4月29日に明治大学のアカデミー・コモンの大ホール(1000人収容)で、「終焉に向かう原子力」の会と現代史研究会と「浜岡アクション」共催による小出裕章さん、広瀬隆さん、伊藤実さん、内藤新吾さん、生方卓さんの講演会が行われた。
大変熱の入った内容の講演会で、今日の福島原発事故の深刻さ、原発があること自体の危険さ、特に浜岡原発が砂岩・泥岩の上に建てられていて、いつまた福島原発の二の舞になるかわからない危うさをもっていること、また放射能の危険さは、それがどんなに微量でもありうるということ、など多々教えられることが多かった。
しかし、もう一つ驚いたのは、会場に押し掛けた聴衆の多さである。1000人収容予定を1200人に増やし(補助席を目いっぱい入れたためと、立ち見客がいたため)、それでも入りきれない人たちが外に約1000人いたそうであるから驚きだ。その中には社民党党首の福島瑞穂さんもいたそうだ(彼女も入れなかったそうである)。結局、小出裕章さんが外に出て、集まられた方々にご挨拶し、原発事故を止められなかったことをわびて、散会してもらったと聞いた。
小出さんのお人柄をよくあらわしていると思った。しかし、このことから僕が感じたのは、やっと民衆がこの問題で立ち上がりかけたのではないかということだ。従来日本人はあまりにお上や大企業に対し従順であるといわれ続けてきた。しかし、放射能汚染はそういう従順な人に対しても容赦なく迫りくる脅威である。これは架空のお話ではなく、現実の恐怖に他ならない。そのためには自分たちで考え、行動しなければならないのである。人任せにはできない。放射能に汚染されて死ぬか、それとも原発廃棄を実現させるか、二つに一つしかない。
こういう集会を積み重ねていくことの必要性を痛感している。