5/18(土) 現代批評講座:第二回―著者が語る新刊の集い:伊藤 誠 著『日本経済はなぜ衰退したのか 再生への道を探る』平凡社新書

新講座開講のご案内

現代批評講座―著者が語る新刊の集い

二〇一一年三月一一日の東北大震災と原発の惨事は、私たちに多くの課題を突きつけました。それらの問題は三・一一以前にも少なからず論じられてきた一方で、三・一一は私たちの国が、私たちの社会が、そして私たちの生が現在どのような歴史的状況のなかに置かれているのかをあらためてまざまざと見せつけました。この点では、明治維新以降の近現代史、日本の近代化の過程を総体的に捉えなおすことが喫緊の要請となります。「近代」そのもののあり方を問うことが迫られているのです。

新しく立ち上げました「現代批評講座―著者が語る新刊の集い」は、そうした混沌とする時代状況をさまざまな側面から切開して、少しでも豊かな地平を築くことのできる糸口を探求するために開かれた試行の場であります。新刊について著者から直接に語っていただくことによって、そして著者とともに考えていくことを通じて、私たちはみずからの環境を作りあげていくことに参画していきたいと考えます。

二〇一三年二月一〇日

講座設立 世話人 (四月二十五日現在)

伊藤述史(大学非常勤講師)内野光子(歌人)上之園幸子(社会思想家)及川淳子(大学非常勤講師)

岡本有佳 (風工房)川元祥一(作家・評論家)高良留美子(詩人)小林孝吉(文芸評論家)児島博紀(東京大学院博)

佐藤俊男(デザイナー)清家竜介(早稲田大学教員)高橋一行(明治大学教員)澤村美枝子(フリー編集者)

橋本盛作(御茶の水書房)羽田三郎(印刷会社役員) 原田克子(詩人)西角純志(大学非常勤講師)

仁科伸子(東京福祉大学専任講師)米村健司(早稲田大学教員)若生のり子(美術家)

第二回 五月十八日(土)午後二時〜四時 (場所:明治大学研究棟四階第一会議室)

伊藤 誠 著『日本経済はなぜ衰退したのか 再生への道を探る』

平凡社新書

(二〇一三年、平凡社)

アベノミクスでは、

雇用と生活の不安は解消できない

円安誘導や日銀による量的金融緩和も、公共事業中心の財政出動も、この「失われた20年」で何度も繰り返されてきた。だが、内需の不振からもデフレからも脱却できず、国家債務の危機を深めただけだった。本当に必要な経済政策とは何か!?

二〇〇八年のサブプライム金融危機は、新自由主義を推進してきたアメリカ経済の内部から生じた自己崩壊だった。この危機はユーロ圏へと連鎖反応を引き起こし、ソブリン危機による新たな世界経済危機へと連なっていく。本書では、日本の経済成長に大きな打撃を与えてきた近年の世界恐慌に分析と考察を加え、日本経済は、今後どうあるべきか、直すべき課題を明らかにしていく。

目次より

第一章 たらい回しされる世界恐慌

第二章 世界経済危機の構造と動態

第三章 深まる日本経済の衰退

第四章 新自由主義政策の意義と限界

第五章 どうすれば打開できるのか

■著者紹介

伊藤 誠 (いとうまこと)

一九三六年東京都生まれ。

東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。

経済学博士。東京大学名誉教授。日本学士院会員。

専門領域は理論経済学、現代資本主義論、社会主義論。

おもな著書に『資本主義経済の理論』『日本経済を考え直す』(ともに岩波書店)、『市場経済と社会主義』(平凡社)、『日本資本主義の岐路』(青木書店)、『「資本論」を読む』(講談社学術文庫)、『伊藤誠著作集』全六巻(社会評論社)などがある。

第一回  三月一九日 高橋一行著『知的所有論』(二〇一三年、御茶の水書房)

▼本講座は世話人会が設立趣旨に沿った新刊を選定し、著者自らが新刊を紹介・説明し読者と討論する場であります。

▼今後の開催予定は、七月、九月、十一月です。

▼場所 明治大学研究棟四階第一会議室 千代田区神田駿河台一―一 明治大学リバティータワーの裏

▼参加費 五〇〇円

▼主催者連絡先 伊藤述史(090―9388―3831)   清家竜介  ryu.seike@gmail.com