10年前、衝撃の巨大地震・津波に続いて発生した福島原発メルトダウン。
事故以降、溶融燃料(デブリ)を冷却してきた120万トンもの汚染水を海洋放出することが計画されている一方で、デブリの取り出しは極めて困難となり「廃炉」そのものの姿が全く描けない状況になっています。
原発事故がどのようにして起こったのか、国会事故調、政府事故調等の各報告書が出されましたが、事故の全体像を把握するには不十分なものでした。
遅まきながら、原子力規制委員会が事故炉を調査した結果、例えば、炉心溶融した格納容器の上部にあるシールドプラグ(しゃへいコンクリート)が、燃料デブリに近い高線量に汚染されていることが明らかになりました。特に2号機、3号機では3000~7000兆ベクレルの10倍と推定されています。
事故炉の排気塔や配管にも異常な汚染が見つかっています。
事故から10年経ってもなお、福島原発事故がどのようにして起こったのか、事故シナリオの見直しも必要になってきている中で、再稼働の話ばかりが進んでいることは異常です。
東芝で原子炉の設計に従事しておられた後藤政志さん(原子力市民委員会委員、もっかい事故調メンバー)に、福島原発事故の現状と全体像をお話しいただきます。
専門用語や複雑な原子炉の構造についても、分かりやすくお話しいただきます。
日ごろの疑問を聞いてみるには絶好の機会です。