2024年の新年のご挨拶   (ちきゅう座運営委員長)

著者: 合澤 清 あいざわきよし : ちきゅう座運営委員長
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皆さま、明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました、本年も引き続きよろしくお願いいたします。

さて、改めて昨年を振り返ってみますと、日本はもとより、世界中で政治の腐敗・堕落・専横が大きく取り上げられ、様々な論議を呼び起こしました。またウクライナ・ロシア間の戦争の長期化、ガザをめぐるイスラエルとハマスの間での限りない殺戮と破壊、ミャンマーでの武力衝突等々、いまだに解決の見込みが見えないままに続いています。

その原因として一般に論議され非難されているのは、指導者の横暴、無策、自己保身(利益誘導)、非妥協的強引さやその好戦的性格、独裁化への傾斜、などです。

国内に限っても、自民党・公明党連立政権による米国追従と大企業利益優先の政策偏重が顕著です。例えば、沖縄辺野古基地移設問題一つとっても、住民の声は全く無視されたままです。マイナンバーカードも同じく、圧倒的な国民の反対の声は不問に付されたまま、経済同友会の新浪剛史の「納期を守れ」という恫喝に従順に従おうとしています。更に、「軍需産業大国化」を目指しているとしか思えないほど企業の軍需産業化傾向は歯止めが利かず、再軍備のための国家予算の大幅増加、「産・軍・学」協同路線の既成事実化が図られています。大手企業利益の内部留保は巨大化する一方ですが、他方、衣・食・住や教育の平等な機会すらままならない貧困家庭が増え続けています。「格差社会」の拡大です。

先述した政治の腐敗(裏金作りなどもその一部)はそういう状況下で起きています。これを安倍晋三その他の悪辣さだけに還元して済ましてしまうことは、「指導者の愚かさ」を指弾してなんとなく納得するのと同様に、事の本質を見誤ることになりかねません。

歴史家E.H.カーの卓抜な言葉を借りるなら「むしろ根底に潜み深い意味をもつ原因の分析に努力を向けることが実際には重要である。…ドイツの国家社会主義の支配者たちを打倒しても、国家社会主義の出現を可能ならしめた諸条件には触れないままの処理・解決では、1919年のそれと同じ、短命で悲劇的な結果をもたらす恐れは十分にある。」(『危機の二十年』)と思うからです。

なるほど、われわれのようなミニコミでは「独自の取材ルート、一次情報源というもの」

を持つことは不可能です。しかし、現場の直接取材が全て事柄の真相を報道していると考えることにも無理があるように思います。そこに求められるのは「批判精神」です。だからこそ「ちきゅう座を共同空間の場として相互間の議論」を喚起する必要を感じているわけです。

今年は画面ももっと見やすく一新するつもりですし、検索が容易にできるようにインデックスの整備もしたいと考えています。

より皆様方にご活用していただけるようにできる限りの改造をやりたいと思っています。ぜひご意見やご批判などを編集部あてにお寄せください。

とにかくこの混迷する世界を皆様方とともに少しでも打開する方向で努力していく所存でいます。最後になりますが、皆様方のご健康と一層のご活躍を心から願っております。

2024年1月元旦