会期: 2010年8月16日(月)~22日(日)
午前9時~午後6時(初日=午後2時開場、最終日=午後4時終了)
会場: 神奈川県民ホールギャラリー
2009年1月、イラク戦争と経済破綻に疲れたアメリカに黒人で初めてのオバマ大統領が就任し、8月、日本では総選挙で戦後64年間続いた自民党主導の政治に終止符が打たれ、民主党中心の連立政権が誕生しました。戦争と格差大国のアメリカと、そのアメリカに最も忠実な同盟国日本の政治に大きな変化が始まったことを強く印象付けました。
またイギリスでは、イラク戦争をめぐって戦争に協力したブレア前首相の責任を追及する動きがおこるなど、国際社会はこの戦争の責任追及に厳しい目を注ぎ始めました。そんな中、オバマ大統領はイラク撤兵と引き換えに、泥沼化したアフガン侵攻の打開へと海兵隊増派を打ち出し、一般人を巻き込んだ対テロ作戦を拡大して世界を失望させています。
「政権交代」を果たした民主党中心の連立政権ですが、イラク戦争への批判もないまま今度はアメリカのアフガン作戦への積極的協力を打ち出し、首相、外相らは米軍は抑止力だと言い出しました。民主党は選挙公約で「普天間基地は県外、国外へ移転」と思わせ、政権を取った後、アメリカに脅されると「ゼロベースで移転先さがし」を始めました。公約に沿って堂々と、アメリカに対して基地の返還を要求するべきで、移転先はアメリカが考えることです。
またマスコミも、沖縄の負担を他府県も分け合って協力すべきだと内向き発言ばかりで「米軍基地の返還 ! 」を言わないところが大きな問題です。
今年は日米安保条約締結から50年という歴史的な節目の年です。
ベトナム、イラクとアメリカが行う戦争に基地を提供し、あらゆる便宜をはかり、米軍の犯罪や事故の被害を米軍優先で処理する、世界に例のない不平等で屈辱的な軍事同盟を問い直す年となるでしょう。
2010ノー・ウォー横浜展は、こうした戦争と平和をめぐる新しい情勢の中で開かれます。会場は昨年と同じ、神奈川県民ホールギャラリー全室です。ゆったりした壁と床面、高い天井から作品を吊るせる空間、評論家も出品し、多くのマスコミが報道します。昨年は出品者104人、約250点の力作が熱く“ノー・ウォー!”の声を上げ、1000人を超える人々が訪れました。
ノー・ウォー横浜展は2003年、イラク戦争開始に抗議する美術家たちが「戦争に反対し、憲法を守る」という一点で心を合わせてスタートし、それから毎年開かれてきました。2010年展に当たり運営委員会は、あらためてその意味を確認し合いました。それは、これまで通り
「作品のテーマは作家の自由」とし、“ノー・ウォー”を標榜するからといって、作品のテーマを反戦、厭戦、戦争批判などに狭めることなく、それぞれの表現を持ち寄って内容の豊かな展覧会にしよう、ということです。
2010ノー・ウォー横浜展 実行委員会
ノー・ウォー横浜展のサイトは:
http://www5c.biglobe.ne.jp/~kanazuch/tsudoi_index.htm
です。
会場風景と他の作品が見られます。
若生のり子も出品します。
酷暑の夏ですが、多様なアートの展開が見られます。