2016年8月27日
昨日、NHKから届いた、リオ・オリンピック報道に関する私の意見・質問に対する返信(1つ前の記事に全文掲載)について、今日、以下のような再度の意見を送った。制限字数400字。(注1)、(注2)はここでの追記。
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昨日、お送りした意見・質問への返信の中に、オリンピック開催の効果の一つとして「国民の自信と誇りを高める」というくだりがありました。国ごとのメダル獲得数を示すのもそのためですか? しかし、オリンピックは参加国の国民にどのような「自信と誇り」を高めるのですか?
「幸吉はもう走れません。お許しください」という遺書を残して円谷幸吉選手は自殺しました。ロス五輪マラソンで途中棄権して帰国した増田明美さんは空港で「非国民」という罵声を浴び、ショックのあまり寮の自室にこもって死ぬことばかり考えたと述懐しています(注1)。女子シンクロで銅メダルをもたらしたとして賞賛された井村雅代ヘッドコーチは「無茶苦茶強引に指導して選手を追い込んだ」と誇らしげに語りました(注2)。
オリンピックは、選手の人権を顧みず、選手を追い詰めて、国民に自信と誇りをもたらすため、「お国のため」にあるのではありません。メディアがそんな国威を煽るのは愚の骨頂です。
(注1)『読売新聞』2016年8月15日
(注2)『朝日新聞』2016年8月21日
初出:醍醐聡のブログから許可を得て転載
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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