テレビニュースTagesschau(タゲスショウ)は26日(火)Sueddeutsche Zeitung(南ドイツ新聞), die Zeit(ツァイト)などがNord-Strem-Anschlaege(ノルト・シュトレム攻撃)について新たな痕跡を見出したことを伝えた。
ノルト・シュトレム攻撃から1年たった。このテーマは政治的に非常に破壊的(brisant 仏語briser「砕く」から)で、いまだに多くのことが明らかになっていない。専門家によればこの状態はなお長く続くようだ。
ノルト・シュトレム攻撃についての情報を集めるのはむつかしい。ドイツでは連邦検事総長がその任に当たり、内務委員会と連邦首相府に定期的に報告する。しかしながらそれは閉じた戸の背後で行われている。
それでもなおドイツのメディアを通じて報じられる重要な情報は、今もって引きも切らない。それらによればノルト・シュトレム攻撃は次のような経過をたどる。2022年9月初めロストックから15mのボート“アンドロメダ”が出港した。ボートには総勢男性5人、女性1人が乗り込んだ。船長、二人の潜水夫、二人の潜水助手そして女医。ボート貸のドイツ人に偽のパスポートを提示した。このグループは事件現場に爆発物を運び、そこへ設置したものと思われる。
2022年9月26日夜最初の爆発がデンマークボルンホルム島近くで起こる。引き続き同日晩にさらに爆発が続く。ノルト・シュトレム・パイプラインは全部で4本の導管から成り立っている。爆発後1本の導管だけが無傷だった。
被害は甚大だった。ノルト・シュトレムAGの報告によれば導管の一つは250mにわたり破壊され、亀裂を通って1kmに及ぶ環状にガスがたちのぼるのが見られた。
メディアの伝えるところによると、アンドロメダは片付けられないままの状態で所有者に返された。捜査官は船室の机の上に爆発物の痕跡を認めた。米国が攻撃よりもずっと以前からこの件を考えていたのではないかと、2023年6月ワシントンポストが報じた。米国は2022年6月-攻撃の3ケ月前である-にはドイツと他のヨーロッパ諸国とそれを共有していた。
計画は詳細を極める。明らかになったのは次のような計画である。6人の参加者が偽のパスポートで借りたボートでパイプラインへ行き、導管へ潜り爆発物を設置する。しかしこの企ては原因がわからないままに凍結された。
ワシントンポストはさらに続ける。伝えられる主だった要素は、これまでの調査結果と一致する。これはまたARD-Hauptstudio(アエルデーハウプトシュツディオ) Kontraste(コントラステ),SWR(エスヴェエル)そしてdie Zeitの情報とも一致する。さらにさらに西側のある秘密情報官がほぼ同じ時期にヨーロッパの仲間の秘密情報官にそれに対応すべく指示を与えている。
ウクライナ大統領ヴォロディミル・ゼレンスキはそれについてはなんら知らない。ウクライナ軍も情報局もそのようなことを行っていない。そうでないというのなら喜んで証拠を示そうと述べた。
国際安全保障委員会はこれが偽の国旗を装った犯罪である可能性を排除してはいない。つまり、ウクライナが犯罪を引き起こした者であることを示すたしかな痕跡があるということだ。もちろん捜査官はその様なシナリオが成り立つ証拠を見つけたかどうかは、明らかにしていない。
誰が攻撃に責任があるのかという問題はそれ以後多くの疑惑の渦中にあり、明らかになったことは少ない。連邦検事総長は捜査しているが、何も公表していない。オラフ・ショルツ首相は解明を求めている。内務局、首相府、法務局も捜査にに関わっている。どこで糸は結びつくのか。
議会監視委員会は定期的に開かれる。それは常にBND,(連邦情報局)、MAD(軍事保安局)、BfV(連邦憲法擁護庁)の検閲を置けている。Parlamantarische Kontorollgremium(議会監督委員会)は特別重要な事案について包括的な報告を受けるという義務を、連邦政府は負っている。
議会監視委員会の責任者が緑の党のコンスタンティン・フォン・ノルツ。彼は情報局の知見について定期的包括的に報告を受けている。議会監視委員会は質問の権利があり、必要な場合には書類を提出させることもできる。フォン・ノッツによれば情報局の知見は良い状態にある
情報の流れは良いと言っているにもかかわらず、フォン・ノッツには誰が攻撃の背後に潜んでいるのかは確認されたいない。この複雑な混乱状態のなかで真摯に苦しみ、堪えねばならないと彼は考えている。
ボートの6人が正確に誰であるのか、誰が彼らの依頼者なのか今日まで明らかになっていない。ドイツ、スウェーデン、ポーランドとの緊密な情報交換をしつつ捜査を進めている。
緑の党政治家ファン・ノッツは国家的、いわゆる国家的犯罪が問題になっていることを確信している。この攻撃はこれを行うために一時的に集まった犯罪者、小さなテロ・パズル・グループが行ったのではなく、かなり専門的な何者かが行った。そして犯罪の専門性は、また捜査上の大きな問題である。国家的犯罪者は操作方法、操作可能性に知勇している。ファン・ノッツは述べる。それ故その結果に堪えねばならない。
ショルツ首相は述べる。この1年解明の意欲は増々大きくなっています。その通りでしょう。ノルト・シュトレム攻撃は政治的にみて破壊的(brisant)であり、連邦政府は誰が背後に隠れているのか知りたくないとは考えられないでしょう。
フォン・ノッツの認識によれば捜査は非常に真摯に行われている。背後に誰がいるのか、できることはすべて行った。それ故いつの日か責任者を発見し、法廷で審理されることを楽観視している。しかし誰も100%こんなことは言えない。連邦情報局長ブルーノ・コールはすでに5月、早期の解明という望みを否定した。
den 28 Sep.2023
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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