ドイツバイエルン州副知事、経済大臣でder Freien Waehler(自由な選挙人)党首のフベルト・アイヴァンガー(52)の反ユダヤ主義が問題になっている。8月25日Sueddeutsche Zeitung(南ドイツ新聞)は次のように報じた。
アイヴァンガーが17歳の高校生だった時、彼のカバンに反ユダヤ主義のパンフレット数冊が発見され、学校の懲罰委員会は彼に厳重注意処分を言い渡した。「事実を明らかにしなければ警察沙汰にする。」と警告を受け、パンフレット作成の経緯等を説明したようだ。「祖国への最大の裏切り者は誰か?」と題されたコンクールへの応募を呼び掛けるこのパンフレットには賞品として「一等:アウシュヴィッツの無料見学」、その他の賞は「集団墓地の生涯滞在」「首のフリーショット」「アウシュヴィッツの歓楽街訪問」。
DPA(ドイツ通信社)によればアイヴァンガーの兄がこのパンフレットを作製したと述べ、弟がそれを配布したかどうかについては記憶にないと答えている。さらにアイヴァンガーがカバンにMein Kampf(『我が闘争』)を入れていた。ヒトラーに敬礼をした。ユダヤ人について冗談を言ったという元クラスメートや、教師の証言も加わる。
ショルツ首相はこの件について迅速な調査を求めた。バイエルン州政府はパンフレットを配布したか否かをはじめとする25項からなる質問状をアイヴァンガーに送る。29日連立委員会特別会議でこの質問状に対するアイヴァンガーの回答が報告される。わずかA4版4頁の回答は質問にまともに答えていない。
30日アイヴァンガー兄弟はバイエルンメディアグループの新聞に応える。「若気の至り(Jugendsuende)であり、ナチスを賛美したり、ホロコーストを否定したり、憎悪や暴力を扇動するつもりはなかった。これは非常に誇張された風刺にすぎない。私は反ユダヤ主義者ではなく、極端な主張に与する者でもない。」
バイエルン州首相マクス・ゼーダー(CSU)はアイヴァンガーの辞任を求めず、FW(自由な選挙人)とともに引き続きバイエルン州政府を構成すべく10月8日の州議員選挙に向け(アイヴァンガーは有力候補)FWと共闘してゆくと語った。
これに対し経済大臣ロベルト・ハーベリ(Gruen)はアウグスブルガー・アルゲマインに「これは政治的な姿勢の問題であり、政治的な戦略の問題ではない。」と語った。
ディルク・ヴィーゼ(SPD)はデュッセルドルフのライニシェン・ポストに「世界の光が日々一つ一つ明らかにするものは、いまもなお一貫していると言いうる精神的態度である。」と述べアイヴァンガーの辞任を求めた。
den 6.September 2023
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