4/23現代史研究会のご案内

熊本、大分でまだ続いている大地震は、確実に九州一帯が(あるいは、日本全土が)「大地動乱の時代」に入ったことを示しているのではないかと思われます。それにもかかわらず、政府も九州電力も、また原子力安全委員会も、鹿児島県の川内原発の再稼働を容認したままです。私念ですが、川内原発での作業に従事している職員は直ちに自主的に稼働を止め、仕事をボイコットすべきではないかと思います。このような職場反乱は、自分たちの命を守るための当然の権利だろうと思うからです。このような大災害が起きているにもかかわらず、多くの活断層が不気味に密集する場所に建設されている伊方原発は、再稼働の準備に入っています。政府や電力会社はもとより、裁判所も地震学者の警告に一切耳を貸そうとはしていません。実際にこの国の将来は暗澹たるものです。

いみじくも、北一輝が指弾した、当時の腐敗した政財界や「軍部高級将校」(今日の政・財・官・学のボスたち)が跳梁跋扈した時代、それを暗黙に認めるようなダレ切った社会状況に極めて近い、「危うい時代」が出現しているように思われます。先日「ちきゅう座」に掲載された澤藤統一郎弁護士の記事(大地震の熊本地方で飛び交う「朝鮮人差別」のヘイトスピーチ)などは、「関東大震災」時の朝鮮人虐殺を彷彿させるものです。再びファシズムの時代に逆行させないようにするにはどうすべきなのか。北一輝の思想、およびその時代をベースにして、考えて行きたいと思います。

今回の古賀暹さんの報告は、主に孫文の中国革命(辛亥革命)と北一輝の関係に焦点を合わせ、中国を専門に研究されている丸川哲史さんをコメンテーターとして、当時の時代状況をその側面からあぶり出そうとするものです。上述した今日のわれわれが置かれている事情をも勘案しながら、大いに議論を闘わせていければと願っております。(文責:合澤)

 

294回現代史研究会

日時:4月23日(土)1:00~5:00

場所:専修大学・神田校舎5号館4階541教室(新しい校舎)

JR「飯田橋」駅より徒歩10分、または地下鉄・東西線「九段下」駅より徒歩5分

テーマ:「北一輝と孫文の中国革命」(仮題)

講師:古賀 暹(元『情況』編集長)

コメンテーター:丸川哲史(明治大学教授)

資料代など:500円

参考文献:『北一輝 革命思想として読む』(御茶の水書房)

 

現代史研究会顧問:岩田昌征、内田弘、生方卓、岡本磐男、塩川喜信、田中正司、(廣松渉、栗木安延、岩田弘)

主催:現代史研究会

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔study729:160417〕