こんな本はないかと探すとき、図書館のホームページで蔵書を調べる前に、アマゾンをみることにしている。理由は簡単で、図書館では登録された署名と完全に一致していなと、そんな本はありませんとすげない答えが返ってきて、そこから先には進めない。そこにいくと、アマゾンはもうちょっと気が利いていて、もしかしてこれじゃないですかと似たような書名の本をリストアップしてくれる。リストからこれはと思う本をクリックして、本の紹介から読者のコメントまでみて図書館にいく。借りだしてきて、がっかりすることもあるが、そこは借り物、一円たりとも使ってはいない。じゃあ次の候補はとアマゾンで探して図書館でを繰りかえせば、巷で簡単に手に入る情報や知識の大まかはつかめる。本探しに関してはアマゾンに感謝している。これは買っておかなきゃとなっても、アマゾンで注文すればすぐ送って来るから、もう街の本屋に行くこともなくなってしまった。
六年ほど前に、スマホじゃ文字が小さすぎるからとタブレットを買った。画面保護シールはあったが、どの量販店に行ってもケースはみつからなかった。どうしたものかとアマゾンをみたら何種類も出品されていた。どれもお手頃な価格で大した違いがあるとも思えないが、製品紹介の能書きから比べていって驚いた。辻褄の合わない説明が氾濫していた。本革レザー製といいながら、素材はポリウレタン。磁石でカバーがピッタリしまりますはいいけれど、次の行には磁石は使ってないなから位置情報の障害はありませんと書いてある。ユーザのコメントもどれもやらせにしか見えなかった。なんのことやらと遊び半分で、出展者にメールを送って能書き上のズレについて聞いた。すぐ返信メールが返ってきたが疑問に対する答えは書いてない。内容のないゴタクで文章がなんともぎこちない。とても日本人の文章とは思えなかった。金儲けのために一所懸命書いているんだろう。たどたどしい文章がなんとも痛ましい。疑問を晴らすために問い詰めるのも気が引ける。簡単なお礼を送って終わりにした。
ご存知のように、アマゾンのホームぺージに掲載されているもの全てをアマゾンが販売しているわけではない。一見全てがアマゾンそのものがに見えるがAmazonマーケットプレイスの商品が混在している。一定の審査(その道の人たちはあってないようなものらしが)を通れば、誰でもAmazonマーケットプレイスに出品して、あたかもアマゾンが販売しているかのような体裁をつけられる。インターネットの普及に伴って商品の流通経路も多様化して、商品を提供する人たちのなかには実体のない会社や組織だったり、一人稼業のブローカというか詐欺師のよう人たちもいる。数あるネットショッピングのなかには、消費者保護のためと自己防衛もあってだろうが、自社が運営している通販サイトとパートナの商品を販売するマーケットを明確に分けているところもある。
扱っている商品の多様性でアマゾンは群を抜いている。街で買うにはちょっとと思うものでも、使用者(?)のコメント付きで堂々と売られている。アダルトグッズや媚薬はいうに及ばず、犯罪に使われかれないものまで平気で売っている。驚くことにGoogleで「首吊り用の縄」と入力して検索したら、トップページの冒頭に「こころの健康相談統一ダイヤル」と「電話相談|自殺対策 – 厚生労働省」の二つに続いてアマゾンがでてきた。まさかそこまでと信じがたいと思う人もいるだろう。ためしにGoogleで検索して確認してみたらいい。下記の表示が出てくるはずだ。
https://www.amazon.co.jp/%E9%A6%96%E5%90%8A%E3%82%8A%E7%94%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97/s?k=%E9%A6%96%E5%90%8A%E3%82%8A%E7%94%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97
「価格やその他の詳細は、商品のサイズや色によって異なる場合があります。」
サイズや色によって異なる……確かに人生の最後にお世話になるもの。金箔なんてのはないにしても、サイズや色を気にする人もいるかもしれない。
Amazon.co.jphttps://www.amazon.co.jp ? 首吊り用ロープに入れば、工務店やホームセンターにおいてあるロープがでてくる。どれも普通にみるロープで首つり専用というわけじゃないが、ご丁寧にアマゾンのページのトップ中央のオレンジ色の窓には「首吊り用ロープ」と表示されている。首吊り自殺を考える人が、どんなロープがとネットで見たら、アマゾンがトップにでてくるというだけのことにすぎないとこいうことじゃすまないんじゃないかと思っているが、どうなんだろう。
まさかと思いながらGoogleで検索していって驚いた。イモビカッターやピッキングツール、はては銃刀法違反になるテーザーガンまでネットで買える。驚くことにアマゾンだけじゃない。随分便利になったもんだと驚いているわけにもいかない。
2023/2/5
Private homepage “My commonsense” (http://mycommonsense.ninja-web.net/)にアップした拙稿に加筆、編集
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion12945:230405〕