植松です。ここ数年、アジアの人々と共有可能な「ノーモア・ヒロシマ/ナガサキ」は可能なのか、というテーマで学習会を重ねてきました。そして8月10日に田中利幸さんをお招きして、下記の講演会を行います。日本の平和主義の「これから」を考える上で、2人の被爆者(栗原貞子と沼田鈴子)の思想と実践は重要なモチーフになると思います。ぜひご参加ください。
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公開学習会◉ヒロシマ・ナガサキとアジア
講演;田中利幸さん(歴史家、「8・6ヒロシマ平和への集い」代表)
演題;国家主義を突き破る人道主義〜被爆者・栗原貞子の思想と沼田鈴子の実践から学ぶべきもの
8月10日(金)18時30分〜20時30分
@武蔵野公会堂・第1会議室 ※先着50名
資料代700円 問合せ;090-2647-3722植松 uematsuseiji@gmail.com
◎趣旨
ヒロシマの被爆者でありながら、日本国家が犯した侵略戦争の加害と向きあった、詩人・栗原貞子さん。同じく被爆者でありながら(広島の陸軍第5師団が虐殺を行った)マレーを訪れ、被害者に謝罪した沼田鈴子さん。2人の思想と実践から、私たちは学ぶべきことが多くあると考え、オーストラリア在住の歴史家・田中利幸さんにお話を伺います。
◎講演者・田中利幸さんからのメッセージ
残念ながら日本の被爆者による市民運動は、一般的には、もっぱら自己の被害に焦点を当てる「反核・平和」運動に片寄っており、日本国家が犯した侵略戦争の膨大な数にのぼるアジア・太平洋地域の被害者の「痛み」を自分たちの「痛み」と共に内面化するような運動ではありませんでした。そうした被爆者の中にあって、詩人・栗原貞子と証言活動家・沼田鈴子は異色の存在でした。栗原の作品と沼田の実践活動には狭隘な国家主義を突き破る力強い平和構築のメッセージ、戦争の被害と加害の両方に鋭く目を注ぐ深い人道主義が横たわっていました。
極右国家主義を推し進める安倍政権という政府を持つ日本の現状に直面する私たちは、今もう一度、栗原と沼田という二人の女性が残した思想と実践から、強靭な、真に普遍的な人道主義をいかにすれば自分たちのものとできるかについて学ぶべきときではないでしょうか。
◎主催;「ヒロシマ・ナガサキとアジア」研究グループ(仮称)
2018年1月より沼田鈴子さんの人生と行動を学ぶ、という趣旨で学習会開始。5月、田中利幸さんと意見交換会を行い、再度お話を伺いたいと考え、今回の学習会を企画しました。20〜30代が中心のグループです。