3月6日ルネ研 『〈アイヌモシリ/ヤポネシア〉─本源的蓄積の二重構造と表現』

2014年定例研究会のご案内>

 ~21世紀を読み解く─例外状態・生政治・近代化~

 ●3月研究会 『〈アイヌモシリ/ヤポネシア〉─本源的蓄積の二重構造と表現』

報告者 :友常勉(東京外国語大学教員)&師玉真理(神奈川工科大学教員)

◇日時 36日(木)1830~ (開場1800

◇会場   : 専修大学神田キャンパス1号館8階 8B会議室 

◇資料費  : 500

 

 

 友常勉「〈本源的蓄積〉の二重意識――場所請負制とクナシリ・メナシの戦い・再考」     

 ポール・ギルロイ(『ブラック・アトランティック』)の「近代の二重意識」をもじっていえば、マルクス「本源的蓄積」にも「二重意識」がある。マルクスのジョン・ロック評価はそれをよく示していた(『資本論草稿』)。本源的蓄積という収奪過程は、身体の労働/所有あるいは大地/自然の支配の二重性を常に刻印する。本報告ではこの二重性の観点から18世紀アイヌ民族のクナシリ・メナシの戦いを再考する。それは知里幸恵・知里真志保の日本語との闘いにおいても継続する抗争である(友常)。

 

師玉真理「表現形態としての〈本源的蓄積〉論――島尾敏雄〈ヤポネシア〉論・再考」      

 島尾敏雄は、「琉球弧」を経巡るなかで「琉球以前の古琉球」を歴史の古層としてみいだし、日本全体を群島とみなして「本土」の歴史を相対化する〈ヤポネシア〉という発想にいたった。この視線は、一見「古層」という概念を媒介にして特殊(「南島」)から普遍化された視線を獲得する作業にみえるが、見落としてならないのは、その発想の拠点が、奄美といういずこにも帰属しえない場所(〈異和〉)の反転として存することである。そしてそれは概念的主題に還元されうるところのものではなく、〈異和〉=「反日本」を映現せしめる〈表現〉において「感受」されうるものとしてある。本報告では、島尾敏雄における〈ヤポネシア〉なる直観の位相を、表現形態から視た〈本源的蓄積〉論(マルクス)を参照点として、表現論的視点から捉え返してみたい(師玉)。

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4月、5月は下記の予定です。

43日(木) 報告者:中村勝己 1830開始 (開場1800)会場未定

51日(木)(予定) 報告者:太田昌国 1830開始 (開場1800)会場未定

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*連絡先 : 松田健二(090-4592-2845

*これまでの研究会は下記ライブをご覧ください。

http://www.ustream.tv/recorded/30863163