2014年1月26日のこと

著者: 上里佑子 : 日露歴史研究センター・沖縄在住
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午前11時に市ヶ谷のアルカディアへ来てくれと東京台湾の会の加藤美智子女史に誘われた。会場は明石元二郎の孫にあたる明石元紹氏の出版記念会だった。本は『今上天皇 つくらざる尊厳』級友が綴る明仁親王 講談社 定価1900円。本の帯に「80歳の傘寿を迎える今上天皇を、幼稚園時代から75年間つぶさに見つづけた明石元紹氏。ヴァイニング夫人、小泉信三、そしてプライベートの天皇を知る級友が、親王、皇太子、天皇にいたる明仁陛下の素顔を書き尽す。終戦間際の皇太子擁立秘密計画。昭和天皇・香淳皇后と暮らした親子水入らずの3日間。学習院の先輩・三島由紀夫への思い。美智子皇后との皇室改革──。天皇とその側近、級友たちとの幾星霜の実録書である。」会費9000円を払い会場へ。母の実家に明石元二郎の扁額があると、加藤さんに報告をしたところ、是非明石さんを紹介したいと、誘われたものだった。名刺を交換すると明石さんはちょっとびっくりした顔をした。私の肩書きが「日露歴史研究センター幹事」となっているので、意外だったようだ。明石元二郎は日露戦争にも関係があったのではないか。

第7代の台湾総督をしていた明石元二郎が離台のときに、私の曾祖父が総督府へ呼ばれそこで、和歌の交換をしたようだ。それがわが家に残っている。何か不思議な縁を感じ着席をした。インド独立の父といわれたチャンドラ・ボースと一緒に飛行機に父親が乗り合わせて死んだと言った荒井雄吉さんが台湾からこのために駆け付けていた。乾杯の音頭は石井公一郎氏だった。石井光次郎氏の長男だと言っていた。ということは、シャンソン歌手の石井好子のお兄様だろうと、想像した。美味しい料理に赤ワインで楽しいひとときであった。薩摩琵琶の生演奏もあって初体験させてもらった。優雅なひとときであった。

午後2時に解散になったので、タクシーでお茶の水の明治大学に向った。リバティータワーで『明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか』大島幹雄著 祥伝社 定価1600円 著者である大島幹雄氏の講演会、少し遅れてしまって、きちんと聴くことはできなかった。その後、加藤哲郎先生がロシアでスターリンによって粛清された人たちのことを報告した。そう言えば、沖縄出身の人たちもアメリカのロングビーチ事件で追放されて、ソ連に入り粛清された。会の後、近所の中華料理屋「謝謝」で懇親会があった。千葉大学名誉教授の岩田先生がなんと映画「徐葆光」を中野のポレポレ座でご覧になったらしく面白かったと徐葆光の詠んだ漢詩の「琉球八景」を元に葛飾北斎が「琉球八景」を描いているのも興味深かったと、話した。昨年、確か毎日新聞の書評を読んで、大島幹雄氏の本を購入して読んだ。それは『満州浪漫─長谷川濬の見た夢』を読んで面白いと時事通信社にいる高田さんへ差し上げたのである。すると、彼は面白いとご自身のブログに取り上げたりした。お礼と言って『松岡二十世とその時代』松岡將著 日本経済評論社発行 定価4800円を送ってくれた。それを大島氏へ電話をかけて伝えた。読者と会うのは初めてですと、喜んでくれた。

明石さんの本を読んでいて感じたのは彼の結婚のときの媒酌人が團伊玖磨のご両親だということが分かり、それを伝えるために團伊玖磨の妹さんである西尾珪子女史に電話をかけたところ、明石さんは学習院で1期後輩でよく知っているわよの返事。そしてこれからハワイへ出かけるとのこと、カッケンブッシュ先生によろしくお伝えくださいと言って、電話を切った。偶然の出会いに感謝である。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
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