー・リバティホール(1階の正面)

テーマ:「中東は、そして世界は、どこへ行く?―ナイルの市民決起の波紋」

講師:板垣雄三(東京大学名誉教授)

開会のごあいさつ:塩川喜信(ちきゅう座運営委員長)

司会:生方卓(明治大学教員)

参考文献:板垣雄三『歴史の現在と地域学―現代中東への視角』岩波書店 1992・2002

同『石の叫びに耳を澄ます』平凡社 1992年

同『イスラーム誤認』岩波書店 2003年

同「「反テロ戦争」論の現在」 木村朗編『9.11事件の省察―偽りの反テロ戦争と作られる戦

争構造』、凱風社 2007年所収

参加費(資料代)500円

主催:現代史研究会、ちきゅう座

連絡先:〒113-0033 東京都文京区本郷2-3-10お茶の水ビル303号室 ちきゅう座事務所
Tel:03-3814-3861 Fax:03-3818-2808(社会評論社:担当者・松田)

現代史研究会顧問:岩田弘、岩田昌征、内田弘、生方卓、岡本磐男、塩川喜信、田中正司、(廣松渉、栗木安延)

*予約不要。ただし満員の場合は入場をご遠慮願うことがあります。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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