2026年の新年のご挨拶

皆さま、明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました、本年も引き続きよろしくお願いいたします。

昨年末から、ある種の危機感を抱きながら考えていたことがあります。それは、高市早苗首相が、あるイベントで英語で発言した次の言葉です。

「いいから黙って全部私に投資しなさい」。これは何を意味しているのだろうか、ということです。まさか台湾有事に関する国会発言や高市氏自身が連れてきたと言われるある政府高官の発言「日本も核を持つべきだ」という「暴言」と密接に関連した意味ではないんでしょうね。

高市氏は前々から「右寄りの政治家」といわれ続けてきましたが、彼女が組閣した時には幾つかのメディアが「彼女は単なる右寄りなだけではなく、はっきりと極右政治家だ」と警告していました。

そして実際に高市政権が打ち出す政策は、そのことを裏書きするものばかりです。その最たるものは、小泉防衛相が満足げに「我々の要求が満額採用された」と語った防衛費予算約9兆円です。その半面で医療費等の社会福祉予算がいかに切り詰められているか、また先日山形の百姓、菅野芳秀氏の論考「負けるわけにはいかないのだ!」でも指摘されていたように、米作農家への政府農政の冷遇(「このままでは日本から田んぼが消滅してしまうかもしれない」)があることを見過ごすことはできません。

防衛予算の使い道も、国防の必要性も、日本の為政者の目は絶えずアメリカを意識したものばかりです。トランプが「アメリカファースト」と叫べば、日本でもそれに追随して「日本ファースト」「東京ファースト」とオウム返しをする。そして米軍の中古の武器を言い値で有難がって大量購入し、自ら進んで米国の前線基地=橋頭堡になろうとする。

もちろん、三菱や日立などの大企業が「軍需工業化」を図り、アメリカとの共同利益を狙っていることは無視できない事実だと思います。

問題は、こういう風な高市政権が推し進める軍事路線優先の政策に対して、残念なことに野党勢力はほとんど抵抗らしい抵抗すらできないままでいることにあります。それどころか、維新も参政党も、更には国民党もこぞって相乗りする始末です。これは末期的な政情ではないかと思えます。

我々にできることは、迂遠かもしれませんが、自分たちの持てる細やかな言論を発信し続けること、そして可能な限り多くの人々に訴えること、抵抗運動の輪を拡大すること以外にはないだろうと考えています。

このことは世界に向けても同じことが言えるだろうと思います。パレスチナ、ガザ地域では相変わらずイスラエル軍による(そしてバックには米軍の支援が)大量の殺害が行われています。もちろん、ウクライナにおいても同様です。更には、新たにベネズエラやコロンビアにまでトランプ政権の魔手が延びていることが報じられています。

「アメリカファースト」とは、アメリカ人の利益優先、そのためには他の国民や民族がどんなに悲劇的な状況に追い込まれようと、関知するものではない、ということの謂ではないかと空恐ろしい思いがします。

「一人の自由は万人の自由に。万人の自由は一人の自由に」通ずるという人間性の根本にある関係性は、今日の社会の中で完全に消失してしまったのでしょうか。

仏教用語に「苦輪」という言葉があります。この世は苦しみに充ちているという教えといわれます。しかしここであきらめたり達観するわけにはいきません。

我々としては、自分たちの生命と実生活をかけてこの現状を打開するために最善の努力をしなければならないと思っています。むしろこの「苦輪」の現状を見据えて、かえって自覚し自立するための重要な契機となしながら、今年一年をまた新たな気持ちで頑張りたいと考えています。

最後になりますが、皆様方のご健康と一層のご奮闘を心から願っております。

                        2026年1月元旦