長州テロリストらにつぶされた日本の立憲主義の夢
●講師 : 関良基氏(拓殖大学教授)
●日時 : 2018年8月18日(土)
13:30開場、14:00開演 16:40終了
●場所 ; 雑司ヶ谷地域文化創造館 第2会議室
http://www.toshima-mirai.jp/center/e_zoshigaya/
●交通 :JR山手線徒歩10分 地下鉄副都心線「雑司ヶ谷駅」2番出口直結
●資料代 : 500円、
◇150年ぶりの大チャンス
私はかなり長い期間にわたり、現在の日本社会の問題は、敗戦後の改革が徹底しなかったことに原因があると考えていました。
だから、日本をよりよい方向に改革するには、1945年までさかのぼらなければならない、と。
ところが昨年(2017年)3月、共謀罪に反対する集会の開場で、ある人に出会ったときにハッとしたのです。
「もう一回1945年に立ち返って日本を抜本的に改革しないとダメですよね。72年ぶりの真の政権交代が必要です!」
と私がいうと、こんな言葉が返ってきました。
「いや、150年ぶりですよ。政権交代どころか150年ぶりに市民革命の大チャンスがやってきた。世界情勢をみても日本国内を見ても・・。アメリカの支配層も割れている」
この「150」という数字を聞いた瞬間、私の頭の中でパチっとスイッチが切り替わったような感覚に襲われたのです。150年前といえば、明治維新です。
以来、それまで見えなかったものが見え、聞えなかった声が聞こえ、新しい視点や人物などが私の視野に入ってきました。
◇歴史から消された巨人・赤松小三郎とは?
その中で出会ったのが、歴史的名著『赤松小三郎ともう一つの明治維新~テロに葬られた立憲主義の夢』(関良基著、作品社)に他なりません。
一読した私は声も上げられないほどの衝撃を覚え、なんとしても著者の関良基さんに講演をお願いしよう、と今回の第107回草の実アカデミーが実現したしだいです。
明治維新150年を目前にして数年前から、明治維新を批判的に見る本が相次いで出版され、明治維新イコール善という神話に批判的な声が増しているのは事実でしょう。
しかし、この本が突出しているのは、全国民(国中之人民)を対象とした普通選挙で選ばれた議員が構成する議会を国権の最高機関と位置付ける構想を著した人物に光を当てたこと。
その人物とは、信州上田藩の藩士・赤松小三郎であり、彼の思想と生涯を丁寧に追い、現代の日本と照らし合わせたのが、この本です。
明文化はされていないものの、女子の参政権も認めていると考えられます。江戸時代ですから世界最先端の思想と言ってまちがいありません。
赤松の構想では、国軍(陸軍2万8000人、海軍3000人)を創設する。最初は武士がその任にあたるが、有能な者を育てたうえ志願制度に切り替え、軍人に占める士族出身者の比率を減らしていくとしています。
国軍とは別に民兵制度も提唱しています。一般国民はふだんは各自の仕事を行い、居住地域で教官により定期的に軍事訓練を受ける。訓練は男女平等に課せられます。
著者の関さんは「小三郎が女性参政権を認める立場だったと推定する根拠はここにある」と述べています。
◇”維新の志士たち”がテロでつぶした立憲主義の夢
赤松小三郎の先進的な構想を認める人たちがたくさんいました。道理をわきまえた改革者たちの間では、立憲主義は常識になっていたのです。明治維新前の慶応年間にですよ!
こうした動きをテロで葬ったのが、まさに長州テロリストたち。彼らによる「長州レジーム」が2018年の現在も続いていることが日本の最大の危機ではないでしょうか。
続いているばかりか、今まさに長州レジームを暴力的に強化しようとしているのが安倍晋三政権であると私は断じています。
最後にひとこと、8月18日の講演にむけて述べさせてください。
◇近代日本の原点は明治維新にあるのではない
江戸末期に提起された立憲主義、議会制民主主義にある。
実現の一歩手前まできた重要な時に、長州を中心としたテロリストらに立憲主義はつぶされてしまった。
明治維新によって樹立された専制国家が暴走し、1945年の破綻を招いた。
敗戦によって彼らは放逐されると思いきやアメリカ占領軍によって温存され今現在も生きながらえている。
それどころか、長州テロリストの末裔たちが安保関連法制、秘密保護法、共謀罪、刑訴法改悪・・・最終的には憲法改正で大日本帝国を復活させようともがいている。
いま、道理のある人間、心ある人間がやるべきことは、長州レジームを終わらせることである。
かなり危険なところに日本は追いやられているが、一発逆転するチャンスが来ている。
なぜなら、多くの人々が「おかしい」と気づき始めているから。
主催:草の実アカデミー
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