7月4日─ルネ研・研究会「明治維新と非西洋世界」

2013年定例研究会のご案内

21世紀を読み解く──例外状態・生政治・近代化──

第4回定例研究会「明治維新と非西洋世界

この講座では、非西洋世界の近代化・資本主義化とそのリアクションの再検討を主題とする。初発の問題意識は服部之総・野呂栄太郎らを先駆とする明治維新・日本資本主義研究である。そこでは近代国民国家の形成史および植民地主義史のとらえ直しが中心になる。近代国家形成と植民地主義の検討は、同時にそれにかかわる国家・地域社会の〈革命〉の条件を考える事でもある。最初の手がかりとしてとりあげるのは趙景達『近代朝鮮と日本』(岩波新書)。前近代朝鮮・前近代日本をも考察の対象に入れ、(反西洋の思想運動としての)儒教的普遍主義と近代的政治文化の相克が検討されることになるだろう。なおこの主題は連続企画として継続したいと考えている。引き続き、明治維新という経験を軸に、汎アジア主義、汎イスラム主義との比較検討にも取り組んでいきたい。

●報告&ゲスト :友常勉(東京外国語大学) 趙景達(千葉大学)

●日時  : 7月4日(木)18:30~21:00(開場18:00)

●会場  : 専修大学神田校舎・一号館8F・8B会議室

*住所・千代田神保町3-8 TEL・03-3265-5963

*大学マップは、下記をごらんください。

●資料代 : 500円

●交通  :水道橋駅(JR)西口・7分

神保町駅(三田線・都営新宿線・半蔵門線)出口A5・3分

九段下駅(東西線・都営新宿線・半蔵門線)出口5・3分

●連絡先:松田 090-4592-2845

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第1回・山家歩さん、第2回・伊吹浩一さん、第3回・菅孝行さん&島薗進さんのライブは下記をごらんください。

http://www.ustream.tv/recorded/30863163

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第5回~第6回の予定は下記です。

■  60―70年代イタリアのオペライズモ(と戦後日本の左翼運動)

・9月5日(木)18:30~(場所未定)

報告者:中村勝己(中央大学法学部兼任講師)

昨年末、ハート=ネグリの『コモンウエルス』の邦訳がついに刊行された(NHK出版)。そこには世界システムとしての〈帝国〉、生政治(生権力)、例外状態、構成する権力(憲法制定権力)、マルチチュード革命など、現代思想の論点が多数盛り込まれている。ネグリがこうした世界規模で参照される思想家に変貌した背景には、フランス現代思想(とりわけフーコーおよびドゥルーズ=ガタリ)との知的・政治的対話を推し進めたことと並んで、スターリン批判以降イタリアで登場した思想潮流オペライズモを自らのバックボーンにしていたことが挙げられる。これまであまり日本に紹介されてこなかったオペライズモの思想と運動の歴史について報告する。

■  植民地主義は、なぜ、生き永らえてきたか

・10日(木)18:30~(場所未定)

・報告者:太田昌国(現代企画室/民族問題研究)

三陸沖大震災→福島原発事故→安倍政権の復活――この社会で、わずか2年の間に起こったいくつかの出来事を並べてみると、避けがたくこみ上げてくる思いがある。この国では、「実際にあったこと」を「なかったこと」にして、やり過ごしていく態度が、一木一草にまで浸み込んでいるのか、という懐疑である。それがどこに表われているかについては、諸論あり得よう。ここでは、アジアで唯一、植民地主義を実践した国としての日本が孕む問題を考える。安部晋三の再登場や草の根における排外主義の公然たる台頭は、この社会の深部で生き永らえてきた植民地主義――という問題を浮かび上がらせているからである。